サイバーエージェントの野口さん。聞き手から見ると、”西の元祖管理職ワーママ先輩”。
一人目出産後の超独身スタイル、二人目出産後の遠距離通勤時短スタイルという、多様な働き方も特徴的。
さらに、”経験則で判断できる種のことが多くなり、アグレッシブなレベルでの自己成長を感じづらくなっていました。“とあるように、ベテランになると誰もが感じるベテランのジレンマを、職種変更を選択する事により“新しい分野でキャリアを広げる方が将来的な自分の成長角度は上がるのではないか、より経営貢献できる仕事になるのではないか“と考えて実行するのは、何ともサイバーっぽい!と刺激をたくさんいただいたインタビューです☆
プロフィール
・氏名:野口 和(のぐち あい)
・会社名:株式会社サイバーエージェント
・職種:人事
・簡単な経歴:
1999年株式会社インテリジェンスに入社、人材紹介の営業や
キャリアアドバイザーに従事、10ヶ月の勤務の後、
当時資本関係のあった株式会社サイバーエージェントに2000年に転籍。
以来13年間、大阪や名古屋の広告事業にて営業やメディア企業との折衝部署な
どを担当し、長くマネジメントに関わりました。
二度通算二年間の産休・育休を取得し、2013年の10月の復帰からは大きく
キャリアチェンジし、人事職についています。
最初の半年は全社向け人事組織の新卒採用部署に所属し、ここ半年は、
自分のホームグランドである広告事業の人事、名古屋以西の3拠点(名古屋・
大阪・福岡)を担当しています。
・居住地:名古屋(勤務地のメインは大阪)
・ご自身の年齢:38歳(1976年生まれ)
・お子様の年齢:6歳男子(2008年生まれ)、2歳女子(2012年生まれ)
・ワークスタイル:現在は一時的に時短勤務
・現在の仕事内容
広告事業( https://www.facebook.com/cyberagent.advertising )の
西日本事業部(大阪・名古屋・福岡)で働く120名ほどの人事を
担当しています。
中途採用や活性化、育成などを通じ、組織コンディションをより良い方向に
持っていき、生産性を上げるなど、経営と連動した仕事になります。
もともと広告事業の初めての地方拠点となった大阪支社の立ち上げ時に
入社し、西日本事業部を10数年かけて数字を稼ぐ立場から大きくしてきた
自負があります。またそのうち、プレイヤーだったのは最初の1-2年ほどで、
その後ずっとマネジメントをしてきましたので、現在のメンバーのうち、
大半は自分のチームにいた人たちです。
そんな面々のコンディションは顔を見ただけでよくわかりますし、
これまでの経験を活かしながら、違う立場で数字を稼ぐ気持ちで組織作りを
やっています。
・一日のスケジュール
<名古屋勤務の美しい一日>
6:30 起床
7:00 子供を起こす、朝食など
7:45 保育園に向けて出発
9:00 名古屋オフィスへ出社
└デスクワークを中心に、事務処理や企画を考えたりしています。
12:30 ランチ(必ず外に出たい)
16:00 退社
17:00 保育園にお迎え
17:30 上の子の勉強に付き合う
18:00 夕食準備、子供たちとごはん
19:00 子供たちと遊び、お風呂へ
20:30 娘が就寝、上の子と遊びながら、家事などの残務
22:30 上の子と就寝
<大阪勤務の激しい一日>
6:30 起床
7:00 子供を起こす、朝食など
7:45 保育園に向けて出発、新幹線で大阪まで
10:00 大阪オフィスへ出社
└日中、社員との面談や企画会議、採用候補者との接触など。
対面を重視して、デスクワークはなるべくしないようにしています。
12:30 大阪勤務の様々な部署のメンバーとランチ。
午後 午後もめいっぱい面談や会議にコミット。
時には外部の人を招くイベントも実施。
20:00 退社
└遅くなりついでにオフィス近くのデパートで
食料品を買いもの。15分一本勝負。それでも買い物は癒しに必要。
22:30 帰宅
└このくらい遅いと夫が徒歩3分の自分の実家で義妹と協力して
子供を保育園にお迎え→勉強・ごはん・お風呂→就寝まで
やってくれます。子供たちはお泊りで、私が翌朝迎えに行きます。
時に、大阪から実父を呼び寄せることも多いです。
そうしてやりくりしています。
出産して、何が一番変わりましたか?
人生に彩りが増えたこと。
子供がいないときも楽しくしていましたが、子供がいるとそのバリエーション
も増え、めくるめく日々に拍車がかかりました。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
今までになかった人の輪に入れたり、視点を持てたこと。
その人の輪は、ビジネス上の社内外もありえるし、保育園や地域の人との
関わりも含めてずいぶん違ってきていると思います。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
時間が圧倒的にない!ということ。
一人目のときは夫が離れていて(当初は中国に赴任、その後、名古屋に)、
私の大阪にある実家に頼りきっていたので、朝の保育園の送り以外は
平日ほぼ何もしない、21時台に帰ってきたら子供と少し遊べるけど、
むしろそのころまでに帰れないときは起こすとややこしいから無理に
早く帰らない、という超独身スタイルで仕事をしていました。
この頃、一番多い時は、5部署ほどの局長というポジションを兼務し、メンバー
も30名ほど抱えていたので、もっと仕事をしたいという思いが強かったです。
二人目出産後もフルタイムで復帰したのですが、最近、転機があり、
家族は一緒に住もう!ということで、子供と一緒に名古屋の夫の実家近くに
引っ越し、新幹線で大阪オフィスまで通っています。そのような決断、選択を
許してくれた上司に感謝です。
そうはいうものの、子供が二人いるものの、超独身スタイルの仕事の仕方に慣
れていたし、親のサポートが減った分、いったんは時短に変更し、と、
ここ数か月はてんやわんや中です。
職務内容は自分の希望もあり変更していないので、短い時間の中で成果を
出すことにアジャストさせている最中です。
二人目育休復帰後、営業キャリアから⇒人事と異動された野口さん。異動する時、その後について教えて下さい!
もともとは広告事業で、営業職や、営業と対になって仕事をするスタッフ職と
を行ったり来たりするキャリアでした。
自分の性格にも合い、充実して仕事をしていましたが、年数が経つにつれて、
経験則で判断できる種のことが多くなり、アグレッシブなレベルでの自己成長
を感じづらくなっていました。
また、会社全体が大きくチャレンジする性質を持っていたので、そこと比較し
たときに、新しい分野でキャリアを広げる方が将来的な自分の成長角度は
上がるのではないか、より経営貢献できる仕事になるのではないか、と考えま
した。漠然と一人目の出産後から考えていたのですが、実際は、二人目の産休
復帰の際に、新しい仕事がしたいと希望しました。そして人事職になった、と
いうことです。
転職してより高いステージのキャリアを積んだり、キャリアの幅を広げたりす
る人が多くいますが、同じ会社にいても自分の今後を見据えたキャリア設計を
することは大事だと思います。
仕事に対する価値観として、「他人に運命を握られてはいけない」と表現を
私はよくしています。ちょっと強烈な表現ですが、やりたい、こうありたい
と自分が考えた仕事をするときに、社内外の人に協力してもらえるようなネッ
トワークだったり、信頼が必要だと思うんですね。今回のキャリアチェンジに
対しても、多くの方が応援してくれたり指導してくれました。
今後も公私ともに、いろんな変化があると思いますが、何事も追い風に変えて
しまうようなコントロールをしていきたいと思います。
今後の目標やプランを教えて下さい!
将来にわたる経営数字に貢献するような人事の仕事がしたいです。
事業部に密接に関与する立場として、数字を稼ぐ組織作りや、
その戦力やコンディションが永く活性されるにはどんな戦略や施策が有効なの
かなど、取り組みたいことは山積みです。
人事の仕事も多岐に渡りますが、そんなことを実現しながら強い力を
身につけて行きたいと思っています。
最後に、メッセージをお願いします。
完璧にマネできちゃう対象になるロールモデルなんていません。
自分の性格、キャリア、能力、夫、家庭、居住地、志向性も違えば、
同じように子どもの性格だって違うもの。
むやみにロールモデルを探したり、ネガ情報に振り回されて変な妄想するより
も、戦争が起きちゃうよりマシ!と思って、何でもやってみてください。
だいたいのことはできちゃうと思います。そうやって、思い切った人が増えた
ら、ますます日本は面白くなるんじゃないかなーと妄想しています。
みなさん、思い切って人生を面白くしましょう!!
インタビュー by椿