今回のインタビューは、主婦を経て40歳の時にフェアトレードブランド「Feliz」を立ち上げて起業した柿本可奈子さん!
明るくてパワー満点の柿本さんが、どのようにして今の活動にたどり着いたのか、インタビュアーの私自身も初めて伺って、胸にぐっときました。フィリピンと日本を行き来しながらサービスを運営する・・・というと大変なことのように聞こえますが、柿本さんご自身を見ていると特別なことじゃないように思えてきます。
プロフィール
・氏名:柿本可奈子
・会社名:Feliz (個人事業です)
・職種:代表兼デザイナー
・簡単な経歴:保健師⇒アロマセラピスト⇒約10年専業主婦⇒Feliz起業
・居住地:東京都
・ご自身の年齢:45歳
・お子様の年齢:14歳
・ワークスタイル:フルですが、事業主なのでフレキシブルです。
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
フェアトレードアクセサリーの製造・販売を行っています。現在は、フィリピンのスラムのお母さん達にアクセサリー製作の技術指導を現地で年2回ほど行い、デザインを提供してアクセサリーを製作して頂き、日本で販売しています。
(柿本さんのフェアトレードアクセサリー「Feliz」のHPはこちら)
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
7:00 起床
7:30 朝食作り、洗濯機を回す、息子を起こす
8:00 息子送り出し、朝食
9:00 家事
10:00 仕事
18:00 夕飯作り
18:30 息子と夕飯
19:30 片づけ
20:00 仕事
22:00 塾から帰ってきた息子と会話
23:00 入浴
24:00 仕事
26:00 就寝
パパやご両親などとの家事・育児分担はどうしていますか?
実家は北海道なので普段の生活では親の助けは無いのですが、私がフィリピンに行く時に息子を預かってもらっています。パパは、昨年より単身赴任中です。一 緒に暮らしている時は、家事はほとんど手伝ってくれませんでしたが、土日はよく子どもと遊んでくれましたし、なるべく夜に息子を1人にさせる時間を短くしたかったので、私が夜仕事でいない時に早 く帰宅してもらうなど協力してもらっていました。
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
大切な存在が出来た!という特別な感情が生まれました。保健師時代、たくさんの母子と関わり、母子の結びつきという本当に特別な関係を仕事を通して実感していたので。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・育児では・・・息子が小学校の時、仕事の話を親からしてもらう授業があり、学校が話し手を募集していて、息子から何度も何度もしつこいくらいそれに応募 するように言われ、結局子ども達の前でプレゼンすることに。なんだか息子が私の仕事を認めてくれているのかなと思い嬉しかったです。
・仕事では・・・現地パートナーがママ達なので、想いを共有出来ること。
育児&仕事をしていて一番大変だったのは?
仕事と家庭・育児の両立!
それらをどうやって解決されたのですか?
時期によって自分にとっての優先順位を変えていくことを意識しています。子どもが小学生の時や体調のすぐれない時期は、子ども優先なスケジュールに。今は、息子が受験生になって息子自身が家にいない時間が増えたので、仕事優先など。
仕事では、「人と自分を比べない」「自分にとって何が大事か常に問う」という心。
起業する前はどのような内容のお仕事をされていたのですか?また、起業はいつくらいから考え始めましたか?
新卒で保健師を5年、アロマセラピストとして2~3年講師業をし、1回目の妊娠は流産した経験から2回目の妊娠を機に仕事を辞め専業主婦になりました。
起業を考え始めたのは、アクセサリー作りを趣味で始めて、翌年から師事した先生から販売の機会やデザイン提供のお仕事を頂けるようになった40歳の頃です。
フェアトレードに興味を持ったきっかけや出来事があれば教えてください。
不妊治療もしましたが授からず第2子目の妊娠を諦めた頃、自分の子供じゃなくても良いじゃないかと思い国際NGOを通してチャイルドスポンサーを始めました。そういうチャイルドスポンサー的な事とアクセサリーの仕事を組み合わせることは出来ないかなと方法を探していた時に知ったのが、フェアトレードという仕 組みでした。
フィリピンを行ったり来たりすることも多いと思うのですが、その間お子さんのお世話はどのように切り抜けていますか?
出張の時期を息子の春休みや夏休みなどの長期休みにぶつけて実家に預けたり、学校がある時は、土日を入れた5日間だけなどの短期間にして夫と息子で乗り切ってもらっています。仕事を始めたのが息子が小学6年生だったので、それも可能だったのかと思います。
あと、出張するたびに息子と夫の家事力がアップしてきました(笑)。良い効果です!
現地(フィリピン)とのやりとりで一番大変だったことがあれば教えてください。
感覚の違いです。アクセサリーを作る前には、手を洗ってから!というところから指導したり、フィリピンの方々からしたら何ら問題ないクオリティでも日本ではNGなので何度もやり直ししてもらったり。
そういう違いを感じる所が私にとっての仕事の面白みなのでいいのですが、コストがかかりますね。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・育児では・・・ママは、仕事で忙しくしてるけど、あなたのことをいつも気にしているよ、大事に思っているよという情報を頻繁に発信すること。
・仕事では・・・ヴィジョン、ミッション。事業を計画している頃から今まで全く変わっていませんし、これからも変わらないと思います。
これからの目標を教えてください。
・育児では・・・彼の成長を信じて見守る。大事な時には、全力でサポートする。
・仕事では・・・世界の子ども達が1人でも多く基本的な人権が守られ、夢を叶える可能性が広がるよう自分なりの方法でアプローチし続けて行きたい。
最後にメッセージをお願いします!
育児も仕事も、今のこの状況が一生続くわけではないということを実感しています。今が大変でも、逆に上手くいっていても、自分自身も子どもも家庭も仕事も成長に伴い変化していくということを忘れなければ、乗り越えて行ける気がします。
人生何度でも軌道修正できるし、人の成長って計り知れません。周りと比べたり世間一般の常識的なことに惑わされず、自分らしい生き方や自分にとって大切なことをその時その時に選択して、悔いのない人生を過ごしていきたいですね。
インタビュー : 千田 絵美