今回ご紹介するのは、フリーランスのマーケティングリサーチコンサルタントとメイクセラピストとして活躍する福吉彩子さん。
お仕事やファッションに関するブログやInstagramも人気のパワーママです!
大手外資系メーカーに勤務されていた際に2人のお子さんの育休復帰を経験し、その後、フリーランスとして独立された福吉さん。現在は、「好き」と「得意」の二つをお仕事に活躍中ですが、独立のきっかけとなったのはお子さんのある一言でした。
働き方を見直すきっかけとなった出来事とは? また、新たなキャリアについてやファッションのことも伺いました。
ご自身について教えてください。
・氏名:福吉彩子
・職種:マーケティングリサーチコンサルタント/ モデレーター/メイクセラピスト
・簡単な経歴:大学卒業後外資系メーカーに就職、夫の米国MBA留学と長男出産による3年間の休職を経て復職し、2年後に長女出産、管理職昇進。計15年勤務したのち2015年に退職し、現職。
・居住地:東京都品川区
・ご自身の年齢:38歳
・お子様の年齢:8歳長男、6歳長女
・ワークスタイル:フリーランス
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
現在はいくつかの仕事をしていますが、一番比重が大きいのが、マーケティングリサーチコンサルタントとしての仕事です。いくつかの企業さまのマーケティングリサーチ、いわゆる「消費者調査」の企画設計や分析のコンサルティング・トレーニング、消費者インタビューの司会などが主な業務となります。
一方で、自宅で不定期に「今の自分が一番好きになる」というコンセプトをもとに「ポジティブメイクセラピー」を主宰し、ヘアとメイクのレッスン、ファッションのアドバイスをマンツーマンでさせていただいています。
また、いくつかのアパレルブランドのインフルエンサーとしてPRの御手伝いもすることも。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:30 起床
7:00 朝食準備、朝食
8:00 長男 通学
8:30 長女を保育園に送る
9:00-10:00 家事
10:30~13:00 自宅にてメイクレッスン
14:00~16:00 リサーチ企画コンサルティング、打ち合わせ
17:00 長男帰宅、習い事の送り迎え
18:00 長女お迎え
19:00 夕食、入浴など
21:00 子供たち就寝
23:00 就寝
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
出産したことによって、良くも悪くも内面は特に変わっていないのではないかと思います。
ただ、振り返ってみて、例えば多少は我慢強くなったかも、とか、周りをみる力・俯瞰力のようなものがついたかも?とは思います。
あとは優先順位が変わったことによる生活の変化は大きいですが思いますが、これもまた子供の成長ステージによって変化することですね。
ご主人との家事・育児の分担はどうされていますか?
特に分担はしていません。
私が仕事で朝晩が不規則になるときにお願いする程度です。
夫はベンチャー企業の経営者なのですが「自由な発想で柔軟に働きたい」という彼の仕事への想いを数年前に話し合い、尊重した結果です。
イクメンブームになって久しいですが、我が家は本人も含めて望んでいないし、彼に向いてないのです・・・
彼が向いていることに力を発揮してもらった方が家族の、世の中のためになるかと思っています。
最近は長男の成長がめざましく、幼児から少年になってきたので、親子二人で釣りにでかけたり、と子供と遊びに出掛ける機会が増えました。
以前は外資系のメーカーにお勤めで、その間にお二人のお子さんを出産・復帰されていますよね!?その時の働き方はいかがでしたか?
前職のメーカーでは子育てしながら働かれている女性をたくさんいらっしゃったので、とりたてて大変だということは感じずにいられたと思います。ママであることはダイバーシティ(多様性)の一つに過ぎないという感覚です。
私は自分で決めて時短は取得しませんでしたが、ある意味「成果を求められる」外資系だからこそ、子供がいるママ社員もそうでない人も平等に扱われることの、良さと辛さが共存していると感じました。国内外の出張や、時差による夜遅くの電話会議も日常のこととしてありましたし。
特に、管理職に昇進してから一緒に働く男性の比率が増え、彼らの多くが「専業主婦を奥様に持つ」男性だったこともあり、私も専業主婦の奥さんがいたらいいなあと思ったこともありましたが、ある意味「私は子育てもしながら働いているんだ!」という自負のようなものが、「バリキャリワーママ」としての原動力になっていたかと思います。
そうした中で、ご長男が小学校に上がられたんですね。小1の壁ありましたか?学校生活や働き方は変わりましたか?
「小1の壁」などど「脅し言葉」はあまり使いたくないし、実際に人によって「壁」に感じることって小1に限らずあると思うのですが、長男にとっては、遊んでばかりの保育園生活からいきなり45分じっと座って授業を聞かないといけないことが大きな「壁」だったようです。
母親の立場からすると、平日の行事が多かったり、夏休みの学童にお弁当がなかったりと、保育園との「対応の差」になれるまでが「壁」に感じる部分がありしたが、夏休みが終わるころにはお互いに慣れてきました。
新生活って誰でもいつでも最初が一番大変ですものね!
そうした中で、転機があったと伺いました。お仕事内容や働き方はどのように変わりましたか?
私は長男の小学校入学と同時に、外資系管理職の「バリキャリワーママ」からフリーランスのワーママへ、大きく「働き方」を変えました。
転機は長男が保育園年長のとき、暴れて保育園へ登園拒否が始まったことがきっかけ。
そのころは私も管理職に昇進し仕事が大変で毎日疲れ果てていたのですが、4年通い慣れていたはずの保育園で長男がものを蹴飛ばし暴れたことに始まって、朝の登園は男の先生が二人がかりで羽交い絞めにせねばならぬほどうちに帰りたがるようになりました。
そんな中あった運動会は、前日まで楽しみにしていたのに、当日は「出たくない」の一点張り、私が怒っても泣いても結局、保育園最後の運動会は彼は観覧席でうずくまったまま、何もせずに終わりました。
本人が落ち着いたころに尋ねてみると、
「かあさんにできないところを見せたくないんだよ」とポツリ。
運動会の練習の中で、リレーのバトンの受け渡しがうまくいかなかったり、障害物競争の縄跳びで失敗したりしていたのが、本人は不安で仕方なかったことを、私は全く知りませんでした。
というより、本人がポツリポツリ、保育園の帰り道で話していたような気もするのですが、仕事のことで頭がいっぱいだった私は全然聞いていなかったのですね、彼もそれに気が付いていたのでした。
そして自分が知らず知らずのうちに、長男に「ちゃんとなんでもできること」を求めていたこと・・・
仕事が忙しくて彼の変化をしっかりとみてあげられていなかったことにそんな事態になってようやく気づいたんです。
それから半年後、思うこともたくさんありましたが、15年務めた会社を退る決意をしフリーランスで仕事を始めることにしました。
元の会社のままでは私は働き方を変えることができないと判断したからです。
今の私の仕事は前の会社での経験で成り立っており、今でも感謝の思いでいっぱいです。
自分でしたい仕事と時間を決められる今のスタイルは、小学校に上がった長男との時間を、より長く充実したものにしてくれていて、2年生になった彼は毎日いきいきと楽しく小学校生活を送っています。
また私自身、仕事に時間と心の余裕を縛られすぎることなく、子供達と春秋は登山やキャンプ、夏と冬は海外旅行、昨年は夫が事業を始めたケニアやアブダビなど遠い国にもつれていくことができました。
「パラレルキャリア」について詳しく教えてください。現在は、メイクセラピストとマーケティングリサーチコンサルタントという2つの顔をおもちということですが、具体的にどういったことをされているんでしょうか? また、そういったキャリアにたどり着いた経緯も教えてください。
自分の「得意」と「好き」の両方を仕事にしていることが、私の「パラレルキャリア」です。
マーケティングリサーチコンサルタントの仕事は、マーケティング上の課題点を一番効率よく解決に導く消費者調査を設計したり、マーケティングには欠かせないターゲットの理解を深めるための消費者インタビューの司会をしたり、などのマーケティングリサーチ全般に関わることを、いくつかのメーカー様と契約を結んでおこなっています、これは前職で一番自分が「得意」にしていたエリアを特化した形です。
メイクセラピストの仕事は、前職時代に「もっと目の前にいる人に影響を与える仕事ができないか」と考えていたきに出会った、病気やケガで外観に問題を抱えた方の社会復帰を支援する「リハビリメイク」の第一人者であるかづきれいこ先生に師事し、セラピストの資格を習得したことがきっかけです。
もともと好きだったヘアとファッションを取り入れ「今の自分が一番好きになるポジティブメイクセラピー」という独自のサービスをつくり、主にブログ【 http://ameblo.jp/ayako-lala/ 】やインスタグラム【https://www.instagram.com/fuku44aya/ 】で集客し、月に6-10回程度レッスンを行うスタイルを確立しました。初めて半年たちましたが、今では募集告知してから半日で締め切りになるほど人気のサービスに。
これは人をキレイに・元気にする仕事に携わりたいという、自分の「好き」を仕事にしています。
偶然なのですが、両方とも前職をやめて夫の仕事を手伝っているときに、周りから「やってみて」というリクエストをいただいたことがきっかけで始めました。
会社という大きな組織を抜けて、自分の存在価値がどこにあるか探していた時期だったのですが、それまでしてきたことを少しずつ発信してきたことが縁を呼んだのだ、と思います。
「自分の興味があること」「やってみたいこと」を積極的に発信することが可能になったSNSの時代ならではだなあと思います。
さらに、福吉さんはInstagramでも積極的に発信されていますよね!ファッションセンスが抜群!!『働くかあさんのお仕事コーデ』が人気です。普段のファッションではどんなことを大切にしていますか?
インスタグラム https://www.instagram.com/fuku44aya/ はファッションに特化して発信をしていますが、仕事のときにはきちんと見えるように、ジャケットやシャツ、低くてもヒールといった「きちんとみえる」かどうかを優先して、「楽」にだけ走らないように意識しています。
ファッションのトレンドから考えても、今は「コンフォート」をテーマにしたものが多く、ゆるくて楽ちん、が主流かと思いますが、フリーランスの仕事は個人の印象も極めて重要ですので「きちんとする」ことを大切にしています。反動で、その分休日は楽なカジュアルが多いかもしれません。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・育児では・・・子供たちが「うちのかあさんはxx(前職時代担当していたブランド)をつくっているんだよ!」と誇らしげに友達に話しているのを聞いたとき、メーカーでものづくりに携わっていて、目に見える形で世の中に、子供たちに届けられることがうれしいと思いました。
・仕事では・・・担当商品の主たるターゲットが「ママ」であることが多かったので「消費者を一番理解する」マーケティングリサーチ担当者として、自分も含めて常に周りがターゲットとなる人に囲まれ、身近に素早く実感を持って消費者理解をリードできたことはよかったと思いました。
育児&仕事をしていて一番大変なことは?
・育児では・・・二人とも物理的な手があまりかからなくなった分、今はしっかりと「こころを向き合わせる」ことが大事かなあと思います。例えば、食事やお風呂、就寝前などちょっと落ち着いたときにそれぞれを話す時間を大事にしています。
・仕事では・・・フリーランスの仕事は個人での信用がすべてだし、代打がいない世界なので一回一回の仕事にきちんと向き合うこと、また体調管理を大事にしています。
楽しくワーママできる秘訣は何ですか?
私がこれまで8年間、楽しくワーママをできてきたのは、ひとえに子供たちの健康とアウトソーシングのおかげです。
子供の健康に関してはママのコントロール外にある部分もあるとは思うのですが、あまり細かいことは気にしないで、食べさせる・遊ばせること(例えば、、レトルトが多少続いてもOK! 薄着で遊んでいてもOK! ここで書くのははばかられるくらいいろいろ)を重視してきた結果、長男長女ともに病気で呼び出されたことはほとんどないくらい、健康そのものです。
アウトソーシングに関しては、長女出産後3か月で復職して以来、今に至るまでシッターさんに週に1-3回2時間程度決まった方に来ていただき、お迎えや食事の介助、ちょっとした家事をお手伝いしてもらったことがどれだけ助かったか!ほんのちょっとのお手伝いで劇的に気持ちが楽になるので、「何かあったとき」だけでなく、定期的に来ていただくシッターさんを探すことをお勧めします。
これからの目標やプランを教えてください。
・育児では・・・我が家の子育ての基本方針「「世界の人の役に立つことができる人」に育てる」ことは、これからも変わらない目標です。そのために習い事を含め子育ての環境を整えていくことを続けるつもりです。
・仕事では・・・コンサルタントとしてもメイクセラピストとしても、活動の幅をもっとひろげていければと考えています、またフリーランスをしていると『勉強』は自分でつくらないと機会がないので、インプットの時間を重要視したいと思っています。
サイトを覧の皆様にメッセージをお願いします!
会社を辞めるかどうか考えたとき、「その会社で働いているからこそ得られる」収入や知名度、称賛のようなものを手放すことを最後まで迷いました、両親からも周りからも、きまって「そんないい会社辞めるなんてもったいない」と言われました。
が、私が最後まで握って放したくなかったものは、手放した今、そんなに大事なものではなかったんだなと心の底から思えます。
私はバリキャリワーママをやめて、でもその分、子供たちと向き合う貴重な時間と、「好き」と「得意」の二つを仕事にするユニークなキャリアをつくることができました。
何か大きなものを手放す決断をしたら、その分大きなものが得られるのではないかと思います。
インタビューby 柴田広夢