今回のインタビューは、大手電機メーカー広報のFさん。
“育児は社会貢献”をミッションに、ワーママの地位向上を目指すパワーママです。
プロフィール
・氏名:F
・会社名:大手電機メーカー
・職種:広報
・簡単な経歴:2002年入社 5年間法人営業⇒6年間広報
・居住地:神奈川県横浜市
・ご自身の年齢:33歳
・お子様の年齢:2歳
・ワークスタイル:8:45~17:30(フレックス)
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
大手電機メーカーの子会社で製品の広報をしています。記者向けイベントの企画運営や問合せ・取材対応などが主な仕事です。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:00 起床、身支度、朝食準備
6:50 夫・息子起床
7:10 みんなで朝食
7:45 出発。保育園は毎朝夫が送っていく。
8:45 出社
9:00 営業部門全体で朝会
9:15 会議、メール・電話、打合せ
12:45 社員食堂で昼食
13:30 取材・問合せ対応、週2回くらい都内出張
17:30 退社
18:35 帰宅 保育園が近いのでいったん荷物を置きに帰ります。
18:50 保育園にお迎え
19:00 トトロのからくり時計を見てから保育園を出る。
19:10 道草くいながら再帰宅
19:30 夕食
20:15 お風呂
21:00 寝室に移動、読み聞かせ
21:30 息子就寝、寝落ち
22:30 家の片づけなど家事、勉強、たまに仕事
23:00 夫帰宅
23:30 夫婦でDVDやテレビ見ながらコーヒーを飲む
24:00 やり残した家事、勉強、仕事
25:00 就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
社会貢献を意識するようになりました。私は、出産をすること自体が社会貢献だと思っているのですが、あまり世の中ではそう思われていないですよね。そういう価値観をもっと浸透させて、ワーキングマザーはもちろん母親たちの地位を向上させないといけないな、と。
そのためにも、現在の母親たちがひとつずつ改善を積み重ねていくことが重要だと思いますが、楽な方に流されそうになることもあります。そんな時に社会貢献するんだ、という意識は支えになります。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
育児では、保育園迎えに行った時に嬉しそうに駆け寄って来てくれる時。これはワーママの特権だなーと思いますね。仕事では、Happyなエピソードではないかもしれませんが・・・定時に帰れること。あまり重要でなさそうな仕事を断ったりもできるし、タイムマネジメント力がアップしました。
育児&仕事をしていて一番大変なことは?
育児では、子供と接する時間が短いからか、いろんな場面でグズられてしまうこと。みんなそうじゃないかと思いますが、夫の協力を得ようにも夫じゃ納得しないんですよね。。。
仕事では、思った以上に職場で配慮されないこと。去年の10月に仕事を持って異動して、8人チームになったのですが、メンバーは全員40代以上。男性上司、メンバーとも子供がいる方はいなく、いわゆるマタニティハラスメントみたいなことはないけど、仕事ボリュームは正直、妊娠前以上。10日間くらい3時間ほどしか寝れない日もありました。
それをどうやって解決していますか?
育児に関しては、できる限り夫に家事のほうをやってもらうようにしたいと思っています。でも、夫は朝が弱いのと、やはり食事の準備は慣れないのでハードルが高いのが課題です。ある程度は時が解決するのを待つしかないのでしょうね。
仕事に関しては、正直メンバーには気を遣って言えません。上司には何度か要望を出していますが、あまり改善されませんでした。その時はさらに上の上司に相談したりもしましたね。
たまたまなのですが、最近1名増員され、その人が広報のサブ担当になったので、仕事を頼めて楽になりました。さらに、その人は子供が4人いて、共働きのイクメンなので、いろいろ相談できて、精神的にも良かったです。もちろん女性同士は相談しやすくていいのですが、職場で要望を通すという観点では、立場が似た男性を味方につけると、いろいろとスムーズにいく気がします。
ママになってからの広報の仕事ってどうですか?やりやすいですか?
広報はメディア相手なので、特に雑誌社などを相手にする場合は夕方のアポが多くなったり突発の問合せもあったりするのがワーママにはマイナスですね。私は実家のサポートが強力なので乗り切れてますが、そうでない方は専任じゃなくてもサポートの人がいるとか、職場の理解がとてもあるとかいう環境がないと、厳しいかもしれません。
でも、職能的には女性が活躍しやすい職能だと思うので、サポートがないからと言ってあきらめず、いま広報をやっているワーママさんには、ぜひ自ら社内外の環境を整える努力をしてでも、続けてほしいと思います。
転職を考えたこともあるとのこと。すぐに転職しないほうがいいと判断した理由やきっかけがあれば教えてください。
ママの転職って本当に難しいですよね。私の場合はずっと大企業の赤字事業部に勤めていて、今まで自分よりも後輩が部署にいたことがなく、キャリア的にも事業的にも危機感があって前々から転職を考えてはいたのですが、3年前に子供を作ることを優先して、会社にとどまることにしました。休んでいる間に事業部だけでなくグループ全体の状況が悪くなり、仕事と育児の両立にも慣れてきたので、半年ほど転職活動をしました。
結果、思うようにいかず一旦休止したのですが、私の場合が感じた課題は下記の通りでした。
1. 定時が19時までなど、お迎えを考えると厳しい時間帯の企業が多い
公募やエージェント経由で募集している企業で時短勤務が通ることはまずないです。そうすると、どうしても対象となる企業が限られてしまいます。どうしても時短勤務!という場合は、自分の人脈で探していかないといけないと思います。
2.やはりワーキングマザーは敬遠されがち
これは結構難しい問題で、エージェントのアドバイスもまちまちでした。完全に黙っていて、内定もらってから言った方がいいという意見もあれば、最初から言うべきという人、様子を見て情報を開示したほうがいいという意見も。個人的には、子供がいると言ったら明らかに消化試合に入る面接官もあり、貴重な時間を無駄にしないためにも、最初からワーママであることを伝えた方がいいと思いました。秘密にして内定をもらっても、入社してから辛いだけですしね。
3. 自分の経験不足を痛感
私の課題は広報といっても製品広報で、採用では経営広報の経験が求められることが多かったこと、また33歳でマネジメント経験どころか後輩の指導経験もないことがスキル的にネックだったように思いました。最終的に転職活動を休止したのはこれが決め手でした。
そこで、もう一度今後について考えてみたところ、心境の変化がありました。キャリアがあるから転職するなら広報と思っていたけれども、本当にやりたいことはもっと企画寄りの仕事ではないのか。条件を落とせば未経験でも転職が可能なのだろうか。
私が出した結論は2つありました。ひとつは時短勤務を解消して社内で異動希望を出すこと。もうひとつはビジネススクールに通うこと。ビジネススクールに関しては当初気分転換も兼ねて3か月くらいの短期講座と思っていたのですが、夫が「形になるものにした方がいい」と言ってくれて、来年度のパートタイムの大学院入学を目指すことにしました。現在は単科生としてクラスを受講し、受験の準備をしています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児では、息子と一緒の時間を濃いものにすること。家事はある程度仕方ないとしても、息子が起きている時間帯に仕事や勉強はしないようにしています。
仕事では、自分の中で優先順位をつけること。チームで広報専任は私だけなので、高いスキルが必要な仕事は何がなんでも自分がやる。逆にそれ以外のことで、本当に無理なことは傷が広がる前にアラームをあげるようにしています。
いろいろな場所に息子さんとよくお出かけしているイメージがありますが、子どもイベントや場所の情報収集法を教えてください。
最近、車を手放してカーシェアリングに切り替えて、息子が長時間車に乗るのは苦手なので、実は地元ばっかりですよ(笑)。でも、近辺の情報収集はかなり入念にしています!
まず、絶対チェックすべきなのは自治体や地区センターの広報紙。どうしても平日が多いですけど、結構土日も無料のイベントがあったりします。それから地元のショッピングセンターのイベント。ファミリーが多い街なので、結構重宝します。あとは出産前からガイドブックマニアなので、地元の情報雑誌や、親子向けガイドブックでチェックしています。
今後の目標について教えて下さい。
子どもは、2人目はそのうちほしいですね。今は会社が不安定で、大学院の受験準備中なので来年度以降にできたらいいなーと思います。
仕事では、今の会社にこだわらず、まずは広報から企画職能へのキャリアチェンジ。将来的には管理職も視野に入れています。もし、今の会社にいるのであれば、最低でもこのインタビューに匿名でなく答えられるような会社にしたいなと思います(笑)。また、並行して2016年度にMBAを取得するのが目標です。
ママ予備軍の女性にメッセージをお願いします!
出産をすると、仕事にも支障があるし、遊べなくなるし、そもそも子供をかわいがれるかどうかわからないし、と不安はいっぱいあると思います。私もそうでした。
でも実際出産してみると、周りの協力があれば、頻度は制限されてもできないことはほとんどないし、何よりも大切なものがたくさん増えます。どんなに子供に興味がなくても、自分の子は絶対かわいいです。迷っているのであれば是非子供を育ててほしいです。
サイトをご覧のワーママの皆様に向けて!
ママだからって職場で遠慮している人、すごく多いと思います。でも、大事なことなのでもう一度言いますが(笑)、育児は誰がなんと言おうと社会貢献、決してワガママじゃないんです。だからもっとみんなに胸を張って働いてほしいと思うし、後進のためにいい環境を作れるように一人ひとりが本当にちょっとずつでもいいから努力していければと思います。一緒に頑張りましょう!
インタビュー by千田絵美