今回ご紹介するのは、家族の幸せな瞬間を切り取るプロ。出張親子フォトグラファー、ママトリマス。代表の石川ひろこさん。
最近は海外へも進出され、グローバルに活躍されています。
柔らかな雰囲気、お人柄から「どこにそんなパワーが!」と思ってしまうほど、仕事に対しての熱い思い、誇りをお持ちのパワーママ。
でも最初はその夢を周りには理解してもらえず、苦しんだのだそう。
夢を叶える情熱にパワーをもらえるインタビューです。
プロフィール
・氏名 石川ひろこ
・会社名 ママトリマス。
・職種 出張親子フォトグラファー
・簡単な経歴 会社勤めを経てウェディングフォトグラファーに転身、出産を機にママトリマス。設立
・居住地 大阪府高槻市
・ご自身の年齢 36歳
・お子様の年齢 4歳(男)
・ワークスタイル 自営業/フルタイム
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
出張でご自宅へ伺い、いつものリビングで落ち着いてマタニティフォト、授乳フォト、親子フォト等の写真撮影をしています。
また、一般のママをプロフォトグラファーに仕上げる「ママフォトグラファー養成講座」を2014年より開講。
現在修了生は全国で24名います。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
3:00 起床
5:30 家事開始
6:00〜7:00 子供起床
7:00〜8:30 保育園送り
※7:00〜9:00の間に家を出発、撮影のご自宅へ車で向かう
9:00〜12:30 撮影、納品修了
13:30〜14:00 帰宅(出張現場による)道中でブログ仕上げ、アップ
14:00〜17:30 メール処理など
17:30〜18:30 保育所迎え
18:30〜 晩ご飯、お風呂、寝かしつけ
20:00〜21:00の間に 就寝
基本的に、午前中1件の出張撮影、午後から帰宅しての事務処理、日曜日は家族と過ごす為お休みにしています。
ママトリマス。を立ち上げたきっかけを教えてください。
出産後、ウェディングフォトグラファーとして復帰したんですが、週末フォトグラファーだとフリーター扱いで保育所に入れなくて。
保育所入所の書類を書く為に税務署に個人事業主の登録に行きました。
その際に、「マタニティフォトの出張撮影」として事業を開始しました。
子育てが大変な中でも、わが子と一心同体だった頃の、自分のおなかにいた頃の特別な一枚があれば、それが子育ての糧になると思ったからです。
ただ当時はまだまだ「マタニティフォト」って特別なものだと思われていたので、スタジオではなく、リラックスできる自宅で撮影したい!と考え、出張サービスにしました。
その後「授乳フォト」も始めたのですが、きっかけは自分が撮ってもらった授乳フォトでした。
人生のうちでこれが最後になるかもしれない授乳という時間を写真で残しておきたくて色々調べたのですが、関西で撮ってもらえる場所がなくて。
また、授乳フォトこそスタジオでの撮影は抵抗があります。また男性カメラマンに撮ってもらうのはためらいがあります。
当時出張でやっているところがほとんどなかったこともあり、そのサービスを各メディアでも取り上げていただきました。テレビで放送されたその日一日で年間の予定が全て埋まってしまうほどに!マスコミの力の大きさを痛感しましたね。
授乳フォトの撮影後、自身の授乳フォトを見て涙されるママが多いです。日頃怒ってばかりだったのに、授乳している時、わが子を見つめる自分がこんなに優しい顔をしているんだと。これを宝物にして頑張ると。一枚の写真がこれからの糧になる、「ママ」としての宝物になる。そういう写真を収めたい。そう思って全国飛び回っています。
ママトリマス。設立当初、ご主人やご両親は反対だったとか。どうやって理解を得たのですか。
出産後3ヶ月のときに「働きたい」と私が言い出したことに、夫は驚き、何をそんなに急ぐんだと反対していました。
もともと家事育児をしてほしいと考えていた人なので、子供産んだら家にいてくれるだろうと思っていたようです。
でも私としては仕事がしたかった。そこで「何件撮影に行けば、いくらの収入があるか」「保育園料は全て自分が稼いだ分から出す」
「週に何日働いて、何日は家族の時間を持つ」などを書き出し、夫に見せ、自分の働きたい思いを伝えました。
夫もそこまでするならという気持ちで納得してくれました。もしかしたら「どうせすぐにやめるだろう」と思っていたのかもしれません。
ただ、実家の両親には実は昨年2月まで、具体的な仕事の内容を話していませんでした。
「結婚したら家にいるもの」「自営業なんてそんなわけのわからないこと・・・」というのが両親の意見でした。
そんな時、上海への出張が決まったんです。これまでは宿泊出張も東京への一泊程度。海外出張となればさすがに両親のサポートが必要だと考え、伝える覚悟を決めて、手紙を書きました。
取り上げていただいた新聞記事のコピーやお客さんからの声も同封し、今回の海外出張のチャンスを活かしてもっと活動範囲を広げたいと。そのために理解と協力をお願いしたいと。
両親は手紙で初めて詳しい仕事のことを知り、びっくりしたようですが、理解を示してくれる様になってきました。
実はこの手紙、切手が足らずに返ってきてしまい、出張に間に合わず、主人が実家まで持っていってくれたんです。それを見て両親は主人が理解してくれているならと、安心したことも大きかったようです。
今は夫や両親のサポートが得られ、海外出張の機会も増えてきています。
先日もハワイに6日間出張しましたが、その間は夫が息子と二人、楽しく過ごしていたようです。両親からも何かあればいつでも言っておいでと言ってくれています。
気持ちを伝えるって大事ですね。そしてその上で助けてほしいと素直に協力をお願いすることも。まわりのサポートや理解なしではやっぱり限界がありますから。
正直、夫は理解してくれているというよりも、私のことを「この人はこんな風に生きていく女性なんだ」と半ば諦め、応援してくれているようですが。
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
とにかく時間が命。無駄にはできない!!
あとは、人の家族の幸せな一場面を切り取っている立場なのに自分の家族を大切にできていなければいつか自分の写真にも影響を及ぼすのではないかと思い、家族の時間の大切さをより実感するようになりました。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・育児では・・・休みの日、子供が愛しくて仕方ない。一緒に過ごせる時間をできるだけ家族で笑って楽しく過ごしたいと思っています。
・仕事では・・・家庭で少しもやもやする事があっても大好きな仕事をして帰ってくるとスッキリしていて気分がすっかり転換できていると感じる時。あとは経済的に自立できていることも大きいです。
育児&仕事をしていて一番大変なことは? それをどうやって解決していますか?
・育児では・・・時間通り、予定通りにいかない事が多い。特にイヤイヤ期が長かった!やはり「早く、早く」とせかしてしまう自分が嫌になる時があります。
・仕事では・・・朝の出発の時間に送れない様にする、子供に関して予定外の事態になった場合、焦ります。
「大丈夫、一年後は全部終わっている、うまくいく。大丈夫」と心の中で呪文の様に繰り返して乗り切っています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・育児では・・・キレイな物を見てそれを「キレイ」と感じる事がこの世に生きる幸せだと信じています。そんな心を一緒に作り上げられる事が「人を育てる」ということだと思うので、子供の感性を大切にしたいと思います。
・仕事では・・・一枚の写真が子育ての糧になる。そんな写真をそのご家族に一枚でも多く届けたいです。
これからの目標を教えてください。
・育児では・・・あと1年くらいで自分のご飯支度をできるように息子を仕上げたい。 幸い料理が大好きな様子♪
・仕事では・・・関空からカメラバックを片手にひょいっと出張撮影にでかけるような仕事のスタイルを作りたい。
世界中の家庭から家族のイベントがあると呼んでもらい、飛んでいく。月に1度は1週間くらいママ不在、もしくは子供と一緒に世界中を飛 び回る、そんなスタイルで仕事したいと思っています。
サイトを覧の皆様(ワーママ仲間)にメッセージをお願いします!
好きな仕事をしているからこそ子育てを頑張れる。
愛しい家族がいるから仕事を頑張れる。
日々色々ありますが20年後に「あの時仕事を続けててよかった」と思える自分を想像しています。
インタビュー by 井本七瀬