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開発した商品と望さん
開発した商品と望さん

開発した商品と望さん

プロフィール

・氏名: 角幡 コーゼル 望
・会社名: SEATn’COUCH
・役職名: Founder
・簡単な経歴:
大学を卒業後、成田空港にて国際線地上職として勤務。
コンピューター周辺機器メーカーに転職し経営企画と秘書業務を兼務した後、ポルトガル語を習得する為にブラジルへ留学。 留学中に出会った夫と結婚し、そのままブラジルに移住することに。
出産後、子連れで長時間フライトする難しさを知り機内用クッション【SEATn’COUCH】を企画制作、ベイスにて販売を開始する(https://seatncouch.theshop.jp/)。
・居住地:  ブラジル連邦共和国サンタカタリーナ州
・ご自身の年齢 :1982年生まれ35歳
・お子様の年齢 :2012年生まれ6歳の女の子
2015年生まれ3歳の男の子
・ワークスタイル: 在宅ワーク

現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。

社名にもなっている【SEATn’COUCH】という製品を企画設計、中国の工場でOEM製造をし、輸入から販売まで全て自分で行っています。
工場とのやり取りや輸入指示、お客様への対応などは全てブラジルの自宅からインターネットを通して行っており、日本国内からの発送作業のみスタッフに任せる形態です。

平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。

8時     起床
ブラジル時間が夜中の間に入った受注処理
発送完了メールやお問い合わせへの返信作業
9時    しっかりめの朝食
10時    朝食の片付け, 掃除, 洗濯などの家事
13時    軽食後、娘をプレスクールへ送迎がてらお買い物や用事を済ませる
15時    息子とお外遊び
17時    プレスクールお迎え後、夕食の支度をしつつ子どもたちの遊び相手
18時半   夕食
19時半   夕食の片付け, 子どもたちと遊んだおもちゃの片付けなど
20時    お風呂タイム
21時半   子どもたちを寝かし付けた後、工場やお客様とのやり取りをしながら自由時間
24時    就寝

 

出産して、何が一番変わりましたか?

良い意味で【いい加減】になり、上手にバランスが取れるようになったと思います。
元々神経質ではない方なんですが、それでも自分なりのやり方やこだわりがあって、その通りに物事を進めたいタイプだったんです。
でも子育てを始めてみると、思うようにいかないことばかり。
自分でもどうしようもないイライラを溜め込んでしまい、そういう時に愚痴を言ったり相談したい家族や長年の友人たちは遠い日本… 結果的に大爆発をしてしまい、仕方ないので1度全てを諦めて放り投げ、改めて自分に本当に必要なものだけ拾い上げてみたら、軽い軽い(笑)。それまで自分で作った無駄なルールに縛られていたことに気付きました。

家族で近くの貯水池にて

家族で近くの貯水池にて

ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。

私の場合、育児をしていたからこそSEATn’COUCHを作ろうと思えたので、この仕事を与えてくれた子育てに感謝しています。
と同時に、仕事を始めたことで子育てばかりではなくなり日常的に夫以外の大人(ここ大事です!)とコミュニケーションを取る時間が増えたので、育児に対する精神的余裕が生まれたと思います。

育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?

在宅ワークの良いところは、時間が自由にコントロール出来ること。
特に私の場合は生産過程さえ過ぎてしまえば、他の部分はスマートフォンでもほぼ仕事は出来てしまうんです。
でも、だからこそ自分の中でしっかりとけじめを付けないと、仕事を溜め込んだり、逆に子どもたちの相手をしながらもいつまでもダラダラとメールチェックをしたりしてしまうので、配分調整が課題です。

それをどうやって解決していますか?

仕事に使っているノートパソコンを仕事部屋のデスクに固定し、そこから動かさないことにしています。
そして急ぎの内容以外は、スマートフォンで済むこともあえてパソコンを使うようにして、仕事は仕事部屋で集中して片付けるようにしました。
最近は子どもたちも【ママは家にいても仕事部屋にいる時は忙しい】と認識してくれるようになったので、リズムとしては安定して来ています。

二人の子どもたち

二人の子どもたち

育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?

育児と仕事、どちらでも【自分が幸せな状態であること】を1番大切にしています。
基本的に自分のキャパシティが大きくないことはよく分かっているので(笑)、ネガティブになり始めたな~と感じた時は5分でも10分でも1時間でも現実逃避します。
インターネットをしたり本を読んだり音楽を聴いたり、その時により気分の調整方法は様々ですが、その間は子どもが泣いていても危ない状況でさえなければ自分が優先です。
自分がハッピーであれば子どもがどんなに理不尽に泣き叫んでいても余裕を持って対応出来るし、仕事にも集中して取り組めるのでミスも少ないですが、逆の場合はどうでもいいことでイライラしたりそのイライラが家族に伝染したりと本当に良いことなしなので、爆発する前にこまめにガス抜きすることは本当に大切なんです。

 

どうしてブラジルで住むことになったのですか?

高校生の頃から簡単な通訳業務をしていて英語には自信がありましたが、1番最初に就職した国際線地上職の仕事で英語以外の言語を話せる大切さを痛感しました。
元々1度就職し人生経験を積んでから大学院へ留学しようと思っていたのですが、転職先のメーカー勤務でより一層他言語習得への関心が強まり、将来性のあるブラジルポルトガル語を学ぼうと留学したところ、現在の夫に出会ってしまいました(笑)。

 

【SEATn’COUCH】を始めたきっかけを教えてください。

娘が生後6か月の頃、初めて日本へ里帰りをしました。
ブラジル国内便を1時間、国際線に乗り換えてヨーロッパまで12時間飛んだ後、さらに日本まで12時間…
子どもを抱えながらする、乗り換えや諸々の手続き時間を含めると40時間にもなる移動は、単身で飛んでいた時と比べると、身体的疲労はもちろんのこと精神的疲労が比べものになりませんでした。さらに息子が生まれ子どもを2人抱えての里帰りを考えた時に、この大人にとっても地獄の長時間フライトをどうにか快適に過ごさせてあげたいとアイデアを集めた結果、エコノミーシートでもゆったりと脚を伸ばして横になれる空間を作ってあげようという結論に辿り着きました。

【SEATn’COUCH】は、どういったものですか?

飛行機や新幹線, 車など長時間移動の際に足元に設置すると、小さなお子様がソファーのようにのんびりと脚を伸ばして座れるようになるエアークッションです。
特に国際線エコノミークラスの座席間にフィットするように様々な航空会社の座席幅や高さなどを調べ、さらには空気の注出入が簡単に出来るようバルブの形状や大きさにもこだわって作っています。
自分の子どもたちに使わせることを考えて作ったので製品の安全性はもちろんのこと、旅行時以外は身体の大きな我が家の夫が家の中でオットマンとして使うことを想定し、耐荷重は150kgに設定してあります。

今後、【SEATn’COUCH】を通して、どうしていきたいと考えていますか?

実際に販売を始めお客様とお話ししていると、みなさん私と同じで子連れ移動に神経を擦り減らしていらっしゃることが分かりました。
特に飛行機は子どもが泣いたからと言って途中で降りることは出来ませんから、余計に不安になるんです。
SEATn’COUCHのテーマは【子連れ旅行はもっとラクに楽しくなれる】です。
今後は製品を通し、ご旅行される方はもちろんのこと、私のような海外在住者の一時帰国, 日本で国際結婚をされている方の海外帰省など、色々な事情でお子さんと長時間移動をされるご家族が移動自体をもっと楽しめるようなアイデアを提供していけたらなと考えています。

最後に、メッセージをお願いします。

ブラジルでは子どもと道を歩いていたりスーパーでお買い物をしていると、ムキムキマッチョの強面お兄さんから物腰の柔らかなお婆ちゃんまで老若男女問わずみんな気軽に【何て可愛い子どもたち、お母さんはよく頑張ってるね】とよく声を掛けられます。
娘がまだ小さく、頼れる家族も近くにいない状況で手探りで育児をしていた私はその何気ない労いの言葉に何度助けられたことか…
日本は、特に都会ではこうして見知らぬ人に用もなく声を掛けることって少ないですよね。
でも子どもが機嫌を損ねたり我儘を言い出したり、子育て中の日常的に発生する【大変な瞬間】、周りからフレンドリーな優しい声掛けをしてもらえると、それだけでふっと緊張が解けることってあるんです。
子育てをしているパパママのその日の【大変だった瞬間】を【今日あった嬉しかった瞬間】に変えられるかもしれないそんな優しい声掛けを、今まさに育児中の私たちによってこれからもっともっと普通のことにしていけたら素敵だなと思っています。

電車の中で、お店の中で、大変そうにしているパパママを見掛けたら、まずはニコッと笑い掛けてあげて頂けたら嬉しいです。

インタビュー by 椿

2018年9月29日 0 comment
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