パワーママ関西のイベントも3回目。
今回は4月18日(土)に、女性活躍推進コンサルティング事業を手掛ける株式会社ナチュラルリンクの髙野美菜子さんをゲストスピーカーに迎え、パワーママカフェを開催しました。
髙野さんは、新卒で人材教育・コンサルティング会社に入社後、成績ゼロの時代を経てトップセールス賞を3度受賞されたことがあるバリバリのキャリアウーマン。その後、女性営業育成や研修運営経験を経て、2009年10月にナチュラルリンクを設立され、2013年に第一子を出産されています。
※髙野さんのインタビュー記事はこちら
管理職の為の女性マネジメント研修や、女性活躍推進担当者のための勉強会を主催されている髙野さん。そんな人事のプロに、「企業でもっと活躍するために私たちができること」についてお話しいただきました。
上司の立場で物事を捉え、上司が働きやすいように心がける!
会社員時代、無理難題を言って、結果ばかりみる上司を不満に思うこともあったけれど、上司は管理職として、さらに上の上司から自分を守ってくれているのだと分かった髙野さん。
そんな上司のために自分もできることをやろうと思い、会議で沈黙になったら意見出しをする切り込み隊長になったり、提出物は締め切りぎりぎりでなく、余裕を持って早目に出すようになったりしたそうです。
すると、上司が「これについて君はどう思う?」と、髙野さんにアドバイスを求めてくれるようになったそうです。
求められていることにプラスアルファした結果を出すことも大事ですね。
巻き込み力で味方を増やす!
直属の上司がだめなら、総務に聞くなど、応援者を増やすこと。よりよい環境を作り出すためには、いかにサポートしてくれる人を増やせるかにかかっていると思います。給湯室で仕事以外のおしゃべりもしたり、普段から多くの人と接点を持ち情報交換したりすることで、部署以外の仲間を作っておくと応援者も自ずと増えていくとのこと。仕事以外の話もコミュニケーションを円滑にするためには大切なのですね。
他にも、子育てしながら仕事をしていると、同僚のこと、子供のこと、家族のことが先にきて、どうしても自分が後回しになりますが、人生は自分が主役なので、自分がHAPPYでいられるよう、また、自分がいかに活躍できるのかを考えていくべきと言われていました。
お話の後は、質問タイム。でも、髙野さんと質問者が一問一答で解決していくのではなく、
みんなで答えを考えてみましょうと提案され、ディスカッション形式で進めることに。
普段から私たちワーママが持つ悩みや疑問を話し合いながら真剣に考える時間が持てました。
次のページは、具体的に話し合った内容の一部をコンパクトにまとめました。
Q. 出産してから昇進するのと、昇進してから出産、どちらがいいの?
Aさん:20代で出産し、育休後に昇進したので、私は前者になります。出産は早目にしておいて良かったと思いますが、そろそろ二人目が欲しいのに、仕事復帰して昇進もした今、みんなから期待されているこの時期に、二人目を妊娠していいのか…と悩ましい。でも、年齢が上がればリスクも増すし、タイミングを逃してもいけないので、いざとなれば転職もあり!で、時にはしたたかに妊活すべきだと思っています。
Hさん:私は独身時代、管理職をしていたのですが、当時は「結果を出してから出産しろ!」と思っていました。でも、自分が出産してみて、フレキシブルなうちに出産しておく方がいいなと思いました。例えば、自分が取り組んでいるプロジェクトの途中で妊娠して投げ出すなど、微妙な時期に出産すると、減額されることもあるし、せっかく昇進したのに降格されることもありますし。
髙野さん:ある営業の女性が「先のことはわからないけど、生んだもん勝ち」と言っていました。会社の状況を考えた結果、タイミングを失って後悔するよりは、産める時に産むべきだと思います。子供が小さいと全力で働けないこともありますが、今は準備期間だと思って、自分軸で考えていくべきです。
Yさん:低空飛行でもいいから、飛び続けることが大事なのですね。
Hさん:たまに「子どもは授かりものなんだし、仕方ないでしょ」と言わんばかりに悪びれず妊娠報告する方がいますが、会社の体制が整ってない状態で妊娠したのであれば、「大変な時にすみません」の一言はあるべきではないでしょうか。会社の状況も考慮できる人なら、周りのフォローや印象も違ってくるはずです。
Q. 出産後に転職するにはどうしたらいいですか?
Eさん:新しいことにチャレンジしたくて、上の子が3歳の時に転職しました。転職してすぐに二人目を妊娠するのは立場的に難しいとは思いましたが、それでもいいと思って転職し、その結果、次の子とは5歳離れることに。でも、5歳も離れてしまったとは思わず、5歳差っていいな~と思えました。
髙野さん:何もないところから、転職活動になると大変になるので、縁も大事ですね。ご縁があれば、子どもがいても様々な選択肢が見えてきます。
Kさん:したたかさの話がありましたが、転職活動をするときに自分の見せ方が大事だと思います。だからといって、バリバリやりますと嘘をつくのは違うし、全部あけっぴろげに本音を言うけにもいかないし…。どの辺まで本音で話していいのでしょうか?
Hさん:子持ちもOKとは言っていても、企業の本音はやはり、子供がいない若い子がいいと思っている。それでも、求めている仕事にその人の経験が合致していれば、子どもがいても内定を手にすることはできます。人材紹介の仕事をしていた時に、企業との面接の前に求職者には、「あなたにとって譲れない『最低限のこと』が何なのかを伝えて、嘘は言わず、無理なことはきちんと事前に伝えておくべき」とアドバイスしていました。「子どもが病気になった時は〇〇を利用します」など、いざという時の対策の引き出しはたくさん作っておくといいでしょう。
Q. 管理職など、キャリアアップを会社から提案されても受ける女性は少ないのでは?
髙野さん:「管理職になりたがる女性がいない」と言われていた企業で、現場の女性にヒアリングしてみたところ、「やりたいけど、やりたいか?と聞かれたことがない」と言っており、お互いの認識にギャップがあることも。また、例え女性側が一度断ったとしても、それで引き下がるのでなく、「まずは後輩を育成してみよう」という所から入ると、他部署との調整をする際に、役職がある方が話やすいなぁと、本人が思えるようになって、昇進を前向きに考えるようになることもあります。
Mさん:確かに、1回打診されて、「いや、結構です」って断ったら、それで引いてしまうけど、本音はやりたいけど、みんなに迷惑かけちゃうしといった気持ちがあって断わってたりするので、もっと押してくれたらいいのになって思うこともありました。
髙野さん:上の人は忙しいので、そういう気持ちまで気づくのは難しいですよね。また、女性社員に、今後の仕事についてどうしたいのかを聞きたいけど、話によってはセクハラになるかもしれないと、聞くに聞けない上司も多いです。やはり、上を目指すのであれば、自分からきちんと発信しないといけないと思います。
Q. キャリアアップを目指せば、家事に育児に追われ、ママとして限界になるのでは?
Tさん:私には2人の娘がいます。みなさんのお話を聞いていて、社会の仕組みがかわらないと女性が活躍するには、まだまだ難しいなあと感じましたし、やっぱり二人目、三人目って迷いますよね。私の周りには、3年くらいあけようと思っていたら、思うように妊娠できず、二人目不妊で悩んでいるママさんが多かったです。
上司は、メンバーにどう支えられているのか、メンバーをどうまとめて、チャンスを作ってあげているのかなど、よく見ています。私がキャリアアップできたのは、上司にそれが認められたからだと思います。上の巻き込みって難しいですし、時には同僚の反感も買うこともあります。上ばかり気にするのではなく、チームと上手く立ち回ることも大切ですし、自分の置かれている状況をどう気持ちよく分かってもらうかも大事ではないでしょうか。
Mさん:Tさんは、お子さん二人とすごく仲良しですが、忙しい中でどうやってお子さんとコミュニケーションを取っているのですか?
Tさん:私の場合、土・日に勉強会に参加したり、仕事に打ち込んだりと、自分のやりたいことは諦めないでいます。その代わり、子供といるときは、しっかり時間をとるようにし、特に夜は「聞く時間」として、子どもと一緒に夜9時~10時には布団に入り、そこで1時間くらい話していました。全部をやるのは大変なので、家事は手抜きをしたり、やらなくてもいいから、子どもとの時間は取るようにすればいいと思います。
お子様連れの方や、今から話を聞いておきたいというワーママ予備軍の方など、本当に多くの方にご出席いただき、本音で話し合うことができました。イベント終了後、「ワーママだけでなく、人事担当者や管理職の方にも参加してもらい、ワーママの本音を聞いて欲しい!」という意見もあり、確かにそう思えるほど内容の濃い2時間でした。
髙野さんが今月出版された女性営業向けの本、「売り上げが確実にアップする女性営業の教科書」は、営業ゼロからどうやって3年連続トップになったのかを、考え方から身だしなみまで、全てを紹介してくれています。各テーマにそって、簡潔にまとまっているので非常に読みやすく、勉強になります。営業職のママさんにはぜひ読んでいただきたい一冊です。
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次回は、パワーママナイトという夜開催のイベントを大規模で予定していますので、今まで参加しようと思っていたら定員で申し込めなかった方にもご参加いただけると思います。イベントの詳細については、パワーママプロジェクト関西のFacebookページにて告知します。ぜひ、いいね!&フォローお願いいたします。