今回のパワーママインタビューは、子どもたち向けのプログラミングキャンプやスクールを主催するLife is Tech!の広報の亀田さん。
Life is Tech!の前はソフトバンクで広報をされていました。前職時代に妊娠・出産を経験、育休復帰後も広報としてバリバリと仕事をしている印象が強かったのですが、約1年前に現在の会社へ転職されました。ソフトバンクはホワイトな企業で子育てしながら働く環境も整っていたと語る亀田さん。それなのに、なぜ転職を考えたのか?それは、10年後の自分をイメージしてみたことにあったと言います。
プロフィール
・氏名:亀田 奈津子
・会社名:ライフイズテック株式会社
・職種:広報職
・簡単な経歴:通信会社(広報)→現職
・居住地:東京都
・ご自身の年齢:30
・お子様の年齢:2歳(2012年生まれ)
・ワークスタイル:フル
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
中高生向けプログラミングキャンプ/スクールを主催するLife is Tech !の広報
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
07:30 起床。洗濯、新聞・メディアチェック
08:00 子ども、主人起床、朝食、身支度
08:50 保育園送迎
10:00 出勤
18:15 退社
18:45 保育園お迎え
19:15 子ども夕飯・お風呂・遊ぶ時間
21:30 子ども就寝
22:00 主人夕飯
23:00 (主人の帰宅時間と子どもの寝かしつけがうまくいけば)仕事か自分時間
25:00 就寝
お仕事を続けられてきた中で、結婚や出産のタイミングは理想通り(計画通り)でしたか?
計画通りというのか、今思えば結婚も出産もこのタイミングしかなかったのではと感じます。学生時代よりおつきあいしていた主人と25歳で結婚。その後も月3桁を超える残業や夜の会食、お互い趣味や広い交友関係もあり、お互い好き勝手に生活していました。そのうちに身体に無理が利かなくなり、このままの生活ではいけないな、と思い始めた27歳のときに妊娠し出産。妊娠3,4カ月の頃は忙しさもあり体調が安定せず、会社に行ってもトイレに駆け込んでいました。その後、安定期に入り体調も安定したので周りに甘えつつ残業もしながらの妊娠生活でした。
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
自分の「いま」が最優先だったのが、こどもたちの「未来」に目を向けるようになったこと。
大手通信会社の広報から現在の会社へ転職されたとのことですが、なぜ転職されたのでしょうか?また転職してよかったですか?
前職は、とてもホワイトな職場でした。広報部のメンバーは人がよく、上司も理解をしてくれて、復職時も前例がない今までいた社外広報のポジションのまま戻ることを勧めてくださいました。「続けていけるように協力する」「ロールモデルになるように、前例を作ってあげて」と優しく見守っていただいていたので働きやすかった。一方、激戦の保活に敗れ、延長保育のない認可外の託児所へ子どもを預け、16:00帰社の時短を選択していた私は、「重要なことが夜に決まり、朝即発表」のスピード感ある社風の会社では責任のあるプロジェクトに手を挙げることも躊躇してしまいました。早朝出勤や残業もせず、16:00に帰り、仕事も中途半端(と思ってしまっていた)なのに、家庭では毎日バタバタしている。家事も育児も中途半端。これって仕事を続けている意味あるのかな、保育園も入れないし、(高い託児代を払ってまで)続けている意味あるのかな、と悶々とする日々でした。この時は、まだ0(辞める)か100(会社に残りフルタイムにする)しか自分の選択肢が見えてなくて辛い時期でした。母になったことで世界が狭くなった気がしてしまった。できることが限られてしまった気がしたんです。
仕事復帰より1年経ったくらいの時期に、夜中にたまたま求人サイトをみて、今の会社の求人情報を目にしました。「これだ!」直感的にそう思い、その場で応募しました。
転職の理由は、「子どもの未来」をつくっていきたかったから。IT業界にいたので、プログラマーじゃなくてもコードを書く技術があるととても役立つのが目に見えていました。ただ、そのような人材はほとんどおらず、また育てる環境も、触れる環境もなかったので、今後間違いなく必要な分野だ!と思ったので。中高生の吸収力は本当に驚く事ばかりで、創造性・プレゼン・アイディアどれをとっても、この子たちが社会にでてくるのが本当に楽しみ!と思えるのでやりがいはとてもあります。
転職を考える段階で「この先、10年後の自分をイメージしてみた」と伺ったのがとても印象に残っているのですが、10年後について考えてみたのはどういった理由からですか?育児と仕事の両立と関係していますか?
前職では、1年に1度将来の自分のキャリア設計を提出するタイミングがあるのですが、これが復帰後辛くなりました。自分の今の業務への対応もいっぱいいっぱいなのに、3年後、5年後どんな成長をしているのか、会社に残った場合の10年後を考えた時に同じ席に座って同様の業務をしているのかもしれないと想像したら怖くなってしまって。だったら自分で変える未来にしてみようと考えた時に、転職すること、ベンチャーで働くことなど第3の選択肢が生まれました。普通思いつくのかもしれませんが、私は辞めるか続けるかで悩んでいたので、少し光が見えた気がしました。
大企業とベンチャー企業の広報ではどんな点が異なりますか?
大企業では、チームがあり、組織がしっかりできています。働き方としては、引き継ぎをしておけば、子供の体調などで出社ができなくなってしまっても、周りに協力してもらえる点はとてもやりやすいとおもいます。その代わり、意思決定に関わる人数も多いので昼間動いていた方向と全く別の方向に夕方から夜に方針が変更することもザラ。復帰前は普通にできていた自分の担当案件でも責任をもって最後までやり遂げることが難しい場面が多くありました。仕事自体はチームメンバーや上司、他の部署の方までもが「いいよ!」と引き受けてくれてとても助かっていましたが、自分の担当さえもやりきっている感がないのに、今後の成長や3-5年後の目標を書くシートを前に固まってしまったこともあります。
今は、20人弱の組織で、私の仕事は一人部隊なので、意思決定も早くある程度コントロールしながら働けるのが最大のメリットだと思います。短期・中期・長期と目標を決めて広報戦略を考えることも仕事のひとつなので、自然と自分の目標も立てられます。そのため、無駄に焦ることもなくひとつずつ着実にやるだけだ、と腹をくくることもできました。また現在は教育ベンチャーなのでお客さん(=子ども達)が近く、何かを発見したときの笑顔や楽しんでいる姿、掛けてくれる声ひとつひとつがやりがいにもなります。働き方でいえば、急な取材対応や全国出張、週末のイベント対応などもこなす必要があるので実家を頼ってなんとかやっている感じです。代わりはいないので子供が急に熱を出しても、機嫌が悪くて暴れる子どもをあやしつつ仕事を常に気にしないといけない、流れ続けるメッセージの通知音を聞きながら、以前のチームのありがたさを身を持って体感しています。
現職は、こどもたちのプログラミング教育を手掛ける会社での広報とのことですが、お仕事にもご自身がママであることが役立っていますか?
役立ちます!子どもを産んでから、子ども達の未来をつくるのは大人の大事な役割だ!と認識するようになったことが大きいです。生徒たちは自分の子どものように可愛く、成長がとても楽しいです。あとは若いメンバーが多い会社なので、資料請求やお申し込みフォームまでママ目線での意見が重宝されることも多くあります。
子育てとお仕事の両立にあたり、何か工夫していることはありますか?
子どもが小さいうちは、家事は優先順位最後と割り切りました。人の手を借りてもよいしと。初めのうちは、全部やらなきゃーと抱え込んで、できなくて凹むという日々を繰り返していましたが、身体がもたないし、1家事(例えば皿洗い)を始めると、目を離した2歳男児に3(わざと牛乳をこぼして歩き回りそれを足で踏んでいる)ほどの逆襲をくらうので(笑)、できるときにできるだけやろう、と。あとは、出張や週末の取材などは実家の両親を頼ってしまうことが多いので、両親には孫(こども)ではなく私から感謝の気持ちをしっかり表現することも心がけています。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・育児では・・・ママいつも頑張っててえらいねーと息子が言ってくれること。きっと寂しい思いもたくさんさせてしまっているのに、最後のお迎えでも実家にお迎えに行くときもとびきり!の笑顔でママ!おかえりーー!と飛びついてくれる瞬間がたまらない!
・仕事では・・・中高生のきらきらした笑顔を見られること。Face to faceの教育現場に携わるため参加するメンバーの「今人生が変わったかも!」と思う瞬間に立ち会えること
ご主人との家事・育児分担はどうしていますか?
主人は仕事が遅いのもあり、9:1で家事と育児の分担という感じです。そろそろ息子も大きくなってきたので、土曜の昼間はサッカーでも一緒にいってもらうのはどうだろうかと自分の時間作りを模索中です。家事育児の分担については天地がひっくりかえるのでは、というくらい話し合いもしましたが(笑)平行線につき体力の無駄使いなのでとりあえず休戦しています。諸先輩がたの戦法を学んでいきたいです(笑)
育児&仕事をしていて一番大変なことは?
・育児では・・・3歳からの保育園問題・・・。いま入園しているところは2歳までの小規模園。次の4月にまたあの保活は正直繰り返したくないので、幼稚園?でも、延長16:00まで?!という預け先問題・・・ワーママに教育の選択肢ってあるのかしら?
・仕事では・・・時間のやりくり。あと1時間!!と思いつついつも走ってお迎えです。
それをどうやって解決していますか(していこうとしていますか)?
預け先問題は、いまだに悩み中です。引越しも考えています。
仕事は、会社のメンバー全員に「全員広報」の会社って最高じゃない?と布教活動(笑)をしています。そのうちイベントの取材などは担当者がそれぞれ最高の広報として受けられるようになったらいいなと!
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・育児では・・・子どもの話を聞くこと。笑うこと。
・仕事では・・・相手の気持ちに寄り添うこと。時間を区切ること。
これからの目標を教えてください。
・育児では・・・子どもに色々な体験をさせてあげること。あとは、もっと自然に触れさせてあげたい!
・仕事では・・・プログラミング/IT教育をもっと伝えていくこと、中学生・高校生が楽しそうな姿をもっといろんな人に知ってほしい!
サイトを覧の皆様(ワーママ仲間)にメッセージをお願いします!
チャレンジは楽しい!
大変なことはたくさんあるけど、辞めるか、辞めないかの選択に迷った時は、働き方を変えてみる、キャリアを柔軟に捉えるという第3の選択肢もあるかも、と思うと新しいチャレンジの形が生まれる気がします。
インタビューby 柴田広夢