今回は、29日のイベントの共催団体である「育休navi」を立ち上げた町田乃梨子さんをご紹介します。
復帰後に部署異動を願い出たり、1人目の出産時に感じた「子育てと働く」の両立のもやもやについて、自分で形にできることをやっていきたいと「育休navi」というワーキングマザー向けのイベントやコミュニティー作りの活動を始めたり。現在はご主人のアメリカ赴任へ帯同され、カリフォルニア州で2人目の産休期間を過ごされている、そんな町田さんの「子育てと働く」について伺いました。
プロフィール
・氏名:町田 乃梨子
・会社名:パナソニック株式会社
・職種:R&D企画
・簡単な経歴:
2010年 パナソニック株式会社 本知財部門に入社
2012年 社内カンパニー(エコソリューションズ社)知財部に異動
2014年 夏より1人目の産休・育休
2016年 1年半の育休後復帰。自身の希望により、事業部R&D企画へ異動
2016年 秋より2人目の産休。夫のアメリカ赴任へ帯同。現在、アメリカ、カリフォルニア州で子育て中。
・居住地:アメリカ、カリフォルニア州
・ご自身の年齢 :33歳
・お子様の年齢 :長女2歳9ヶ月、次女7ヶ月
・ワークスタイル:1人目の育休明けはフルタイム復帰でしたが、夫が先にアメリカへ赴任したこともあり、途中で時短勤務へ変更しました。
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
1人目の産休育休までは、知的財産部という特許を扱う部署でした。
私は企画のチームで、自社の知財資産を守るだけではなく、そういった資産を活かした事業創出に向けたコンセプトワーキングなどを行っていました。例えば、研究所などとまだ事業化していない技術を、デザインシンキング的なアプローチで、ユーザー起点でコンセプトを創出するワーキングを企画・推進をしていました。
そうする中で自分もサポーターではなくプレイヤーとして事業創出に携わりたいという思いが強くなり、1人目の復帰後はそういった部署への異動を希望し、住宅設備を扱う事業部のR&D企画へ異動させて頂いて、現在もそこに所属しています。
1人目の産休育休は東京で過ごしたのですが、初めての子育ては、当然ですが初めての事だらけで、それまで深く考えていなかった「子育てと働く」の両立について、すごく漠然としたもやもやを感じていました。
同じように「子育てと働く」の両立や、自身のキャリアについて考えていた人たちに、「東京ワーキングマザー大学」や、子連れシェアオフィスの「子育てビレッジ」で出会い、とても刺激を受けました。
まだ、自身でも答えは出ていないけれど、模索しながらでも自分で形にできることを少しずつやっていきたいと思い、復帰後に「育休navi」というワーキングマザー向けのイベントやコミュニティー作りの活動を始めました。始めは1人でイベントなどを中心に行っていましたが、賛同して頂ける方も少しづつ増え、地道ながら育休中の今も活動をしています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
(復帰時)
6:30 起床 自分の用意、朝ごはんの準備、保育園の準備
7:00 夫、娘起床
7:30 私出勤(娘の送りは夫担当)
8:10 出社(フルタイム勤務)
17:30 退社
18:20 お迎え(時々は途中でスーパーへ)
19:00 帰宅、夕飯の用意
19:30 夕飯
20:00 お風呂
21:00 片付け、寝かしつけ
21:30 娘が寝る
23:00 私就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
私にとってはたくさんの変化がありました。時間の捉え方や人生の目的、社会の見え方、暮らしの形。
それでも一番大きな変化は、時間が制限され色んな制約ができたからこそ、本当に自分が価値を感じることを実現したいという想いがクリアになったことだと思います。具体的に実現したい事が何かはまだ模索中ですが、自分が形にしたい価値を実現する生き方をチーム家族でしていきたいです。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
具体的なエピソードではないのですが、独身で働いていたころは、仕事を通して、暮らしや社会課題をみていましたが、家族を築き、少しずつ母親になっていく中で、実際の生活を通して暮らしや地域、社会に接するようになり、自分ごととしてリアルに感じられるようになりました。
そうすることで、仕事の先にある暮らしや社会課題がどう良くなっていくのかを考え、イメージしながら仕事をできるようになりました。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
単純に管理タスクが常に自分の上限パンパンなことですね。笑
特に私はもともとマネジメント的な能力が高くはないので、仕事にプラスで育児、家事も含めた時間管理、タスク管理が常にいっぱいでした。そういったタスクから解放されたフリーな時間が持てなかったことです。
それをどうやって解決していますか?
第一子の育休後、復帰していた期間が短かったので(現在第二子の育休中)、その期間では解決できていませんでしたが、また完全復帰した時には、フリーな時間で自分の考えを整理したり、読書したり、自己点検や自己研鑽の時間を、毎日少しの時間でもとるようにしたいです。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児では、とにかく固定概念を外して、一緒に考え学んでいくことを心がけています。こうしなさい、こうしちゃだめでしょ、などを自分の固定概念だけで言っていないか。なぜそうしないといけないのか、自分も考えるし、その考えた理由を伝えるようにしようとしています。現実はそんなうまくはいっていませんが。笑
特に今、移民が特に多いアメリカのシリコンバレーで子育てをしているので、余計にそう感じています。インド、中国、ロシア、メキシコ、、ありとあらゆる国の人が同じアパートにいます。習慣や風習、考え方も違うので、子供に何か注意したり教えたりする時も、出来るだけゼロベースで考えたいと思っています。
仕事では(といっても今は育休中なのですが)、自分なりの付加価値をつけることを意識したいと思っています。時間的な制約があり、とにかく目先のことをこなすことに集中しがちですが、実現したい社会、幸せにしたい人たちを常に心にとめて仕事したいと思っています。
あと、どちらでも大事にしたいと思っていることは、制限や常識にとらわれないこと。平日は限られた時間的リソースでできる仕事や、限られた食材で作る夕飯のことばかりになりがちなので、笑、意識して制限や常識を外して、常にクリエイティブでありたいと思っています。
今後の目標やプランを教えて下さい!
自分なりの子育てと働くのバランスを模索しながら、同じような課題を感じる人にむけたソリューションを育休naviなどの活動を通して形にしていきたいと思っています。子育てしながら働くことへのネガティブなイメージをもっとポジティブなものに変えていけたらいいなと思っています。
一方では、自分のライフワークとして、子育てや家族の視点でこれからの暮らし方をもっと豊かにしていく仕事をしていきたいと思っています。子育てを通して、家族の豊かな生活、母親の役割が本当に大事だなと感じています。その価値をもっと高めるだけでも、世の中もっともっと豊かになる。そんな想いを形にしていくことで、社会に何かしら還元できることをしたいと思っています。まだまだこちらも模索が続きますが。
最後に、こちらのインタビューをご覧になっている方に向けてメッセージをお願いします。
子供を産んで親になれるって、本当に恵まれたありがたいことだなと感じています。大変さはさておき。笑
それを経験しながらも、前に前に進もうとする人たちって、すごく社会にプラスなインパクトを与えていると思います。きっとパワーママに興味がある方はそういう方だし、自分はまだまだパワーママではないですが、そんな方達といろんな繋がり方をして、いろんな面白いことを企んでいけたらいいなと思っています。
ぜひ「育休navi」のページにも遊びに来てください!