今回ご紹介するのは、海外でのM&Aや経営企画を経験され、現在は大学で新しい組織立ち上げにチャレンジされている赤坂さん。
プライベートでは、育休中ママが子連れで受講できるMBAレベルのガチなビジネス講座「ぷちでガチ!育休MBA」を立ち上げ、代表理事として運営に携わっておられます。 制約も変化も捉え方次第でいくらでもチャンスになる。
そんなことを感じさせてくれるインタビューです。
プロフィール
・氏名:赤坂 美保
・会社名:京都外国語大学
・職種・仕事内容:コミュニティ・エンゲージメントセンター等の立ち上げ
・簡単な経歴:
東京やニューヨークでファイナンスやM&Aの仕事を10年ほど存分に楽しんだ後、子育てのために地元京都に戻る。妊娠中に京都大学のMBAコースに通い、夏休み中に出産、生後数ヶ月の長男を抱っこしながらSkypeでグループワークに参加しつつ、2年で卒業する。この経験をもとに次男の育休中に「ぷちでガチ育休MBA」を立ち上げる。
MBA在学中から江崎グリコで海外業務やM&A、経営企画等に携わり、現在は京都外国語大学で「大学」×「イノベーション」に挑戦している。また、「ぷちでガチ育休MBA」を通じて「ワーママ」×「イノベーション」を実践している。
米国公認会計士、中小企業診断士、証券アナリスト
・居住地:京都市
・ご自身の年齢 :41歳
・お子様の年齢 :6歳(男)と2歳(男)
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください
江崎グリコ(株)では、幼児の育児中にもかかわらず海外M&A等、本当に刺激的な仕事をする機会をいただきましたが、次男の育休から復帰後、毎日の京都-大阪間の通勤を負担に感じつつありました。そんな時に京都外国語大学より「大学のイノベーションを一緒にやりましょう!」とお声がけいただき、今年4月より勤務しています。
大学では、これまでの知識や経験を総動員して、新しい学部の立ち上げや、今後の京都外国語大学の1つの柱となる「コミュニティ・エンゲージメントセンター」の立ち上げを担っています。「コミュニティ・エンゲージメントセンター」では、大学とコミュニティー(国内外の学外団体や企業、市民等)の連携を促進し、学生さんが社会経験を通じて学ぶ教育を提供する他、大学の新しい社会的価値を生み出す仕組みを構築しようとしています。また、学生さんにむけて、事業立ち上げやプレゼン指導等、ビジネスに関わる諸々の助言も行っています。
立ち上げに関わっている京都外国語大学、国際貢献学部(2017年9月現在認可申請中) https://www.kufs.ac.jp/ge/
また、次男の育休中に立ち上げた、育休中ママが子連れで受講できる、MBAレベルのガチなビジネス講座「ぷちでガチ!育休MBA」の運営団体、一般社団法人 スタディウィズの代表理事もしております。こちらでは、月1回の講座開催の継続を目指す他、ガチなワーママの能力を活かした更なる価値創造を目指しております。教育関係者や企業のみなさまの多大なご協力を得ながら、パワフルな現役育休ママ達と共に活動しています。
ぷちでガチ!育休MBA http://site.wepage.com/ikukyu-MBA
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6時半(目標で)起床。朝食準備、子供をたたき起こし朝食・準備手伝い、片付け*
8時 長男出発。次男を保育園へ送り、自転車で出勤
18時 次男お迎えし帰宅。長男帰宅。ごく簡単に夕食準備
長男の勉強とピアノをみる。夕食とお風呂(週3で祖父母ヘルプつき)
21時 寝かしつけ
22時 少し片付け*、仕事(大学・社団法人・他)、自由時間
1時頃 就寝
*ルンバ、食洗器、洗濯乾燥機の3種の神器をフル活用し、人間にしかできない家事以外はなるべく機械化を目指しています。
(補足)主人が平日ほとんど不在でワンオペが多いのですが、夕方は実家の祖父母が頻繁に手伝いに来てくれたり、遅くなる時には、義姉宅で子供たちを見てもらい、夕食・お風呂まで済ませていただいたりと、とても助かっています。
ご出産後の転職も経験されていますが、キャリアプランや、転職についてのお考えを教えてください
何度も転職していますが趣味というわけではなく(笑)、全て引っ越しに関わる転職です。常に「家族と一緒に暮らす」ことと、「ワクワクする仕事」の2つにこだわった結果、「わらしべ長者」のように、転職の度に、更にワクワクできる仕事ができるようになりました。
「わらしべ長者」のきっかけは、東京で就職を決めた彼氏(今の主人)について行くため、新卒入社後1年半で、地元京都から東京で転職したことです。超就職氷河期の中、米国公認会計士の資格を取ったおかげで、ソフトバンクに拾ってもらいました。当時のソフトバンクは毎年数百~一千億近くの赤字垂れ流しの状況でしたが、まだ数10人規模の混沌とした持株会社では、各分野のプロフェッショナル達と、新しい仕事にトライするだけでなく、自ら仕事を作っていけることがとても刺激的でした。超就職氷河期にもかかわらず、このような面白い仕事に恵まれたことに気をよくして、その後も主人の海外転勤や、出産・育児といった、ライフイベントの変化をチャンスとして「家族と一緒に暮らす」を叶えると同時に「ワクワクする仕事」を追求し、「わらしべ長者」的にキャリアを広げることとなりました。
その結果、専門分野は会計からファイナンス、国内外のM&A、経営企画にまで広がりました。また、育休の機会を活かし「ぷちでガチ育休MBA」を立ち上げた結果、自分でリスクを負って、組織運営から営業やマーケティング、広報まで携わりました。これらの経験のおかげで、現職では、いつかは挑戦してみたいと思っていた教育機関で「イノベーション」にチャレンジすることができ、日々ワクワクしています。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
家族と一緒の生活は毎日Happyですが、ありきたりだと思いますので家族以外のエピソードを一つ。「ぷちでガチ!育休MBA」を通じて得られるガチなワーママの繋がりこそが、育児&仕事をしていて良かった~!と感じる財産です。
「ぷちでガチ!育休MBA」では、毎年、現役の育休ママが講座運営を行っています。その運営メンバーとして、多種多様な専門を持ち、パワフルで熱いワーママ達が近畿一円より毎年集まります。この活動に関わっているおかげで、ガチなワーママの繋がりがどんどん広がります。
この繋がりのおかげで、仕事でも子育てでも、何か困った時は誰かに相談すると解決できるし、仕事では多種多様なバックグラウンドのメンバーなので、違った視点や刺激もくれる、頼れるガチなママ友達の繋がりは、単なる異業種交流の枠を超えた、育児&仕事をしていたからこそ出会えた貴重な財産です。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それをどうやって解決していますか?
長男出産の際、親族のいない東京での育児&仕事の両立は大変だろうと思い、東京から、親族が多くいる京都に戻るという決断をしました。その結果、両家の祖父母や義姉の手厚いサポートのおかげで、主人が仕事で不在がちでも、楽しく育児&仕事をさせてもらえています。京都に戻る決断の際には、関西で仕事が見つかるのだろうかという懸念がありましたが、素晴らしいご縁と、理解のある職場のみなさんのおかげで、面白い仕事をさせてもらえています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
どちらも「ワクワクできること」を大事にしています。物心ついた頃から、単調で得意でない仕事や勉強に取り組む時には、自分の中での記録を競ったり、改善案を考えたりする「ゲーム」を作り出して、無理にでも「ワクワク」取り組める工夫をする習慣がありました。このおかげか、あまり「しんどい」と感じたことがなく、お得な人生を歩んでこられた気がします。
子供たちにも、勉強を見てあげる時間はあまりないものの、このお得な技はプレゼントしてあげたいと思い、勉強でも「ワクワクできる」工夫を教え、時には、自分で工夫を考えだすように仕向けています。例えば、くもんは時間と正解率を競うゲームだと言い切り、少しつらそうな時には「秘密の裏技」を伝授し、自分もちょっと楽しんでいます。
今後の目標やプランを教えて下さい!
大学や「ぷちでガチ育休MBA」の活動を通じて、「社会を○○でよくしていきたい」という信念をお持ちの、起業家さん始め、サラリーマンから学生さんまで、様々な人々に出会う機会が増えました。このような人々の信念の実現のために、これまで培ったビジネスの手法でお手伝いをしたり、このような人々を繋げることで、新しい取り組みを作り出すことで、社会的なインパクトをより大きくするお手伝いをしたいと思っています。そして、子供たちの将来のためにも、ステキな社会にしていきたいなと思っています。
最後に、こちらのインタビューをご覧になっている方に向けてメッセージをお願いします。
「変化はチャンス!」
子供を産んで、育てることによる生活の変化は、これまで見えなかった面白さに気付くチャンスだと思います。子育てによって使える時間は明らかに減りますし、仕事をする際にも制約がでてきますが、その制約をチャンスと捉えると、仕事の効率化や、周囲の巻き込み力を鍛える他、自分のキャリアを見つめなおす貴重なチャンスになると思います。時には前に進むだけでなく横道に逸れることで、これまで想像しなかった活躍の舞台が見つかり、さらにワクワクできる人生が歩めるかもしれません。
育休中のみなさんは「ぷちでガチ!育休MBA」で様々な仲間と出会うことで、変化をチャンスにするヒントをつかんでいただければと思います。