パワーママプロジェクト関西。今回ご紹介するのは、大阪市立男女共同参画センター(クレオ大阪東)センター長の戎多麻枝さん。
1人目出産時には支店で育休取得が初。2人目出産時には育児休暇制度が適用されず、産休のみでの職場復帰。
そんな中でも「結果を出していれば文句言われる必要ない」と常に自信と誇りを持って仕事に取り組んできた戎さん。
それを笑顔でさらっと話してくれるのもまた魅力です。
「成果は時間ではなく工夫次第」時間制約があっても委縮する必要なんてない。そんなヒントが詰まったインタビューです。
プロフィール
・氏名:戎 多麻枝
・会社名:大阪市立男女共同参画センター(クレオ大阪東) (一財)大阪労働協会
・職種:センター長
・簡単な経歴:大学卒業後、大手教育会社にて人事職を経験。人材派遣会社(1人目出産)、人材紹介会社(2人目出産)でキャリアアドバイザーとして勤務。その後、現職にリーダー職として入社。3年でセンター長昇格。現在は、男女共同参画センターの運営全般に携わりながら、女性のキャリア支援、学生や子育て中の方向けの講座の企画や講師、キャリアコンサルティングを行っている。
・居住地 吹田市
・ご自身の年齢 40歳
・お子様の年齢 5歳(年中)、10歳(4年生)
・ワークスタイル フルタイム
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
「クレオ大阪東」の運営全般を行っています。
・施設管理(大阪市との調整、貸室管理採用、スタッフ管理など)
・セミナー等企画・運営/キャリアカウンセリング
女性の再就職支援、ママ向けイベント、学校でのキャリア講師、男性の料理教室など幅広いイベントやコミュニティを通じて、男女共に自分らしく輝けるきっかけづくりとなる場を提供しています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:30 起床 朝ごはん
7:55 保育園へ出発
8:50 出勤
9:00 勤務スタート
18:00 会社を出る
18:45 保育園お迎え
19:00 帰宅 晩御飯準備(翌日の下ごしらえ)
19:30 晩御飯
20:45 お風呂
21:45 寝かしつけ
22:30 ①一緒に寝てしまう ②持ち帰り仕事 ③家事(夫が出張の場合、洗濯)
1人目出産時は支店で育休取得が初。2人目出産時は育休取得できず。その状況をどう乗り越えましたか?
1人目妊娠がわかって、勤めていた会社に伝えたところ、会社側は当然やめるだろうという反応でした。支店で育休を取得した人はいませんでしたから。私からすればその会社側の反応のほうがびっくりで、「え?育休取得して復帰しますよ。何か問題でも??」というスタンスでしたね。仕事がしたかったし、制度もあったので、いいでしょという気持ちで、育休第一号になりました。正直、当時営業成績もトップだったので誰も文句言えないでしょという強気な気持ちもありました。権利主張してるんじゃないかとか申し訳ないとかよりも、単純に「成績上げている人間やめたら困るでしょ」くらいに自分を客観的に評価して交渉していた気がします。仕事に対しての自信があったんでしょうね。今思えば、何様だって感じなんですが(笑)、変に萎縮しないでよかったなと思ってもいます。
2人目の時は、復帰のタイミングで会社が別会社へ移管になったため、「育休制度が適用されない」と産休しかとれず、産後3カ月で復帰しました。しかも長女と次女の保育園は別々。毎日バタバタでしたが、それでも18時には切り上げて帰っていました。
18時まででどうずれば成果が出せるか頭フル回転でしたね。結果的には、まわりは夜遅くまでやっていましたが、成果自体は私のほうが出せていたり。時間が決まっていると、今までやっていた無駄なことや、結果を出すためにやるべきことの本質が見えてきたりするんです。それぞれの業務に対しての時間の使い方、掛け方も変えました。このことがきっかけで、成果は時間ではなく工夫次第で出せる!と自信に繋がりました。
周りは残業している中で一人だけ早く帰る。後ろめたさはなかったですか。
「結果出していれば文句言われる必要ない」と思っていましたので感じませんでした(笑)そのために最大限知恵を絞っていましたし。ただ、自分の結果だけを考えての行動は絶対しませんでした。自分の成績ではなく、チームとしての結果をどうすればあげられるかにこだわっていたので、自分の仕事と周りの仕事を線引きをするのではなくまとめてやった方がいいものは率先してやっていましたね。それが結果的にチームの成績にもつながり、求職者さんと企業さんのプラスにもつながっていたように思います。未経験の若者を正社員で採用していただくという「大阪支店初の人材紹介事業の立ち上げ」だったので、いろんな試行錯誤ができたことや、メンバーに恵まれたこともあり、ありがたいことにまわりから文句を言われることもなかったんだと思います。
それでも続けたいと思えた仕事の魅力は何ですか。
主婦に自信がなかったからってのが一番大きいですね。主婦という仕事が向いてないというか(笑)仕事なんかよりも育休中が一番しんどかったですし。復帰後、「育児から解放された~!」と強く思ったのを今でも覚えています。
やめるのはいつでもできますし、続けられる限り続けたいと思っています。
ただ続ける限りは楽しみたい。楽しいと思える仕事でないと意味がない。いつでも「おもしろそう」と感じたものにチャレンジする。そうやってキャリアを歩んできた気がします。
長女が1歳のころ、夫が原因不明で体調を崩し、半年くらい自宅療養をしていました。私も仕事をしていたので、体調が戻らなければ、彼に主夫をしてもらってもいいかと思いました。夫も今は、体調も戻り比較的自由のきく職場に転職ができホッとしていますが、いつ何が起こるかわからないな、と思っていますし、2人とも仕事をすることは家計のためにも大きな安心材料になっています。
両方の収入があれば選択肢が増えるんだってことも大きいですね。
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか。
実は私、もともと子どもが苦手で子どもを持つこと自体、嫌だとさえ思っていたんです。図らずも妊娠してしまったし産むしかないかと出産を決意したのが本音です。
でも子育てする中で「子どもはよくわからないから怖いし嫌い」から「子どもは面白いし、かわいい」と思えるようになりました。
出産して、色んな価値観を知ることが出来たし、世界が、社会が、人脈が広がった感覚です。
あとは、時間が有限なのだと意識するようになりました。効率よく段取り良くを大事にしています。
子育ては本当におもしろい!今は出産してよかったと思っています。
ご主人との家事・育児の分担はどうされていますか。
子どもたちと一緒に寝てしまうことが最近多く、「洗濯は夫が担当。あとはできる方がやる」というスタンスです。夫が除湿乾燥機を買ってきて「風向きを考えて干さないと乾かない」と注意されるので(笑)洗濯だけは夫に任せています。土日のどちらかは私が仕事なので、その場合は、夫がすべて担当しています。最近は学童の会長をやったり、保育園のお父ちゃん飲み会を夫が企画したりしてはりきっています。
基本的には、家事も育児も一緒にやるものだと思っているので、「手伝う」という表現はあまり好きではありません。
と言っても、最初からそんなに参画していたほうではなく、やらざるを得なくなったのだと思いますが、「ありがとうを伝えること」「相手を認めること」そして何より「褒めて伸ばす」その結果、今は一緒に楽しんでやれています。
育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
子育てしていることがそのまま仕事に活かせているし、子どもがいなかったら、今の仕事はしていないと思います。
忙しくて大変な時でも、子どもの笑顔が見れると疲れが吹っ飛びます!
育児&仕事をしていて一番大変なことは?/それをどうやって解決していますか?
とにかく毎日がバタバタなことです。お迎えに間に合わそうと駅まで毎日ダッシュとか、朝も保育園でバイバイができなくて遅刻ギリギリになり、駅からダッシュとか、疲れることが盛りだくさんです。
仕事も家庭も効率よくすることに日々こだわってなんとか毎日を乗り切っています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
どっちも楽しむ!
これからの目標を教えてください。
いつまでも、納得できる仕事をし続けていきたいと思っています。
そしてゆくゆくは田舎暮らしが目標です。
サイトを覧の皆様(ワーママ仲間)にメッセージをお願いします!
私自身、子育てするイメージなんて全くなくて、両立なんでできるのかなと思っていましたが、なんとかなっています。
どんなことでもやってみたら意外となんとかなるものなのかなと思っています。
一人で抱え込まず、まわりとシェアしてやっていけば仕事も家庭も子育てもいい形で進んでいくと信じています。
インタビュー by 井本七瀬