今回のインタビューは、起業からわずか1年8ヵ月で月商ギネス650万円を達成した「抱っこひも収納カバー専門店 ルカコ」の代表、仙田忍さんです。
仙田さんに初めてお会いしたのは、LED関西という女性起業家ビジネスコンテスト。ファイナリストとして登壇され、事業に馳せる想いを発表され、8社ものサポート賞を受賞されました。
そんな仙田さんのイメージは「クールでかっこいい!」です。自分の軸がしっかりしていて、ブレがない。こうと決めたら信じて進むタイプ。起業時には、反対の声もあったそうですが、それを逆に「見返してやる!」というバネにして、ここまで来ることができたと話す彼女。
多忙な中でも、「子ども達にはいろんなことを経験させてあげたい」と、妥協せず、ワークライフバランスも実現させています。パワーあふれる仙田さんの魅力が詰まったインタビューをご覧ください。
プロフィール
・氏名: 仙田 忍
・会社名: 抱っこひも収納カバー専門店 ルカコ
・役職名: 代表
・職種: 育児用品製造、販売
・簡単な経歴:
短大卒業後→歯科衛生士として約10年勤務し、結婚。
5年の長い不妊治療の末、2009年長女、2010年長男を出産。
2012年10月、子供が2歳の時にお小遣い5万円を元手に起業。
起業から1年でママスタッフ12名、縫製委託スタッフ20名の雇用を生み、
起業から2年で月商ギネス650万を達成。
ネットショップ大賞2013年後期ベビー、キッズマタニティ部門総合1位受賞。
近畿経済産業局主催、関西 女性起業家ビジネスコンテストファイナリストとして登壇し、
8社のサポートを受賞。
こだわりの育児ブランド「ルカコ」を世界のママに向けて発信する為奮闘中。
・居住地: 大阪
・ご自身の年齢: 37歳
・お子様の年齢: 長女 6歳、長男 4歳
・イギリス人女性スタッフ(Annie)と同居
・ワークスタイル: フルタイム
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
育児をおしゃれにスマートに
育児に必須の抱っこひも収納カバー「ルカコ」
育児の便利グッズの製造・販売です。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:30 起床 ランニング
7:00 子供を起こし、一緒に朝食、子供着替え
7:30 自分の準備 メールチェック
8:00 長女(小学生)を見送り
8:30 車で息子を幼稚園へ送る
10:00 仕事、銀行まわり
11:00 打ち合わせ、面談など仕事
17:00 仕事退社
18:00 幼稚園まで息子をお迎え
18:30 小学校まで娘をお迎え
19:00 子供とAnnieと夕食、メールチェック
20:00 子どもとお風呂
21:30 子供就寝
22:00 自宅でできる仕事(資料作り、メール、企画)
23:00 就寝
出産して、ご自身の内面で何が一番変わりましたか?
子どもが欲しくて、5年間の不妊治療の末、長女が産まれましたが、子育ては大変でした。
当時の私は子どもを産むことがゴールだと思っていましたが、間違っていました。
育児は喜びもあるけど、自分の時間が作れません。
全てのことが中途半端に完結することなく、さえぎられることへのフラストレーションの連続で、達成感が得られない。遣り甲斐のない毎日…。
育児をしながら遣り甲斐を見つけるのは難しく、毎日がしんどかったです。
育児で疲れ果てていたせいか、他人に厳しくなったんです。
例えば、電車で席を譲ってくれなかったりすると、「私はこんなに疲れているのに!」と思うようになりました。
それで、「育児ってこんなに大変なのに、わかってもらえない!」と、友人に愚痴をこぼしたんですけど、
彼女が「他の人も大変なんじゃない?」って言ったんです。
それで、ようやく自分自身が、他人にイライラして、特権を偉そうに振りまいていたことに気付きました。
他の人が疲れてるかどうかは、見た目だけじゃわかりません。
優先座席に座っている若者が、もしかしたらペースメーカーをつけているのかもしれません。
育児してる人だけが大変ではないんだと気付かされました。
ですので、子どもを産んで、妊娠中や育児中の方、また、そうでない方も、
それぞれに事情があり、大変なんだと知ることができました。
ご主人との家事・育児の分担はどうされていますか?
妊娠して、大阪で家を購入したのですが、すぐに夫が名古屋に転勤になってしまい、単身赴任をすることに。
結局、夫が大阪に戻ってきたのは4年後でした。
長女が2歳の時に長男を出産したのですが、もちろん夫は単身赴任中。あの頃は本当に大変でした。
それで、長女が4歳、長男が2歳になり、育児もかなり楽になったので、
そろそろ起業しようかなと思ったら、同じタイミングで夫が戻ってきました。
楽になってから戻るなんてずるい!仕事なので仕方ないのですが(笑)
それで、夫が帰ってきてから、家事、育児のことで喧嘩したんです。
夫は帰りが遅いため、全部私が負担していたのですが、私も仕事をしているんだからそれは不公平だって。
私が家事、育児、仕事を全てやるのは無理だから、半分半分にしようよと言いました。
その結果、夫は時間をコントロールできないので、時間に関係なくできる洗濯、アイロン、食器洗いと、
次の日の子供の準備を担当してもらうことになりました。
子供の習い事や参観、料理などは、私が担当しています。
この分担が決まる前、私が洗濯する時間がなくて、2~3日洗濯物がたまっていた時があり、
「洗濯物たまってるよ」って夫に言われたんですけど、
「今、ためてんねん。時間ないから!」って返したら、「そうなん?」って答えたんですよね。
で、イラっとした。そう思うなら、時間がある時に自分がすればええやんって思った。
で、この前、洗濯物がたまってたので、「たまってるやん!」って言うと、
夫がぐうの音も出ない感じで嬉しかったです(笑)
私の気持ちがやっと分ったのではないでしょうか?
育児で気を付けていることや実践していることなどありますか?
保育所に預けたことがあるのですが、幼稚園に入れたいと思うようになり、10園見学しました。
車で往復1時間内で行ける場所で、延長保育を実施していて、朝から夜まで預かってもらえる幼稚園。
それと、平日にお母さんがあまり参加しなてくていい所で絞り、
教育やしつけ(日常の基礎)をしっかりしてくださるところで、最後は幼稚園児を見て決めました。
子供と一緒に見学にいくと、「誰か知らない人がきた~!」って普通はなるんですけど、
ある幼稚園だけは、園児が先生に促されたりすることもなく、
立ち止まり、目を見て、「おはようございます!」と、
大きな声で次々に挨拶してくれたんです。感動しました。
それで、自分の子供にもこういう風になって欲しいと思い、入園を決めました。
今の園は、朝7時半~夜6時半まで預かってくれるので、助かっています。
習い事は、スイミング(3歳~)、書道(3歳~)、塾、体操、そろばん(週2回)など、
とりあえず1年間通わせて、その後、継続するかどうかを判断して、淘汰しています。
その結果、体操とそろばんは辞めました。体操は伸びなくて、やりがいを感じなかったのが理由です。
目標があれば別ですが、嫌なものを無理やりさせるよりは、得意なものを伸ばしてあげたいと思っています。
今はやりたくなくて辞めましたが、もしも将来やりたくなったら、その時にまたやったらいいかなと。
英語が話せるかどうかは、勉強よりも気持ちの問題が大きいと思うので、英会話には通っていません。
物怖じせず「話したい」と思うことが大切なので、ホストファミリーを受け入れたりして、
日常生活の一部として会話をする機会を作ったりしています。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
自分がやりたいことをやっているので私はとてもHappyですが、
子供たちがどう思っているのか正直わかりませんでした。
でも、先日、某テレビ番組で密着取材をしていただき、
放送を見た幼稚園の友達に「〇〇ちゃんのママかっこいいね!」と言われたのが、嬉しかったと話していました。
お母さんがいつも頑張っていることが、子ども達に伝わったようで嬉しかったです。
育児&仕事をしていて大変なことありますか?それは何ですか?
子供たちがふと「お母さんいつもパソコン見てるよね」と言われたり、
「お母さんなんでいつも怒ってるの?」と言われることも。
でもそれは、時間との戦いで、焦っているからで、怒っているわけではないんです。
子供と向き合う時間をもっと増やしたいです。
それをどうやって解決していこうとしていますか?
逆に、仕事で自分が取捨選択していく。
何でも受けるのではなく、やらないことを決めていこうと思っています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児では・・・
まだまだ分からないけれど、仕事が1番にならないようにしています。でも、家族を犠牲にしていることも…。今、模索中です。
子ども達には、何でも経験させてあげたいです。日本の文化、海外の文化にも触れさせてあげたいと思っています。
そう意識しているお陰か、ニュースなどにも敏感になりました。日本人ばかりじゃないということも分かってくれたようです。
仕事では・・・
楽しむこと。わくわくできるかで、選んで断ったりすることも。
仙田さんが最近注目しているサービスやアイテムはありますか?
・ホストファミリー制度(市の広報誌なんかに掲載されていたりします)
今までイギリス、インドネシア、韓国、フィリピン、ミャンマーの学生を受け入れました。
いろいろな文化を知ることができ、子供たちに刺激があってすばらしいサービスだと思います。
常識だと思っていたことが常識でなかったり、ものごとを大きくみれるようになりました。
起業を目指すママに向けてアドバイスをお願いします!
・やらない事を決める
・自分のわくわく感を信じ、めーいっぱい楽しむ!
・人の言うことは信じない、疑わない、実際会って感じて確かめる。
・自分の長所を思いっきり夢中になってやり、苦手なことは得意な人に上手にお願いする。
・こだわりは絶対にこだわる。
これからの目標を教えてください。
今がすごく幸せなので、これして、あれして・・・というよりは、維持して、
自分が幸せかどうか、楽しいかどうかを大切にしたいです。
海外展開も考えているので、海外にも行きたいですね。
あとは、今、自分がしていることを人に任せて、子供との時間を増やしていけたらなと思っています。
最後に、サイトをご覧の皆様にメッセージをお願いします!
サイトをご覧いただきありがとうございます。
好きな事を仕事にできている事、
仕事を理解してくれて、サポートしてくれている家族、両親、友人に感謝しています。
人と比べない。自分が幸せかどうか、それだけ。
幸せの為にこれは必要かどうか、わくわくするかを大切にしています。
大変なこともありますし、育児を休みたいときもあるでしょう。
だけど、きっと振り返ったらあっという間に違いない育児という時間。
父の背中だけでなく母の背中も見て何かを感じてくれたら嬉しいですね。
”お疲れ様”は外国にはないそうです。お疲れ様、仕事の私。妻の私。ママの私!
インタビュー: 安原 愛