今回ご紹介するのは、エイベックスの人事でマネージャーとして活躍する北原鮎子さん。
管理職としてチームのメンバーをまとめていく上で、育児の視点が活かされていると言います。また、育児にも仕事の視点を活かし、最近ではキッズコーチングの資格も取得したそうです。そんな北原さんのマネジメント術や、フルタイム勤務を支えるご家族のお話などをお伺いしました!
プロフィール
・氏名:北原鮎子
・会社名:エイベックス株式会社
・役職名:マネージャー
・職種: 人事
・簡単な経歴: 2002年に新卒でエイベックスに入社。入社後は、音楽の販売促進部で、所属アーティストの販促を担当。ECや大手レコードチェーン店向けのCD・DVD営業を経験した後、人事に異動。異動当初はWLBプロジェクトの立ち上げ(保育園誘致など)、社食提案など人事以外の業務も行いつつ、現在は採用・研修、制度企画、またグループ会社横断で女性視点を交えて当社の企業課題の解決を目指す女性活躍プロジェクト“nadesico a-project”メンバーも務める。※2014年〜2015年まで育児休業取得。
・居住地:神奈川県
・ご自身の年齢 :38歳
・お子様の年齢 :4歳(2014年生まれ)
・ワークスタイル:フルタイム勤務
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
2018年7月より採用・研修チームのマネージャーとして働いていますが、その他、インナーコミュニケーションや働き方を考えるワークスタイル変革プロジェクトや女性視点を交えて当社企業課題の解決を目指す女性活躍プロジェクトなどにも参画させてもらっています。
マネージャーになって「昇格おめでとう!」と声をかけていただくこともあるのですが、私はあくまでマネジメントは単なる〝役割″だと考えています。もちろんメンバーには方向性は示していくのですが、あえて自分が苦手なことを最初に伝えて「私はみんなより偉いわけでは決してないし、足りない所も山程あるから助けて!」と言ってみんなに助けてもらっています(笑)。チームで何を成し遂げるかかなと。
会社が定時制だった頃は時短勤務をしていたのですが、コアタイムなしの完全フレックスになってからはフルタイムに切り替えました。(※制度としては5時間15分~7時間30分までの6パターンで時短勤務が可能)
以前は、朝子供がぐずっても「間に合わないからごめん!」と言って、無理やり家を出ていたのですが、フレックスになってからは、そういった状況になってもちゃんと子供と向きあってから仕事に向かえるようになりました。月間で所定労働時間をクリアすれば良いので、例えばある日は、16:00に帰って美容院に行き、次の週に足りない分を補うことも出来ます。この変更でかなり時間調整がしやすくなりましたね。非常にありがたい制度だなと思っています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:30 起床(自分の身支度、プライベートのことも含めて前日の残タスク対応)
7:30 子供を起こして身支度
7:50 朝食(朝食作り、保育園の送りは主人の担当)
8:20 出勤(読書、ネットショッピングなど)
※フレックスなので、日によって時間は異なる
9:00 勤務開始
18:00 退勤(積み残した仕事への対応)
19:00 保育園お迎え→実家
19:30 実家で夕食、お風呂
20:00 入浴、子供との時間
21:00 実家→自宅へ
22:00 絵本読み聞かせ、寝かしつけ
23:00 主人とのコミュニケーション
0:00 就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
やっぱり生活スタイルと価値観ですね。
大きな声では言えないですが、仕事大好き人間だった私が、育休か
そんな中復職してみて感じたのは、守りたいものがあると、より仕
限られた時間の中でどのような工夫をしてチームとしてバリューを
プライベートでは自分の時間や夫婦だけの時間はほぼなくなりまし
あと出産したら、冷え性と花粉症が治りました!これは嬉しい誤算
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
弊社のCMがTVで流れる度に「あ!ママの会社だ!」とはしゃいでくれるのを見ると、ほっこりしますね。娘の今のマイブームは某音楽番組ごっこ。「ママはおしゃべりする人ね」「ここから出てくるから拍手してね」など細かい指示が飛んできます(笑)
あとは、仕事が育児に、育児が仕事に活かされている気がします。
会社でコーチング研修を担当していた関係で、自分も一緒に勉強させてもらったのですが、これが本当に子育てに役立っています。コーチングという考え方を知らなかったら、きっと一生ティーチングという手法しかしらないまま子育てをしていたと思いますし、子供への接し方も全く違うものになっていのではないかと思います。もちろん子供と大人の接し方は全く同じではないので、改めて子供に対するコーチングを学びたいと思い、先日キッズコーチングの資格も取りました。
仕事側で行くと、普段全く思い通りに動いてくれない子供のモチベーションアップ方法を常に考えているので(笑)、それがチームマネジメントにも役に立っています。子育て同様自分ひとりでは限界があるので、チームメンバーに他のメンバーの様子を聞いたりして、個々がどうしたら主体的に楽しく仕事が出来るか考えていきたいなと思っています。
弊社はエンタメを主に扱っているのですが、実は物事って子供に流行ると世の中でムーブメントになるんですよね。それだったら、例えば今度の新曲のデモを何パターンか聞いてもらって、その中から子供が反応するもの(口ずさんだり真似したり)を選んでリリースする、というような新しいプランニングができたら面白いんじゃないかなと思っていて。こういった観点も、私は子供を持って初めて感じたことなので、コンテンツ制作を生業としている弊社にとっては作り手側の多様性というのは非常に重要だなと思います。弊社ではプロジェクトなどを通じで部署を飛び越えて色々仕事が出来る環境があります。例えば今プロジェクトメンバーであるnadesico a-projectも、「キャリアプランの見える化」、「社員満足度の向上」、「ヒットコンテンツの創出」などを軸に活動しているので、このプロジェクトのどこかで提案してみたいと思っています。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?また、それをどうやって解決していますか?
復職したては上司が気を使って負担をかなり軽くしてくれたのですが、逆に私はそれを「自分はもう必要ないのではないか」と受け取り落ち込みました。1ヶ月くらいは何とかそのままやっていたのですが、このままではモチベーションが保てないと思い、ある日思い切って上司に「迷惑をかけるかも知れないけど、もう少し仕事を下さい」と言ってみたんです。そしたら「え?良いんですか?それは助かります!」と。拍子抜けしましたね。こんな事ならウジウジしてないで早く言えば良かったなと思いました。自分の仕事は自分で取り返さない戻ってこないことを痛感した出来事でした。
それ以来、復職してくるママ社員の上司の方に対して「必要以上に配慮する必要はありません。是非ご本人の志向をうまく汲み取ってあげて下さい」とお伝えしています。
物理的な時間の制約に関しては、復職タイミングで両親に近くに引っ越して来てもらうという飛び道具を使いました(笑)。母が元保育士なので、子育てに関しては日々アドバイスを貰っています。主人と両親が私の仕事を非常に理解してくれているので、海外出張や夜帯の仕事、自己研鑽の為の勉強会参加など、他のママ社員よりはかなりフレキシブルに対応出来る環境なので、本当に有り難いなと思っています。
日頃「仕事に育児に大変だね」と言われるのですが、周囲の多大なるサポートのおかげで、とても充実していて毎日本当に楽しいです。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
仕事も育児も全力で!というのはあるのですが、子供と過ごす時間は物理的にどうしても少なくなってしまうので、少ない時間の中でどうやって濃い時間を過ごせるかを意識しています。
あとは、たくさんの人の目で育てること。毎日の実家通いもそうですが、双方の親戚や仲良し家族との交流など、なるべくたくさんの人にあえてお世話になるようにしています。逆に私が友人のお子さん達を見ることもあります。他の親子の関わり方を見ると「そうやってやれば良いのか!」と思うことも多々あり、非常に勉強になっています。
仕事では「自分だからこそ出せるバリューは何なのか」というのは大切にしている部分です。弊社では好きなことを仕事にしている人が多いのですが、そうは言ってもやっぱり働く環境や人が良くないと楽しく仕事が出来ないと思うんですよね。足元の自分のチームメンバー全員が楽しく仕事をすることはもちろんなのですが、人事という立場にもいるのでより多くの社員の方が「明日会社に来るのが楽しみ」と言ってもらえるような会社にしてきたいと思っています。
家事育児の分担はどのようにされていますか?
基本的に半々。気づいたときに気づいた方がやる、というスタイルです。
結婚前主人はほとんど家事をやったことがない人だったのですが、特にお料理についてはありがたいことにビックリするくらい上達しました。「これどうやって作ったの!?」と思うこともしばしば。盛り付けもものすごくキレイなんですよ(笑)。週末も俺が作ると言ってくれるので、おまかせしちゃってます。
逆に掃除は私の方が得意なので、食事作りは主人で掃除や洗濯は私、というパターンが多いです。
今後の目標やプランを教えて下さい!
ロールモデルとか大層なことではなく、「北原が出来るなら自分も出来るかも」と気軽に思えるような存在になることと、当社タグライン(企業理念)「Really! Mad+Pure」のように、エイベックスが世の中に「Really!」(マジで!)を発信し続ける集団になることです!
最後に、メッセージをお願いします。
継続することにおいて、等身大であり続けることは非常に重要だと感じています。自分らしさを大切にし、時には周りに「助けて!」と素直に言える勇気を持つことも必要なのではないかなと。まだまだ私自身パワーママとは程遠いですが、こういった特集が組まれないくらい世の中全体がパワーママ化したら素敵だなと思うので、一緒に切磋琢磨していきたいです!
インタビュー:柴田広夢