今回ご紹介するのは、クックパッド株式会社で、食育をテーマにした、オリジナル絵本のサブスクリプションサービス「おりょうりえほん」のプロジェクトマネージャーをされている小宇根 佳奈さんです。
プロフィール
・氏名:小宇根 佳奈(こうね かな)
・会社名:クックパッド株式会社
・役職名:「おりょうりえほん」プロジェクトマネージャー
・職種:プロジェクトマネジメント
・居住地:東京都
・ご自身の年齢 :(39歳、1980年生まれ)
・お子様の年齢 :(7歳、2011年生まれ)
・ワークスタイル:フルタイム
・簡単な経歴:
新卒入社した設計会社で、インテリアデザイナーとしてホテルや商業ビルの設計に従事しながら、一級建築士資格を取得しました。その後、国内大手食品メーカーにマーケティング職として転職し、一人で商品開発を担当した美容系商材のブランド再構築プロジェクトでは、一年間で主要ブランドのひとつにまで成長させたことが評価され社長賞を受賞しました。その後、産休・育休を経て持株会社へ出向となりました。そこで食と健康を軸とした生活者研究を担当し「食の知識が、心身の健康に直結すること」を実感。その後、外資系化学メーカーにおいてマーケティング、商品開発、ブランド戦略に従事した後、2017年よりクックパッドで「おりょうりえほん」プロジェクトを新規事業として立ち上げました。現在は、夫と7歳の娘と3人暮らしです。
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
2019年5月に食育をテーマにした、オリジナル絵本のサブスクリプションサービス「おりょうりえほん」を新規事業として立ち上げました。2歳〜6歳くらいのお子様がいる親子に向けて、ご自宅での絵本の読み聞かせの時間で、食や料理について楽しみながら学べちゃう!というサービスです。絵本だけでなく、レシピの順番にシールを貼って遊べる「レシピシールちょう」や、ウェブサイトで楽しめる「お料理動画」も用意しているので、色々な遊び方を通して、食や料理を楽しく自然に学ぶことができるようになっているんです。
もとは「子どもに正しい食の知識を教えたいけど、その方法がわからない」「子どもが料理に興味を持っているけど、時間に追われてやらせてあげられない」といった世間の親の声と、当時わたしが親として抱えていた悩みが重なり、プロジェクト着手にいたりました。「おりょうりえほん」は親に特別な知識がなくても絵本の読み聞かせで一緒に学べることや、絵本に子どもだけで・親子でつくれるレシピを設定して、子ども専用のレシピ本としても使えるようになっています。「おりょうりえほん」が、親子で料理を楽しむきっかけとなればうれしいです。
業務内容は、プロジェクトマネージャーとして、事業コンセプトの立案から市場調査、ユーザーインタビュー、ブランド戦略、営業戦略、絵本の構成、デジタルコンテンツの制作、認知拡大のための営業活動まで「おりょうりえほん」に関わるほぼ全ての業務を担っています。家庭との両立で時間が限られているので、全てを進めていくことは大変さもありますが、ユーザーさんから「『おりょうりえほん』を始めてから、子どもの好き嫌いが減ったんです!」なんて声を聞くと、とても幸せな気持ちになって、このプロジェクトを立ち上げてよかった!と心から感じます。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
7:00 起床(子どもの朝のケアは夫担当)
7:00〜8:00 夕飯の調理(2日分まとめて)/洗濯
8:00〜8:45 朝食/身支度
8:45〜9:30 通勤(通勤中に食材や日用品の買い物を済ませる)
9:30頃 出社
12:00〜12:30 昼休み(デスクで仕事をしつつ昼食)
18:00 退社(電車内でメール返信)
19:00 学童へ子どもをピックアップに
19:30 夕食
21:00 ジムでトレーニング
(ジムのある日は夫が子どもの入浴&寝かしつけ/無い日は私が夜のケア全般担当)ジムは土日含め週5程度
23:00 入浴 (入浴中にメールチェック、翌日の仕事内容の整理)
24:00 読書や録画番組を見るなど自分の時間
25:00 就寝(ジムの無い日は22時位に寝ちゃいます)
出産して、何が一番変わりましたか?
もともと計画を立てて行動することが好きな性分でしたが、子どもができて時間が限られるようになって、これまで以上に分単位でタイムマネジメントをするようになりました。
そして、限られた時間を最大限に活用して楽しむためにはどうすべきか?何を優先してすべきかを常にずっと考えています。休日などもついつい分単位で予定を組んでしまうので、家族にはもうちょっとゆっくりする時間を取ったほうがいいよ、と言われることもあります(笑)。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
娘が、「大人になったらママみたいに仕事をがんばりたい!」と言ってくれたことです。理由を聞くと、「ママが毎日楽しそうにお仕事しているから、きっと楽しいんだろうなと思ったから」だそうです。仕事をしているので娘と過ごす時間が少ないことに罪悪感を感じた時もあったのですが、働いている姿をポジティブに捉えてくれているんだということがとてもうれしかったです。
娘世代の子どもたちにとって働く女性としてのロールモデルになることを目標にしているので、母親が仕事と子育てどちらも楽しんでいたから私もそうなりたい!と子どもに思ってもらえることが何よりうれしいですね。
また「おりょうりえほん」は、娘が保育園で絵本を用いた調理実習を経験したことが、着想となっています。娘は自分の経験が、母親の仕事に役立ったということに誇りを感じていて、自分の仕事が娘の自信につながったことも、母としてうれしく思っています。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
主人との育児や家事の家庭内分担について、お互いが納得する方法を見つけるまでが大変でした。
それをどうやって解決していましたか?
育児でも家事でも、お互いが得意なことを明確にして、自分が得意なことは自分がやる、得意でないことは基本的には相手に任せるというスタンスにしました。
あと、これはちょっと主人には秘密ですが、家庭を会社に置き換えて考え、育児や家事に関しては私が主人のメンターであるという意識で取り組むようにしています(笑)。家事育児スキルが私が求めているレベルでなくても温かく見守る気持ちに切り替えたら不満や、モヤモヤは消えました(笑)。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
どちらも「適度にさぼる(笑)」ことです。
基本的にさぼりたがりなので(笑)、急ぎの案件がない時や、調子が出ないときは諦めてペースダウンしたり、好きなことを優先したりして、毎日を楽しめるようにしています。楽しむことが仕事にとっても、育児にとっても一番の効率UP要素だと思っています。
「今日このメールを発信しなくても、今日この洗濯物を洗わなくても、死にはしない!」などと考えて、必要に応じてメリハリをつけています(笑)。
忙しい毎日の中で、お子さんとの時間はどの様に作っていますか?
一緒にキッチンに立つことで、食事の準備の時間を親子の時間に置き換えています。「あれがやりたい!」「ここに行きたい!」という気持ちを大切にして学習の幅を広げてあげたいと思っています。
お子さんと一緒に料理をするって大変なイメージがありますが?
今までは夕飯の支度は全て私一人で朝に済ませていたのですが、最近はあえて味噌汁やサラダなど簡単な1品は娘用に残しておいて、帰宅後に娘と一緒にその1品を作るようにしています。娘は「おりょうりえほん」https://ehon.cookpad-kids.jp/をレシピ本代わりに使っていて、絵本を通して調理手順などを覚えているので、いつの間にかこちらの想像以上の戦力になっていました!なので、大変というよりむしろ戦力として頼りにしています!
親子での料理の時間を通して、将来的にお子さんにどうなっていって欲しいなどありますか?
料理ってとてもクリエイティブでオリジナリティーも出せるし、段取り力も必要。これって、将来仕事をしていく上で必要なスキルだったりしますよね。そういった将来娘が大きくなったときに必要な力を、親子料理の時間を通して自然と身につけてもらえたらと思っています。そういう思いも込めて「おりょうりえほん」のサービスも日々ブラッシュアップさせています!
お子さんのことを考えて、ふだんの食卓で工夫していることはありますか?
食卓は家族の心身の健康をつくる、大切な空間だと思っていますし、身近な食育の場にもなります。栄養と食べる楽しさを考えて、なるべく一汁三菜を心がけるようにしています。とは言っても、一汁三菜をきっちり毎日つくることが、負担になってしまうのはよくありません。そこでわたしは、一週間のうち平日の朝のうち2日を夕飯の作りおきに当てています。帰宅後は温めるだけで食べられたり、足りないものがあれば娘と一緒に一品つくるなどしています。気合を入れすぎず、できる範囲で楽しみながらやってみることを大切にしています。
今後の目標やプランを教えて下さい!
先程も少しお話しましたが、娘世代の女の子が将来大人になったときに「仕事と育児の両立は大変なこと」という意識がなくなっているような社会にしてきたいと思っています。まずは身近な後輩女性に「仕事と育児の両立は大変じゃないんだな!」「あの人、子どもがいるけど仕事もプライベートも楽しんでるな!」と思ってもらえるような、彼女たちにとってのロールモデルになりたいと思っています。
最後に、メッセージをお願いします。
がむしゃらに頑張らなくて大丈夫です!(笑)
若いころ、女性活躍のセミナーなどで登壇されるとても立派なバリキャリの方たちを目の当たりにする度に、「社会で女性が活躍するには、こんなに頑張らないといけないんだ……」と気が遠くなったのを鮮明に覚えています。そんなにみんなして、頑張れ頑張れ言わないでほしいって思っていました。
なので私がお伝えしたいことは「がむしゃらに頑張らなくて大丈夫!」です。
自身が輝けるキャリアプランはいくらでも見つけられるし、子育ても手抜くところがあるくらいの方が子どもはしっかり育ったりするので、がむしゃらに頑張らなくて大丈夫!自分が楽しいと思えることを大事にしてください。