2017年10月29日(日)に、イベント『時間がなくてもできる!こどもの能力を伸ばす方法』を堺筋本町「The Deck」にて開催しました。
子どもの能力を伸ばしてあげたいけれど、共働きで時間に制約がある中、どう関わっていくのがいいのか悩まれている方も多いと思います。
今回は、「共働き家庭の子どもへの教育」に焦点を当て、基調講演やパネルディスカッションを通じ幼児・小学校教育について考えました。
まずは、将来「メシが食える大人」そして「魅力的な人」を育てる学習塾、花まる学習会の関西ブロック長 相澤樹先生より、「あと伸びする子の家庭の習慣」についてお話いただきました。
昔は「働くお母さん」もご近所や両親など家庭の外との「パイプ」を多く持っていましたが、現代はパイプがふさがりがち。つい自分だけで頑張ろうとしてイライラしてしまうことも多いのが現実です(私も耳が痛い!)。
相澤先生いわく、お母さんが子どもに関わりすぎて「子どものために」色々してあげることは逆効果。お母さんも社会で評価され、没頭できる時間を持ち、充実している姿をみせると、その姿を見て子どもも成長するそうです。
また、子どもへの教育の目標はズバリ「安定の軸を持たせてあげる」こと。1年生から3年生の間にいわゆる「勉強嫌い」になってしまう子が多いそうです。その理由は勉強が評価されるための手段になってしまうから。誰かの評価の中で生きることは、人生を誰かに委ねてしまうこと。その評価の道からはずされてしまうと一気に不安定になってしまいます。その子にとっての「安定の軸」を見つけ育てることがこの時期の教育の目的と言えるそうです。
能力が伸び悩む子の特徴はズバリ「スネシット」。誰かと比べて「どうせ自分は・・・」と拗ねてしまうと伸び悩んでしまうそうです。
特に兄弟姉妹がいると要注意。長子はどうしても下の子と比べられ、スネシットになりやすい傾向にあります。
また、一人っ子の伸び悩みの原因は「過干渉」。どんなことでも本人に裁量権がなさすぎることが、伸び悩みにつながるそうです。
では、共働きで時間が制限される家庭において、どう子どもに関わればいいのでしょうか?そのポイントは2つ。ひとつは、「よい距離感」。もうひとつは「言葉遣い」だそうです。
「よい距離感」は、冒頭にも書いた通り、子どもに関わりすぎず両親が充実している毎日を過ごしている姿を見せること。「本を読みなさい」ではなく、ソファに座って本を読んでいてそれが楽しいことだと伝えると、子どもも本を読んでみようかなという気持ちに自然となるそうです。
また、「言葉は人格をつくる」と相澤先生はおっしゃいます。「算数が苦手だから」と言葉にすることで自分に暗示をかけてしまう子も多いそうです。相澤先生は「苦手なことこそ、大好き!と言おう」と指導されています。「どうせ」は禁句。その言葉で可能性をどんどんつぶしてしまうので要注意です。
最後に、「あと伸びする子の家庭の習慣」について伺いました。ゲーム依存に悩む方も多いかと思いますが、ゲームは覚せい剤と同じ。どんどん抜け出せなくなり、生活も夜型になってしまいます。夜型の生活は社会人になってからも影響することも。0歳から9歳までは脳をつくる大切な時期。「ゲームを与えない」というのも大切な選択肢だと思います。
「集中力」は「刺激が少ないものに自分から能動的に没頭できる」力を養うといいそうです。刺激の強いゲームやテレビには受け身でも自然と集中できるもの。自ら好奇心をもって面白そうなことを探し、夢中になり、飽きたらまた新しいことを探す、このサイクルをまわすことで集中力が高まるそうです。
我が子のありのままで受け入れること、そして上手に人を頼ることも重要だそうです。時には親には言えないこともあるので、そんなときに話を聞いてもらえる第三者を持っておくことをオススメされていました。
今回のレポートでは相澤先生のみっちり凝縮されたお話の中で特に印象に残った部分をご紹介しております。もっと詳しくお話を聞かれたい方はぜひ、花まる学習会の説明会にいかれてはいかがでしょうか?これを書いている私自身、かなり気になっています!
花まる学習会http://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/
相澤先生の話に続いて、実際に共働きで受験を乗り越えてきた方や、小1の壁を乗越え、次の課題に直面している方のリアルなお話を聞くパネルディスカッションを実施しました。
Q:まずは「小1の壁」について。現在小2のお子様を持つ三嶋さん、保育園との違いを一番大きく感じられたのはどんなところですか?
三嶋さん:子ども本人に聞いてみると「余裕だった」そう。親が思うより、意外と子供は大丈夫だったみたいです。親側からすると、送迎がなくり先生と直接会話する機会がなくなったので、学校での様子が分からないことが大きな違いと感じました。
Q:習い事はどのようにさせているのですか?
三嶋さん:最初は一人で行かせるのに抵抗があったので、自分自身在宅勤務をしながらフォローしていましたが、そのうち自分で行くようになりました。留守番も自分からできると申告してくれ、今では留守番もさせています。
Q:小学生になると宿題もあると思いますが平日どのように見ておられますか?
三嶋さん:プリント類は学童でもできるますが、音読と計算カードは自宅でやらなくてはなりません。子どもは遊びたい気持ちが優先されてしまいますが、友達とやろうと約束した、というときちんとやるように。お友達との約束は守りたいようです。
Q:では小学校に入って一番大変だなと思ったことは?
三嶋さん:冒頭でも離しましたが、先生とのコミュニケーションが不足していることです。最初の家庭訪問で先生に不安をぶつけると、「そんなもんですよ」と。不安になったらいつでも学校に電話ください、とのことでした。友達ができているのか、休み時間何してるのか、そういう日々のことは子供を信じるしかなく、過保護になりすぎないよう、自分の不安を抑えて子どもを信じるのが大変ですね。
Q:それでは、次に小学校受験を経験された藤本さんにお伺いします。まず小学校受験って何をするのでしょうか?
藤本さん:まず読み書きは必要なく、先生の話を集中して聞いて課題に取り組むことができるかを見られます。先生の話を聞いて、登場した動物、数などを見つける試験です。また、出てくる問題も季節の花や行事の常識などが多く、親も子供と一緒に初めて知ったことも多くありました。
Q:私立小学校を受けた理由を教えてください。
藤本さん:近くの小学校が合併により、遠くになるのが不安に感じていました。そのとき、当時の上司から私立の選択肢を持たなくていいのか、と助言いただいたことがきっかけとなり、私立について調べはじめました。最終的には子どもがこの小学校に行きたいと言ったので受験を決意したのですが、それが年長さんの6月でした。4ヶ月後の10月が受験日だったので、時間の無い中、準備を始めました。普通は年中さんぐらいから始めるようです。とにかく時間がないので平日は18時からの30分だけ、「今何か必要か」を考えていました。また、土日が勝負。「家族で初めてのことを経験する」をテーマに、花屋さんに季節の花を見に行ったり、八百屋さんで野菜の断面図を想像したりしました。家族総出て受験に楽しみながら向き合えて、とてもよかったと思っています。
Q:本当に時間がない中の受験準備だったとのことですが、一番苦労したのはどのようなことですか?
藤本さん:親子面接ですね。子どもがどう育って欲しいか、長所短所はどこなのか、夫婦の意見をすり合わせる必要があります。夫婦の睡眠時間を削って話し合ったのはすごく大変でしたが、今思うとそのような価値観を夫婦で共有しておくことは、すごく重要で今でも役に立っていると感じています。
Q:次に、中学校受験を経験された三好さんに小学校での学習面を中心にお伺いしたいと思います。小学校6年間すべてを経験されてこられましたが、小1の壁以外に感じた大変さはどこにありましたか?
三好さん:三好さん交友範囲が広がったのが心配でした。でも、友人に受験組みが多かったことが中学校受験のきっかけにもなりました。ロボットクラブを頑張っていたこともあり、特に塾には通わせず、家庭学習・通信教育がメインでした。通常、受験組は4年生ぐらいから塾に通うものだそうですが、人と同じでなければならない理由はありません。
Q:家庭学習において苦労した点を教えてください。
三好さん:子どもの性格上、上から言われたことに取り組むのが苦手でした。なので塾スタイルも向かなかったように思います。6年生から塾にも行かせましたが、塾は志望校特訓だけと割り切り、塾にいってテキストもらって家でやるスタイルに切り替えました。自分自身が中学校受験経験者なので、自宅で教えられるのも大きかったように思います。
Q:次に、放課後の過ごし方について教えてください。
三嶋さん:小学校の学童に通わせています。17時で一斉下校、18時以降は延長ですが、18時以降まで残っている生徒は少ないように思います。今では、子供が17時の一斉下校で帰れると言い出したので、放課後に友達の家に遊びに行くことも増えました。ママ友とも協力しながら、自分もなるべく週3回は17時までに帰るようにしています。直面する課題には子どもがなるべく自分から解決してほしいと思っています。子供ができるということに対し、とにかく信じてあげるように心がけています。
藤本さん:私立小学校は学童の預かりが19時まであり、その後電車で帰ってきます。普段はいいのですが、逆に夏休みの預かりがないので、Skypeなどを活用した在宅勤務や、ママ友ネットワークを駆使して乗越えています。子ども同士も遊びたいのでお友達の家に行くのはお互い助かっています。
三好さん:私立中学校は朝が早く、6:40に娘と一緒に家を出て、15:30まで授業があります。どうしても残業や出張はあり、長期休みのフォローも必要なので、両親の近くに引っ越しました。
Q:では最後に子どもの能力を伸ばすために気をつけていることや実践していることを教えてください。
三嶋さん:今できないことが問題ではなく、じゃあどうする?と解決する力を身に着けてほしいと思っています。本人が何がダメで問題になっているのか理解し、その解決策を見つけるフォローをしたいと思っています。
藤本さん:小学校受験で取り組んできた、「家族ではじめてのことを経験する」を通じて、子どもがこういうことが好きなんだなということを発見できました。「教える」ではなく「一緒に体験して感動する」を大切にしたいと考えています。
三好さん:大切にしていることは大きく二つです。
- 答えを用意しない・先回りしないこと。
- 情報に惑わされないこと。子供によって違うので「こうでなくてはならない」というのは存在しないと思います。
三者三様で、色々な視点を語っていただき大変参考になりました。相澤先生のお話とも通じる、「子どもを信じる」「一緒に体験する」「答えを用意しない」などをみなさま普段の生活で実践されているということがとても印象的でした。
パネルディスカッションの後は、協賛企業様のご紹介をしながらの交流会を行いました。相澤先生やパネラーの方へのご質問、参加者同士の会話などとても楽しい交流会となりました。
協賛:ヒューマンアカデミー ロボット教室(動画を放映しました!)
協賛:P&G
最後に、チラシを配布した春田琴栄バレエ教室のスタジオがある、株式会社コジット様から、ママにも嬉しい「美尻メイククッション」をかけた抽選会も実施!
また今回のイベントではお子様の託児を民間ファミリーサポート ワーキングマム様にお願いしました。
最初は親御さんと離れて泣いていたお子様も暫くすると楽しく遊んでいたようです。さすが!
ワーキング・マム様、ありがとうございました!
パワーママプロジェクト関西では、今後もこのようなイベントを色々なテーマで実施していきたいと考えています。最新情報の発信やイベントへのご質問・ご要望受付などは、Facebookにて行っていますので、ぜひフォローお願いします。
パワーママプロジェクト関西 Facebook https://www.facebook.com/powermamaproject.kansai/
また、今回のイベント共催の「育休navi」もFacebookにて最新情報を発信中。こちらもぜひフォローください。