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時差出勤

山口さん

モバイルマーケティング企業の株式会社D2Cで働く、広報宣伝を担当する山口久実子さん。
3人の子供を育てながら藤沢から東銀座まで通っているそうです。

3人目の育休復帰について悩まれた結果の出社1日目の発見、
問題解決と感情コントロール方法、そして旦那さんとの話し合い前の準備、
広告営業から広報への異動、
単身での超短期留学などなど、

3姉妹を育てつつ、努力や挑戦を重ねている山口さん。刺激になる事、間違いなし!(椿)

山口さん

山口さん

プロフィール

・氏名:山口久実子

・会社名:株式会社D2C

・職種:広報宣伝

・簡単な経歴:

慶應義塾大学卒業後、外資系ISPや広告代理店を経て現在の会社に転職。

代理店営業として総合代理店から専業代理店まで担当し、育休復帰後に現職。

・居住地:神奈川県藤沢市

・ご自身の年齢 :37歳

・お子様の年齢 :小学5年、4歳、2歳の三姉妹

・ワークスタイル:正社員、時差出勤×時短勤務

 

現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。

株式会社D2Cは、2000年にNTTドコモ、電通、NTTアドの3社合弁で設立され、世界初のモバイルマーケティング企業としてスタートしました。現在では、デジタルマーケティング事業、ドコモ事業、海外事業など、デジタル領域を軸に幅広い事業をD2Cグループとして展開しています。

広報宣伝としては、D2CグループのPRや情報発信だけでなく、デジタルを活用したマーケティング施策を表彰する「コードアワード」、中高生のためのアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園」などデジタルマーケティングの発展に寄与する活動にも注力しています。

私自身の担当としては、オウンドメディアの運営や編集が中心で、D2Cグループが携わったイベントやキャンペーンを取材することも。デジタルマーケティング事業は成長も変化も早い業界なので、常に広くアンテナを張りつつ、自分自身も柔軟性と成長が求められる仕事です。

 

平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。

<起床>

5:30 保育ノート、保育園準備、小学校のプリントチェック

6:00 洗濯物たたみ、入浴、身支度

<夫と子供起床>

6:30 子供の身支度+トイレトレーニング

*朝食準備、保育園送りは夫が担当

6:50 出社(LINEの返信、メールとニュースをチェック)

8:30 始業(原稿校正、記事アップ作業、各SNS配信等)

11:30 ランチ(一日分の栄養をここで摂取)

13:00 社内外での打合せや取材

16:00 退社(長女とメール連絡、習い事やイベントの日程調整)

17:30 保育園お迎え

18:30 夕食準備→夕食(出来上がったメニューから食べる)

20:00 子供の入浴→仕上げ磨き+トイレトレーニング

21:00 寝付かせ→寝落ち

*翌日の洗濯予約セット、食洗機セット、調理器具の片づけは夫が担当

<就寝>

 

出産・子育てを経て、何が一番変わりましたか?

休日がすごく忙しくなりました!

独身時代はゆっくり家事をしたり疲れを取ったりする時間に充てられていたのですが、子供たちが成長するごとに休日のタスクが山盛りになってきました。

今では平日できない家事から習い事の送り迎え、学校行事や地域のイベント参加に加え、家族のレジャーもよりアクティブに。休むヒマがないので「休日」ではなくなりました(笑)

 

ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。

今でも覚えているのは育休復帰1日目のことです。

育休をいただいていた1年以上の間、本当に復帰すべきなのかずっと悩んでいました。特に長女が小学生になったので、学校行事への参加や学業のフォローアップ、帰宅後の過ごし方や習い事の送り迎えには在宅の方が安心ということもあって…。

迷いに迷い、後ろ髪ひかれる思いで復帰したのですが、いざ出社してみると職場にいるというだけですごく楽しい!一気に迷いが吹っ切れました。この日、子供たちをお迎えに行った時の笑顔は格別だったと思います(笑)

子供と離れて身軽になったからとか、自分の時間ができるからというとちょっと違う。「私がいなくてもどうにかなるだろう」と思うしかない状況にすることで子供の力を信じて任せることにつながった気がしました。

子供とのちょうどいい距離に気づかせてくれたくれたことが、育児と仕事を両立してよかったことですね。

 

3人のお子さんたち

3人のお子さんたち

 

 

育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?

何でも自分でやらないと気が済まない性格なので、仕事をひとりで抱え込んでしまい苦しい時期がありました。

育児も同じ轍を踏んでしまい何度も行き詰まることがあったのですが、時間に制約のある仕事と思い通りにならない育児の両立を経験して、どんな働き方でも時間は有限で、自分ひとりでできることには限界があると、やっとわかったような気がします。

とはいえ思考のクセを変えるのは根気がいるので、今もなお四苦八苦していますが…。

 

それをどうやって解決していますか?

夫に相談して解決しています。

自分ではどうにもならずに困っていることや改善したいことを、常にiPhoneのメモ帳に書き溜めてるんです。もちろん、夫への不満も(笑)

その代わり、できる限りの感情をメモ帳にぶつけて、そこで解消するようにしています。

ある程度言いたいことがたまったら、マイルドな言葉に変換してノートにリストアップ。言いたいことを起承転結にまとめ、それを頭に叩き込んでから話し合いをします。

そこまでやっても怒りが舞い戻ってきて感情的になることはあるのですが、夫は非常に辛抱強いので、その度に改善しようとしてくれます。

夫が改善してくれると、私も文句ばかり言ってられないな、自分もちょっとはがんばらないとな…ってなりますよね(笑)

このサイクルを積み上げていくことで、家族の様々な困難を乗り越える力がつく気がしています。

 

育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?

育児では「自分が子供だったらどうするか」を大事にしています。

私は自分が子供だった時のことを嫌になるほどよく覚えているので、「ママが子供の時もこんなことあったな~」と失敗談をすると、子供たちはすごく楽しそうに聞き入ってくれるんです。

子供って、大人の失敗した話がすごく好きなんですね。なんでこんなことずっと覚えているんだろうと嫌になることもあったのですが、自分が子供だった時の記憶が、今では子供たちとの架け橋になっている気がしています。

仕事では、チームや会社、お取引先に対して、「自分がどう貢献できるか」を第一に考えてきました。

すぐには社会に貢献できる仕事でなくても、自分がやったその先のどこかで社会をまわすことにつながっていたいと思います。

現在はサポートしてもらうことばかりで、とても貢献どころじゃないんですが(笑) サポートしてもらった恩を、仕事の質で返せているかは常に意識しています。

今年は社会人15年目になるのですが、ここへ来て自分のやりたいことを仕事でも実現してみたい欲が出てきました。限られた時間で最大限パフォーマンスを上げるには、「これがやりたい!」という強いモチベーションがあると、スピードも質も上がることにやっと気がついて(笑)

時間に制約のある今の働き方だからこそ気づけたことなので、仕事と子育てが一緒になって初めて、私の成長を押し上げてくれる力になっています。

 

子ども向けメディアをはじめたきっかけは?

先日、文部科学省は2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討すると発表しました。確かに最近、プログラミング教育の話題をテレビで見る機会も多くなったなと思います。

そんな中、お母さん、お父さん、先生、そして子供もみんながプログラミング教育の大切さを知りたがっているのではないかと。

私自身もD2Cが6年前から主催をしている「アプリ甲子園」を見て、中高生の能力の高さに驚嘆しています。しかし、プログラミング教育を行う上で何を教えればいいのか、何を分け与えていいのか、分からない方も多い状況なのではないかと思いました。

本格的なプログラミング教育の義務教育化が行なわれていく中で、必要な情報を提供していきたいと思い、「こどものミライ」(http://kodomomirai.com/)というメディアを立ち上げました。

 

職場の理解、社内のワーママに対する雰囲気はいかがでしょうか?

正直、子育てするようになって初めて「うちの会社ってこんなにいい会社なんだ!」と気づきました(笑)

平均年齢が若い会社にも関わらず、子育て世代だけではなくその先の介護や自分の病気、様々な環境や様々な状況にある人に対して、どうすれば働きやすい環境が整備できるか、こんなに考えてくれているとは知りもしませんでした。

社員が困った時にどれだけサポートしてくれる会社なのかということは、当事者にならないとわからないですもんね。

職場復帰直後は、すごく配慮された仕事内容やチーム体制に対して「もっとできるのにな」と思うこともありました。あまりにも休め休めと言ってくれるので、逆に心配になるくらいで…(笑)

現在、最後の育休から復帰して2年経ちますが、下の子になるほど手離れが早い。これなら残業もできるなと思い、週に1-2回は夫にお迎えをお願いして思う存分仕事しています。完全に元のペースには戻せなくても、思うように仕事できるようになるまであっと言う間でしたね。

働けるうちは目一杯働き、いざという時はサポート体制が整っているというのは、どんな状況の社員にとってもすごく心強いことです。

仕事に100%打ち込めない時期は誰にでも必ずやってくる。でもずっとじゃない。

いろいろな働き方を許容することによって、自分にとっても働きやすくなる、そういう職場の雰囲気は醸成されつつあるなと感じます。

 

営業から広報への異動では仕事内容も変化したと思いますが、どうでしたか?

営業歴は前職も含め6年くらいですが、もともとはありがちなクリエイティブ志望だったんです(笑)

ただ、営業企画として入った前職で、人と人、企業と企業の間に自分が入って進めることに楽しさを覚えてからは営業が好きになりました。営業なら制作に口も出せますし(笑)、会社の利益代表として全体をコントロールしたり、お金を引っ張ってくるのは営業の醍醐味かなと。

もちろん、売上という数値目標のある営業は大変です。でもそれ以上に、クライアントや代理店、メディアや制作など多くの人が関わっているので、時間のコントロールが難しい。育休復帰後は営業サポートに回りましたが、最前線から離れて寂しい反面、ほっとしたのを覚えています。

営業サポートを経験した後に広報へ異動となるのですが、実は、広報についてよく知らなかったんです。異動が決まってから慌てて「広報と宣伝の違い」を検索した覚えがあります(笑)

広報をやってみてわかったのですが、メディアやPR会社の方だけでなく、クライアントや代理店、プロダクションなど様々な人との関わりという点では広報も同じです。ですが、会社の経営戦略と同じ目線で物事を考える、会社のビジョンを具現化して伝えるという点では、より俯瞰した視点や論理的思考が私には足りないなと痛感しています。

また、業界の変化に伴いグループ各社の事業内容も幅広くなっているので、広告だけでなくデジタルマーケティング全般の知識を身につけている必要があります。柔軟性と成長が求められる仕事ですが、それってどんな仕事でも常に必要とされるスキルですよね。子供や家庭を持つことで変化を避けていた時期もありましたが、今は「子供の成長に負けてないかな」を合言葉に自分に発破をかけています。

現在は、D2Cグループの社員がライターとなって記事を作成するオウンドメディアの編集を主に担当しています。経験も知識も自信もないですし、当初はおそるおそるやっていたのですが、記事校正のために情報収集をしたり、取材した内容をまとめたりするのって意外と性に合っているかも!とまで思えるようになってきました。

予想もしていなかった部署への異動でしたが、今までのキャリアがリセットされるわけではないんです。全く経験のない仕事でも、今まで自分がやってきたことが必ずつながっている。そのキャリアや経験をどう活かすかが大事で、少なくとも、今までやってきたことを与えられた場所で活かそうとする工夫そのものが、その次の仕事へもつながっているような気がしています。

 

今後の目標やプランを教えて下さい!

目標は121歳まで生きること!!

22世紀がこの目で見たい!!

「70歳からカメラを勉強し始めた」とか、「80年来の夢を叶えた99歳の大学生」なんてニュースを耳にするとワクワクしますよね。やりたいことを詰め込んでいれば、100歳なんてあっという間じゃないかなと。なので、121歳というのは結構本気です(笑)

仕事と子育てが落ち着いたら「学び直し」がテーマなので、アーユルヴェーダというインド伝統医学を学び直したいです。海外留学もしてみたいので、ドクターを目指してインドの大学に入学するのもいいですし。

実は、ちょっと前までは唯一の趣味だった「超短期留学」が目標だったのですが、夫から「ひとりでどこか行ってくれば?」と提案されて、それが叶ってしまったんです。

「ひとりでやりたいこと」なんて想像もつかず、当初は面食らいましたが、仕事で実現したいことや家族と一緒にやりたいことだけでなく、自分がやりたいことを持っておくというのも、すごく大事だと気づかされました。

今すぐには難しい夢やアイデアも、常に懐であたためておこう、いつでも飛び出せるようにアップしておこうと思います。

 

超短期留学!? 具体的にどういうことをするのでしょうか?

毎年、有給休暇以外に連続して最大5営業の休暇がもらえる「リフレッシュ休暇」という制度があるのですが、その連休を活用して海外で勉強をしてくることを勝手に「超短期留学」と呼んでいます。

私の場合は学生時代からひとりで海外へ行くのが好きだったのですが、買い物も観光地もしっくりせず、一日中路線バスに乗り続けたり、現地の映画館へ入り浸ったりしていたんです。

唯一の楽しみが、出発前に叩き込む現地の言葉がちゃんと通じるか試すこと。それで、「そうか、私は勉強するのが好きなんだな」と気づいて、どうせやることがないなら海外へ行ったついでに学校へ通おう、なんなら資格を取ってこようと思いついたのが超短期留学のきっかけです。

探すとマッサージ師やヨガのインストラクター、アーユルヴェーダのセラピストなど、1週間足らずで受講できるコースが意外とあるんです。趣味の域を出ないものばかりですが、継続的に勉強すれば日本でも仕事に活かせるかもしれないし、まあ仕事にならなくても学校を通じていろんな国の友達ができるしいいかなと(笑)

この9月は、タイに伝わる伝統医学の一つであるルーシーダットンという自己整体法を勉強してきました。金曜の午後に会社を出発、火曜の朝には職場に直行という強行スケジュールでしたが、三連休でも意外とできるんですね。

うちの会社は、有休とリフレッシュ休暇をくっつけて2-3週間の語学留学にいく社員も少なくないんです。有休はカツカツ、リフレッシュ休暇は子供との夏休みで消化するので今の私には三連休が精一杯ですが、次はどこに何をしにいこうか今から計画するのが楽しみでなりません!

それもこれも夫の助けと、夫に家や子供のことを任せられるだけのスキルがなければできないことなので、夫には非常に感謝しています。ここまでやられてしまうと彼の趣味も許容するしかないですよね。家事育児スキルもあり、そんな策略も提案してきた夫には太刀打ちできません(笑)

 

 

超短期留学

超短期留学で取得した資格

 

最後に、メッセージをお願いします。

 

「お母さんが悩んでいるということは、子どもに心が向いているということ」

「親は悩まないといけない、そして、その親の真摯な悩みが未来の社会を変えていく」

これはある保育園の園長先生のおことばですが、私はすっごくネガティブなので、このことばを聞いて「悩んでいいんだ」と救われた気持ちになりました。

最後の育休から復帰して2年経ち、確実に手離れしています。でも、成長に応じて内容が変わるだけで、悩むことはまだまだ多いのが実情です。

仕事に専念してぐいぐい成長している同世代の話を聞くたびに焦ったり、仕事も育児も楽しむ人のポジティブさにやられて、ますますネガティブになったり…。悩んで悩んで、足踏みするばかりのような毎日です。

それでも、その悩みがいつか未来をひらく力になるなら、悩みをやりたいことに変えて、懐であたためていようと思います。

2016年9月30日 0 comment
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