今回のインタビューは、株式会社アサツー ディ・ケイで大阪でたった一人の法務職として活躍される大谷麻依さん!
お会いしたりFacebookでお見かけする印象はとってもおしゃれで笑顔溢れる明るい女性。
でも平日は所謂「ワンオペ」でバタバタなんだとか。
以前「ワンオペ育児」をテーマとしたテレビ取材も受けておられた大谷さんに日々の工夫とそれでも働き続ける理由を伺いました!
プロフィール
・氏名:大谷麻依
・会社名:株式会社アサツー ディ・ケイ
・職種:法務
・簡単な経歴:神戸大学卒業後、自動車関連メーカーに就職、3年間法務を担当。その後、現職に転職、法務を担当。2007年、結婚。
2009年、長男出産。産休・育休後、復帰。
2012年、次男出産。産休・育休後、復帰し、現在に至る。
・居住地:兵庫県
・ご自身の年齢 :37歳
・お子様の年齢 :7歳(小2、長男)と5歳(次男)
・ワークスタイル:正社員(時短勤務)
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
広告代理店で、法務業務(契約書の作成や修正、CM等の広告物の企画や表現のリーガルチェック等)を担当しています。
大阪の支社で発生する全ての法務案件を担当しています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:00 起床、朝食準備、身支度、子どもの持ち物チェック。
7:00 子ども起床、朝食。
7:45 長男を登校班の集合場所まで送る。
8:20 次男と出発し、保育園へ送る。
9:30 始業
16:45 終業(1時間の時短勤務)
17:40~50 長男お迎え(学童)→次男お迎え(保育園)
18:10 帰宅。すぐ入浴。
18:45 夕食(前日までに作っているので、温めるだけ。)
19:10~21:30 子どもと遊ぶ、長男の宿題を見る、絵本の読み聞かせ等。
21:30 子どもを寝かしつけ。(寝落ちもしばしば)
22:00~22:30 ちょっと休憩。
22:30~ 翌日の夕食作り、洗濯、洗い物、部屋の片付け等。
24:30すぎ 就寝。
以前「ワンオペ育児」をテーマにしたテレビ取材にご出演されてましたが、
ご実家のサポートがない中、日々どんな工夫で乗り切ってらっしゃいますか?
「ワンオペでも平日も子どもと過ごす時間を大切にしたい」のと、「ワンオペだから子どもの体調不良によるダメージを最小限にしたい」ので、以下のような工夫をしています。
◎買い物は週1、食事作りは子どもの就寝後に!
・週末に、ざっくり4~5日分の献立の食材をまとめ買い。(平日、買い物に行かない分、早くお迎えにいける。)
・日曜夜(子どもの就寝後)に、つくりおきおかず(副菜)を6~7品作る。
・メインのおかずを、食べる前日の夜(子どもの就寝後)に作る。
帰宅後は、メインとつくりおきを温めるだけ。腹ペコの子ども達の「お菓子たべたい~」攻撃をブロック。夕食が早く終わる分、その後の遊びの時間を長くとれる。
◎病気にならないように。
・できるだけ菌を家に持ち込まないよう帰宅後すぐに入浴する。
・急な嘔吐に備え、リビング・寝室にレジ袋をかけた洗面器と嘔吐処理セットを常備。(胃腸炎の家族内感染は長引くうえ、とても辛いため)
・鼻水・咳だけのときは耳鼻科、発熱時は小児科を受診することで、別の病気の感染を予防。
出産して何が一番変わりましたか?
とにかく時間がないので、仕事もプライベートも常に「どう行動すれば最も効率的か?」を考えて行動するようになりました。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
・子どもが、TVCMを観て「これはママの会社の人が作ったの?」と言ったり、アニメ番組等で弊社のロゴを見つけて「ママの会社!」と声を揃えて言うのを聞くと、間接的ではあるものの、「私が仕事をしていること」が子どもと社会との接点の一つになっていると感じること。
・仕事中に子どもの携帯から「ママ、おしごとがんばってね」と音声メールがきたこと。
・仕事で嫌なことがあっても、子どもを膝にのせて絵本の読み聞かせをしているうちに心がほどけていくこと。
大阪で一人で法務業務をされ、家でも一人で家事育児。辞めたいなって思ったことはないんですか?
あります。(笑)
特に、長男が泣かずに保育園に登園できるまで3年ほどかかったので、その頃は「このままワーママを続けて本当に後悔しないか?」と、自問自答のループでした。
「朝泣いていても保育園では楽しんでいる」と聞いても、迎えに行けばいつも一人で黙々と遊んでおり、保育園で撮っていただく写真に笑顔はほぼなく、「全然楽しそうじゃないな」と・・・。仕事を続けたいのは私の勝手なのに、振り回してごめんね、と毎日小走りで迎えに行きました。
ある日、園に着くと長男の大きな笑い声が響いていた時は、涙がでるほど安堵しました。その頃から、園の行事や課題を友達と共に乗り越える力を身につけたように思います。
そして迎えた卒園式の日、たくさんの友達に囲まれ、正直私の想像以上にまっすぐに成長した長男の姿を見て、「もし保育園を辞めていたら、こんなに逞しく育てられなかった。保育園の先生方や仲間との絆のおかげで、今の姿がある。私が選んだ道は、これでよかったんだ。」と、やっと思うことができました。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・仕事では、「スケジュール調整」と「自分ができるベストな対応」を常に行うこと。
・育児では、「笑い」。
子どもの話をよく聞き、変わった様子がないか常に気にかけていますが、もし親に相談しづらい悩みにぶつかったときも「ま、なんとかなるか!」と良い意味での「スルー力」を身につけてほしいので、自分の失敗や黒歴史(?)の話をたくさんします。
「ママ、あほやなー!」とゲラゲラ笑いながら聞いていますが、「失敗もネタになるか!(笑)」と大らかな気持ちで様々なことにチャレンジし、たくさんの成功と失敗を経験してほしいなと思います。
今後の目標やプランを教えて下さい!
恥ずかしながら具体的な目標やプランはないのですが、子どもが大きくなってきたので、今後はより仕事の比重を上げていきたいと思います。専門性を深めるとともに、新たな分野も学び、仕事に活かしたいです。
育児では、子どもの「生きる力」を伸ばすためのサポートにシフトしていく段階だと思っています。最終的には、子どもが大人になった時に「オカン、毎日必死のパッチやったけど、カッコよかったな」と思ってもらえたら一番嬉しいです。
最後に、こちらのインタビューをご覧になっている方に向けてメッセージをお願いします。
最近、あるタレントさんの「1つに絞って物事を深めていくのも勿論良いけど、肩書き・役割が1つだけだとそれがダメなときに、煮詰まって動けなくなってしまう。Aが煮詰まった時に、BやCがやりたくてしょうがなくなるというように、いくつも役割を持っている中で今一番気分が乗っているものにbetするのが一番効率的だと思う。」というお話を聞き、「確かに!」と膝をうちました。
働くママの私たちは、職業人であるとともに、母、妻、女性、保育園や学校の役員・・・と同時にたくさんの役割を担っている故に、「あぁ全部中途半端だ・・」と落ち込むこともあると思います。しかし、色々抱えているからこそ、全てに煮詰まらずにベストパフォーマンスができるのではないか、と前向きに捉えられるようになりました。
皆さんそれぞれ、仕事・環境・ライフスタイルが異なるので、答えはありませんが、「譲れないポイント」を抑え、試行錯誤やすり合わせを繰り返しながら、自分にとって心地よいバランスを見つけ、アップデートしていくのが、両立のコツのような気がします。
一生懸命働いて、子どもがいて、やることいっぱいで、毎日大変だけど「幸せだな~」と思う瞬間が増えていけばいいですよね。
(インタビュー・構成:井本)