今回は子供服ブランド「ミキハウス」でマネージャーとして活躍する高坂一子さんです。
サイトのリニューアルや社内報の編集、と社内外に自社を伝える広報担当として活躍されていますが、一度出産・子育てのために退職されています。その後アルバイトとして復職、正社員となり現在はチームのリーダーとなった高坂さんが、どのように仕事や子育てと向き合ってこられたのか、というお話や先輩としてのメッセージはわたしたちにもヒントとなりますね。
プロフィール
・氏名: 高坂一子
・会社名:三起商行株式会社(ミキハウス)
・役職名:営業統括本部 営業企画部 マネージャー
・職種: Web担当の責任者と同時に、ミキハウスが発信する広告販促用イメージやコピーのプロデュース担当。合わせて、社内報の編集も担当する。
・簡単な経歴:
大学卒業後、ミキハウスに入社。営業部、新卒採用担当に。入社4年目に、出産・子育てのためいったん退職(女性本社勤務社員の復帰習慣がまだなかった)。2年半仕事から離れるも、復帰の誘いを受け、1995年にアルバイト待遇で、復帰した。新卒採用のオペレーションを担当。その後、2000年Web担当としてオフィシャルサイトのリニューアル等に関わり、2005年より広報部所属。Web担当を兼任しながら、企業広報とミキハウス所属選手の取材対応、社内報の編集に携わる。2015年より営業統括本部 営業企画部 マネージャーとなり、現在に至る。
・居住地:大阪府
・お子様の年齢:22歳(東京で就活中!)
・ワークスタイル:フルタイム
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
5:30 起床・軽く朝ごはん・時間があれば、アイロンがけや床掃除もする
7:10 出勤 自家用車で会社へ出発
8:10 仕事開始 メールチェック、スケジュール確認、出張申請など
9:00 始業
9:30 出産準備サイトの原稿チェックバック(妊娠出産インフォ)
10:30 社内報編集会議 次号の内容話し合い。
11:30 メールチェック。次号社内報の企画書作成、制作依頼。
12:30 ランチ
(外食・たまーに簡単に作って持っていく。そんなときは、お弁当派ママスタッフと楽しく会話しながら、いろいろ社内の情報を教えてもらう)
13:30 制作物に関して、後輩の相談にのる
14:30 次回プレママセミナーの告知準備(案内メール、サイト掲載内容)
15:00 新マタニティプロジェクトのスケジュール作成
16:00 妊娠出産インフォの構成案確認と公開前の原稿校正作業
18:00 社内報の取材準備 店舗への依頼電話
19:00 仕事終わり
20:00 帰宅・夕食準備
22:30 夫帰宅 片付け
23:30 就寝
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
感謝する気持ちが大きくなりました。子どもや家族やまわりの人に・・・そして一人では何もできないことも身を持って感じるようになりました。
高坂さんが仕事をする上で、心がけていることは何ですか?
どんなことでも「ま、これくらいでいいか。」をしない。心を込めて仕事をする。当たり前ですが、チームや社内においては、立場世代関係なく、あいさつやメールなども丁寧に対応する。また自分が発信した情報は、PCでもスマホでも、ブラウザの向こう側にいらっしゃるたった一人のお客さま、社内報を手に取ってくれたたった一人の仲間のための情報だということをいつも肝に銘じています。自分が発信した情報やイメージ、コピー、写真などにより、その一人の人にどうなってもらいたいかを明確にイメージするようにしています。
ママのロールモデルがいない中、自分で道を切り拓くためには、どんな努力や心構えが必要ですか?
まわりの人たちへの感謝を忘れないこと、相手や会社環境のせいにしないこと、どんな境遇や立場であっても自分の仕事に誇りをもち取り組むことでしょうか。そして、家族や子どものおかげであることを忘れないことですね。仕事だけをがむしゃらにやるということでなく、やはりバランスをとりながら、どちらも大切にできるようにやっていくこと。それが続けるコツだと思います。3年くらいでは、会社はなかなかがんばっているとは認めてくれないかもしれないけれど、ママとして5年くらいがんばって両立していて、頼られる存在になっていけば、気づくとまわりにママで働く後輩が続いてくれると思います。さらに、ママとして仕事をするようになると、「ママ」であることで、これまでにないつながりが生まれます。それは強い力になりますね。取材対応の現場やお取引先に同じく「ママ」がいらっしゃると、そこから次の仕事に結びついたり…。また、わたくしの場合、復帰のはじめがアルバイト待遇でした。でもそれがかえって良かったと思っています。置かれた環境で精一杯がんばっていたら、いつの間にか、正社員になっていました。見ていてくれる人は必ずいる、そう信じて続けることも大切ですね。
ご主人との家事・育児の分担はどうされていますか?
世代的に、夫は家事や育児をするという価値観がもともとない人です。食べた食器も下げない。わたくし自身も、そんなものだと思ってきました。もちろん手伝ってもらえたら助かるなあと思いつつ、結局一人でやっていました。でも、しんどいときは、主に子どもの相手をしてもらったり、買い物に行ってもらったり、ごはんを買ってきてもらったりしましたね。それくらいです。ただ、そんな夫もなぜか、娘が中学になったころから、保護者面談に行ってくれたり、娘との時間を大切にしてくれるようになっていきました。部活の応援に夫婦でいくことも増えましたね。そして、食事のあとの食器を自ら下げるようになったのもこのころでしょうか。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
託児所で一緒に過ごした子どもたちはみんな大きくなりましたが、仕事でもプライベートでも話しができる、かけがえのない仲間ができたことです。とてもラッキーな環境で仕事を続けてくることができました。それは、ミキハウスの社員向け託児所の開設と同時に、復帰ができたから。お世話になる先生の面接から参加させていただく機会をいただき、同時期に復帰した先輩や後輩とともに、先生方とともに、会社での毎日を再スタートできたのです。子どもと毎日べったり過ごしていた時は、本当にしんどい時間が多かったので、仕事ができることはとてもありがたいことでした。2歳半というとてもややこしい時期に、離れる時間を持てたことで、子どもに向き合う自分のことを、肯定できるようになりました。またそこでともに子育てをする会社のママ仲間がいることで、お互い励ましあって進んでいくことができました。
もしわたくしに子どもがおらず、家庭責任がなければ、自分のことだけを考えて24時間365日、評価のことを気にしつつ、戦い続けていたと思います。結果、今と違って、もっとすごく出世したかもしれないし、もっともっと活躍したかもしれませんね(笑)。でも、正解や方向指示器のない中、道の描かれていない地図を片手に毎日毎日を自分なりに精いっぱい進んでこられたこと自体が、とても幸せなことだと感謝しています。
仕事をしていたおかげで、子どもも、自立した子になりました。母親として人としてまだまだ成長段階のわたくしが、彼女への過度の期待を手放し、こうあらねばならない・・・を手放し、信じる力を持つことができたのも、子どもがいて仕事があったからです。これ以上のhappyはありませんね。
育児&仕事をしていて一番大変なことは? それをどうやって解決していますか(していこうとしていますか)?
やっぱりがんばりすぎて、もうどうしよう!!となったことでしょうか。どうしても一人でがんばらなきゃと思ってしまうタイプだったので、苦しいことはたくさんありました。でもそんなときには、会社のママ仲間に話を聞いてもらったり、夫にがまんしてもらったり・・そんなことをくり返しながら少しずつ進化した感じです。大変だったとしてもその仕事が好きだし、チャレンジしたいことがあるし、続けたいし…どうやったらバランスとれるかをずーっと悩みながら来た感じで。だから解決したことなどないというのが正直なコメントですね。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
人とのつながりを大切にし、どんなことにも感謝し、こうあらねばならない、を手放すこと。
子どもが小さいころは、食事のことをとても大切にしてきました。とにかく健やかでいてほしいと思い、家でのごはんに気を使っていました。そのおかげで、食の安全などに対する情報収集や勉強を積み重ねました。子どもや夫と、農業体験に出かけたりしたこともあります。また身体を健やかに保つための勉強もしたおかげで、いろいろな人たちとも出会い、学べたことはわたくしの財産です。
これからの目標を教えてください。
今、子どもを生み育てる人たちが、ハッピーであるようにと願い、出産準備サイトを運営しています。このサイトをもっと多くの人に知ってもらい、ミキハウスと出会ったおかげで、幸せな子育てができたと言っていただけるように、自分にできることをやっていきたい、それが目標です。
最後にサイトをご覧の皆様(ワーママ仲間)にメッセージをお願いします!
子どもたちはお母さんのことが大好きです。
お仕事がんばっていて、元気でいてくれることが何よりの子どもたちの幸せなのです。
子どもは、あなたの応援団員一号!そう信じていいのです。
しかも、あなたには好きな仕事もある、なんて幸せなのでしょうね。
今、とても大変ですか?
うまくいかないこともいっぱいありますね。
けれど、子どもに向き合い、家族に向き合い、仕事に向き合って、今日も髪を振りみだして生きていることは、何一つ無駄にはなりません。
あなたのできる範囲で続けていれば、今日はきっと、すてきな未来につながっていますよ。
20年前、泣きじゃくる娘を託児所に預け、仕事に復帰した日、未来のことは想像もできなかったけれど、少し前、娘から「ママはわたしの誇り、ありがとう」ってメールが届きました。
そう、あなたにもこんな未来が待っています。
インタビュー by 湯本理絵