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小野里さん

3度目の育児休暇での活動、夫婦での育児休業からの活動など、小野里さんとお会いして、子育てや育児休暇を通して、留学並み、またはそれ以上の人生のシフトをされているなぁと、その実行力に感動しました!

小野里さんのキャリアに対する考えのシフト、また、まだあまり表には出てこないけれど、「父と子」の関係について、「父」の育児休業のリアル(妻目線)など、小野里さんならではのお話を伺いました!(インタビューby椿)

 

小野里さん

小野里さん

プロフィール

・氏名:小野里美保

・会社名:新聞社

・職種:広告営業

・簡単な経歴:新卒で新聞社に入社、新聞広告の校閲などを行う部署(深夜勤務土日出勤あり)に配属。第一子出産→育休→復帰、庶務部に異動、第二子出産→育休→復帰、営業部に異動。広告主向け広報誌の編集や広告企画などを担当。

第三子を出産し三度目の育休中。

・居住地:東京都

・ご自身の年齢 :38歳、1979年

・お子様の年齢 :7歳(小2)2010年、4歳2012年、0歳2016年

・ワークスタイル:夫婦で育児休業中

 

 

現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。

第三子を出産し、三度目の育休取得中です。夫も同時に一年間の育休を取っています。

一度目と二度目の育休は思い通りにいかないことも多かったので、三度目の正直で今しかできないことをやっています

仕事は入社してから15年くらいずっと内勤で、与えられた仕事だけをこなし、キャリアをまったく意識していませんでした。その後、営業部に異動になってからは割と自由に動くことができ視野が広がりました。興味のある企画にも首をつっこみ、母となった視点を仕事に活かすことができました。これからおもしろい仕事ができそう、というタイミングで名残惜しく産休に入りました。

■「HEART&DESIGN FOR ALL~誰もが暮らしやすい社会の実現へ~」

障害者やLGBTなど多様性をテーマに情報発信やシンポジウムなどを行っています。

■子育ての支えになる言葉「糧ことば

絶賛投稿募集中です!「糧ことば」はだれでも応募できます。人から言われたり、聞いたり、本で読んだり…子育ての支えになった言葉をぜひご応募ください!選ばれた言葉は新聞&WEBに掲載されます!!

平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。

6:20 起床、長女の弁当・朝食・離乳食作り

7:00 夫&子供たち起床、朝食、長男長女を送り出す(送りは夫)

10:00 外出(ヨガ教室、PTAなど)

13:50 長女幼稚園お迎え(水曜日は午前保育)

帰宅後、買い物夕食作りなど家事

16:30夕食(夫、長男、長女)、長男長女習い事へ(夫が送り迎え)

18:30夕食(次女、義母)お風呂

21:00子供たち帰宅、お風呂、明日の準備

0:00 就寝

隙間時間でSNSチェックなど

 

出産して、何が一番変わりましたか?

今思えば、出産前までは自分のことだけ考えていて自己中、人も話も聞かないしツンケンして感じ悪い印象だったと思います。他人や社会に興味関心があまりなく視野が狭かったです。子供ができて自分が必要とされる存在になり、今では子供を三人産んだというだけで、人から相談を受ける機会も増え、いつのまにかベテラン枠。今まで周りに助けてもらってばかりだったので、今度は恩返しで他の人に役に立ちたいと思うようになりました。社会課題にも関心がでて、自分のできる範囲でボランティアなどに取り組んでいます。

糧ことば 新聞掲載

糧ことば 新聞掲載

 

ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。

ワーママとして、自分が新聞に載ったことがあり、子供たちに自慢しました!家族のリアクション薄目でしたが…。(笑)

ママたちが心の支えにしていることば「糧ことば」の企画は、社内の(自称)若手有志が勝手に作ったチーム「次世代研究所」と広告会社・博報堂のママチーム「リーママプロジェクト」とのコラボ企画です。読者から寄せられた「糧ことば」の選考会を行い、自分の子育てに対する思いまでが新聞に掲載されました。仕事では子供の病気で急に休んだり早退したり、周りに迷惑をかけてしまうことも多く、子育て中を「負い目」に感じていた時期もあったので、母となったからこそできた仕事は良い経験となりました。

ただ、夫は記事を読んで「(夫のことを)最初は全然ダメでした」の発言がお気に召さなかったようですが…事実です!

産後半年、家族で小笠原諸島へ 片道船で24時間

産後半年、家族で小笠原諸島へ 片道船で24時間

育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?

育児だけでも思い通りに行かないことばかりなのに、産後、自分ではどうすることもできない辛いことがたて続けに起こりました。信頼していた上司の突然の死、東日本大震災、弟の交通事故、実母の病気、そして闘病生活の後の死などです。有事の時に子供がいると身動きが取りづらいもどかしさを実感しました。どんどんネガティブ思考になり、育児にも仕事にも不平不満ばかりになっていきました。営業部に異動の話があったときは入社してから内勤経験しかなかったので、「今までの仕事の経験が何の役にも立たない、自分には何もできない。」と自己肯定感がとても低くなっていました。

 

それをどうやって解決していますか?

異動後、自分に自信がなかったとき、職場の先輩から「家庭で家事も育児もやっているのだから仕事ができないことはない。」と言われ、ハッとして、母であることにもっと自信を持とうと思いました。子育て中だからと「いつも申し訳ない気持ち」で「すみません」ばかり言って「自分は戦力外」と思っていたのですが、母であることを強みにして仕事ができないかなと考え方を変えました。なんだか急にひらきなおっちゃったんです。

 

育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?

育児も仕事も不平不満ばかり言っていても解決にならないので、「ダメだし」ではなく「ポジだし」(ポジティブな改善策)を心がけています。

 

新聞社はハードワークと聞きます。実際はどうでしたか?

職場に働く母が増え、先を行く先輩もいたので、とても理解のある環境でした。周りのサポートにとても感謝しています。子育て中だから妊娠中だからと仕事を制限させるのではなく、やりたいことはやらせてもらえました。泊りの出張では久しぶりに一人でゆっくりお風呂に入り、誰にも邪魔されずに朝ごはんを食べ、出産前までは当たり前だったことのありがたみを実感した至福の時でした。出張から帰ると意外にも自分がいなくても家庭は普通にまわっていて拍子抜けしました。「ママじゃなきゃダメは思い込み」ですね。

 

 

広告営業のお仕事でも、取材についていったり等、社内でも比較的自由に動けてたのことで、それはどのように実現に至ったのでしょうか?

内勤のときは、ミスなく仕事してあたり前なので評価されることもあまりなく、仕事は受け身でした。目の前の仕事を毎日同じようにこなす方が楽だと割り切っていました。いきなり未経験の営業部へ行けと言われたときは、「イヤです。私には無理です。」と全力で拒否しました(笑)。知らないことってコワイと感じてしまうし、なによりまた一から仕事を覚える気力がなかったです。

私は短大卒なので、営業に異動することはない、四大卒と比べると給料の差も大きいし、昇進も遅い、研修も受けていない、だから補助的な仕事しか任せられないんだと思い込んでいました。考えてみれば、そんな契約なんてないのに、入社したばかりの頃に誰かに言われた言葉が呪縛のようになっていたのだと思います。

異動後に思い立って企画を提案しました。最初はアイディアだけ出せば後は誰かがやってくれるだろうと甘い考えでいました。でも自分で動かないと進まないことがわかり、周りも巻き込んでサポートしてもらいました。子供がいると外出しにくい大人の会話ができないというフラストレーションがあったので、自分のやりたいように自由に動けるってとてもいいですね。

考えていることは言わないと相手に伝わらないし、やりたいと思ったことがあれば遠慮していると損です。会社も夫婦関係と同じで「言わなくてもわかってほしい」と念じていても伝わりません。自分からやるって言ったのにできなかったらどうしようとも思ったけれど、できないときはできないと言いました。そうしたら、周りが助けてくれました。声をあげることが大事です。

 

夫婦で育児休暇を取得する事になったきっかけを教えてください。

夫婦で育休と聞くと、とても子煩悩な夫で夫婦仲も良いと思われがちですが、むしろ家族を立て直すための荒療治です。

最初に夫が育休を取ると言い出した時、私は三度目こそは育休を謳歌しようとしているのに、「自分のペースが乱されるのでは?」「夫のお昼ごはんまでつくるの?」「働きたくないだけじゃないの?」「育休なめんな!」というのが正直な気持ちでした。同居している夫の母も世間体を気にして猛反対していました。しかし、「家族との時間を大切にしたい」という夫の決意は固く、転勤辞令が出たことをきっかけに強行的に育休取得となりました。(詳しくは「共働き未来大学」のインタビューをどうぞ)

 産まれて一年間の子供の成長はめざましいので、「今日はじめて歩いたよ」とか私から聞くよりも夫の目で見てほしいですし、男性にも一度仕事から離れ家族と向き合い、今後の人生について立ち止まって考える機会としての育休もありだなと今は思っています。

 

ただ、良いことばかりではなく、夫婦で働いていないので長女は通っていた保育園を退園となってしまい、急遽幼稚園さがし、働いていないので世帯収入も大幅に減り貯金を切り崩しています。でも、保育制度など必要に迫られて得た知識や経験は無駄にしないで仕事に活かしたいので育休中に保育士資格取得を目指しています。

 

産後ケア教室 マドレボニータ

産後ケア教室 マドレボニータ

3回目の育児休暇でチャレンジしている事、意識していることなどあれば教えてください。

「育休中なのに活動的だね」とよく言われますが、やっていることはどれもこれも本当は苦手意識のあることばかりです。

自分にはスキルがないと思っていたので、妊娠中にプロボノ(スキルを活かしたボランティア活動)「ママボノ」に参加。

運動音痴だけど、産後は気力体力回復のため、産後ケア教室「マドレボニータ」のエクササイズに通いました。

育休中の現在は「母となってはたらく」をテーマにしたNECワーキングマザーサロンの運営メンバーにボランティアとして参加していますが、もともとはママトークが苦手で児童館に行くのすら苦痛でした。

小学校のPTAにいたっては「なんかコワイ」「めんどくさい」というイメージしかなかったけれど副会長になりました。

すべてに共通しているのは実際に飛び込んでみたら面白く学ぶこともたくさんあるということです。

今後は英語が苦手なので親子留学をしたいですね。夫はどこまで本気かわかりませんがシアトルに住みたいようなので。

 

ママが推薦して父子旅行でシアトルに行かれたのですよね?参加した経緯など教えてください。

夫は育休に入ると、子供たちに勉強や運動など教育熱心になるあまり、毎日怒ってばかりになってしまいました。特に長男に対してです。怒られた息子は母に逃げる、私は息子をかばい怒りすぎの夫にイライラ…家庭内ギスギスで最悪な状態。夫と息子そんなに相性が悪いのなら関わらないでほしいと思っていた矢先、タイミングよく「父子ツアーinシアトル」という企画を知りました。主催は「笑っているパパを増やす」活動をしているNPO法人ファザーリングジャパン関西です。夫の志望動機と妻の推薦状により選ばれた3組の父子が渡航費無料でシアトル8日間の旅をするという企画でした。毎日眉間にシワを寄せている夫にはもうこれしかないと思い応募、幸運にも参加させていただくことができました。息子にイライラしても、他の父子たちが一緒の手前、声を荒げるわけにはいかないし、その辺に放置して帰ってくることもできない状況です。ママのヘルプもない逃げ場のない海外で息子に向き合ってほしいと願いつつ、ケンカして途中リタイヤするのではないかとすら心配していました。成田空港に迎えに行くと感極まって泣いている夫がいたので、父子の絆が深まったと確信しました。もちろん、今でも夫は怒ることもありますが、以前のような頭ごなしの怒りではなくなり、その影響か息子もとても落ち着きました。二人とも一皮むけた感じがします。母子分離したことにより、夫の子供の接し方に私自身が干渉しすぎていたのかなと少し反省もしました。

この父子ツアーは単なる旅行ではなく、現地パパたちとのミートアップなど、パパたちの子育てや働き方に対する考え方を変えるほどの刺激的なものだったようです。

興味のあるは夫のブログもどうぞ!

 

 

お仕事復帰したら、どのような動きをしたいと考えていますか?

「育休中って毎日ヒマでしょ?」とか「三度も育休取って戻る席はあるの?」と言われたこともあります。育休はブランクではないことが証明したいですね。

育休中は仕事では出会わないような人たちとつながり、普段できない経験もできます。それを仕事に結びつけたいです。

母としての視点を活かし、家庭と仕事の境界線がないような仕事ができたら理想的です。

 

今後の目標やプランを教えて下さい!

シアトルの効果で、夫が働き方を変えたい!と宣言しているので、いざというときの変化に対応できるように準備していきたいと思っています。仕事と家庭以外の第三の場や自分の好きなことやりたいことをさがしていきたいです。

 

最後に、メッセージをお願いします。

最近の女子大生はあえて一般職を選ぶという記事を読んだことがあります。

私はずいぶん長いこと割り切って仕事をして思考停止してしまっていたので、やる前からできないと決めつけるのはもったいないなと思います。

 

自分の関心がある仕事ができるってとてもおもしろいです。作業量が多くても全然苦にならない。逆に、まったく興味のもてない、やらされている感の仕事はしんどいです。

インタビューされているパワーママたちを見るとみんな仕事が好きだからどんなに忙しくても活躍できているのでしょうね。

仕事している時間って一日の中でとても長いから、自分がそれで満足なのかをよく考えた方がいいと思います。

自分の気持ちが満たされていれば子供にもパートナーにも優しくできます。子育てを理由に自分の気持ちを後回しにしないでください。

2017年10月31日 0 comment
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