プロフィール
・氏名:小池朝子
・会社名:株式会社アプト
・役職名:hacocoroブランドマネージャー
・職種:飲食業
・簡単な経歴:
中央大学文学部 心理学科卒業。
インターネット広告代理店の株式会社オプトにて、営業部とマーケティング部に所属。
2児の産休・育休をまとめて3年間とったあと、ベンチャー企業である株式会社アプトに転職。
社員数に限りのある組織の中で、専門知識はそこそこに、広報・広告・人事と幅広く掛け持ち担当。
その後、徐々にサービスや運営そのものに関与するようになり、hacocoroという会社のメイン事業のブランドマネージャーに。
また、プライベートでは、学生の頃から趣味であるダンスをママになっても続けられるコミュニティとして「mamastreet」を発足させ、ワークショップの開催やイベントの企画・出演をしている。
・居住地:東京都世田谷区
・ご自身の年齢 : 31歳、1985年生まれ
・お子様の年齢 : 4歳、2012年生まれ/2歳、2014年生まれ
・ワークスタイル: 会社員
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
社員25名程のベンチャーで、hacocoro(ハココロ)という貸切専門のパーティスペース事業のブランドマネージャーをしています。
中古物件をリノベーションし、内装をお洒落に施してパーティスペースにする、というスキームで、現在は12店舗まで広がっています。
私の仕事は、主にそのサービス創りとメンバーのマネージメント、また、web・紙媒体の制作ディレクションなど様々です。
hacocoroというのは、このパーティスペースで提供するサービスの事で、可愛らしいFOODやDRINKのご提供と、専門のパーティプランナーによる企画・当日の演出サポートにより、お客様が手軽にこだわりのパーティを創れる世の中を実現しようとしています。
私が入社した2015年には6店舗でしたが、昨年から更に出店ペースを早め、今年は2ヶ月に1度のペースで出店しています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
06:30 起床、朝食準備や身支度
07:30 家族で朝食
08:45 パパと子供達は保育園へ
09:00 家を出て、駅でパパと合流。
10:00 始業
17:00 退社
18:15 保育園お迎え
19:30 夕飯
20:30 子供達と入浴
22:00 寝かしつけ
22:30 再度起きて、仕事
26:00〜27:00 就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
全部が自分の時間だった環境から、自分の時間がほぼなくなり、
やることを厳選するようになりました。
仕事は効率化する、買い物はなるべくネットで済ませる、料理は簡単にする、行きたいイベントごとは今一度吟味する…等、
限られた時間の中で、大事な2軸である「家族との時間」と「自分が本当にやりたいこと」に時間を使うために、色々な事を厳選しています。
おかげでかなり濃厚な毎日です!
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
1つ目は、女性としてとても魅力的で憧れだった前職の先輩方と、ワーママという共通点を通じて親しくなれたこと。夏にはグループキャンプに行ったりと、家族ぐるみでお付き合いしてもらっています!
2つ目は、後輩から「朝子さんみたいなお母さんになりたい!」と言ってもらえたこと!
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
たまに、自分で自分の限界がわからなくなること。自分では「ここまでできる!やりたい!」と思っていても、それを時間的に制約のある「私」がやることが本当に良いことなのか、客観的に判断できなくなる時ですね。
それをどうやって解決していますか?
悩んでもわからない時は夫に相談してみます。
夫は心配性な私とは裏腹に、だいたいポジティブな意見をくれる人。
前述したことで悩んだ時も、「そもそも子育てを制約と思わなくて良いんじゃない?だれにでも何かしらの制約はあるから、それと変わらないよ。やりたいと思うならやりなよ!」と言われ、肩の荷がすっとおりました。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児では、「子供の話をちゃんと聞いて、小さな変化に気づく」こと。
特に、日常のおしゃべりからの発見を大事にしています。
ある日突然、おしゃべりのままならない娘が、「ママ、こーとは・うわぎ?」と聞いてきた時は、とても感動しました。コートが上着の仲間だ、という概念がわかった瞬間ですね!
子供は小さな変化が多く、ついさっき「こんな事もできるようになったのね!(涙)」っと思っても、夕方にはそれが当たり前になっていたりすることも多いので、そんな大事な瞬間を忘れないように気をつけています。
仕事においては、「この人に頼んでよかった!」と思われる仕事をすること。
そう思っていただけるように、どんな仕事でも、+αで返すように心がけています。例えば、ただの資料作成でも、キレイで伝わりやすい資料にする、とか、レポート作成を頼まれたら、考察をつけて返す、とか本当に小さい事の積み重ねなんですが。
いわゆる「手に職」と言われるような専門的なスキルがない中で、時短でも価値を高く発揮していくオンリーワンの存在になるためにも、「この仕事は小池に頼むときっと良さそうだね!」と言ってもらえる機会を増やしたいと思っています。
なぜわざわざ復帰のタイミングで前職(広告代理店)をやめて、ベンチャー(サービス業)に転職したんですか?
自分のやりたいことを真剣に考えて、将来に向き合った結果です。
今考えると、出産前の自分はとても未熟で、「理想の将来に向けたキャリアパス」など全く考えておらず、ただただ目の前の仕事に向き合い、「同期に負けたくない」とか、「認められたい」という一心で働いていました。
でも、妊娠出産を経て、時短で働く事をリアルに想像したとき、一気に不安に襲われたんです。大したスキルももっていない自分が、人より少ない時間でどうやって成果を出せるんだろう?って。
そのくせ、それまでの私は、「一生懸命働き続けていれば、いつかチャンスが訪れて、いつか大物になれる」と心のどこかで思っていましたから、そのギャップと言ったら。。笑
そうして、改めて自分の夢ややりたいことをノートに起こし、それを現実にしていくためにはどうしたらいいか?と一生懸命考えるようになったんです。
悩んで悩んで、でてきた言葉は、「あっと驚くような感動体験を生み出す空間創りをすること」でした。
実は昔から音楽や舞台、ダンス等に触れる空間にいると、心の底から感動すると同時に、「絶対自分も創り手側になりたい」という想いがあったのですが、恥ずかしくてほとんど人に話したことがなかったのですが、
その時、自分の能力や経験のなさを恥じている暇はない、行動あるのみ!と思えました。
そしてたまたまwantedlyで求人を見つけた株式会社アプトに、広報として入社しました。
会社の規模やネームバリューはその時の私にはあまり問題ではなく、自分のやりたいことを実現できそうか?という軸で選んでいました。
おおげさなようですが、これが転職を決めたきっかけです。
ベンチャーで育児をしながら働くのは大変ではないですか?
ベンチャーと一括りにはできませんが、思いっきり働きたいけど子供との時間も確保したい!という私にとってはむしろとても働きやすい環境です。
今は、会社の時間と、子供が寝た後の二部制で仕事をしている感じです。会社にいる時間は極力人とのコミュニケーションに時間を使い、資料作成や簡単なメール返信等は電車や、夜の時間を使う、というのがルーティンになっています。
ただ気がつくと平日の平均睡眠時間が1日3時間くらいになり、体にも心にも余裕がなくなってしまう事があるので、もう少し上手に・健康的に働けるよう、時間のバランスは常に模索しています。
仕事をしながら子育てする中で「これはやっていてよかった!」ということはありますか?
育児のひとこと日記です。上の子が生まれた時から書き始めて、今年6冊目を買いました。
去年少しさぼり気味だったのですが、あるきっかけで、最近また書くようになりました。
そのきっかけというのが、「いっぱいいっぱいになって、子供の成長に目を向けられなくなったこと」でした。
仕事と育児でめまぐるしい日々の中、本当はもっと向き合いたいのに、体が疲れて心に余裕がない。せかしてしまったり、声を荒げてしまったり。そんな自分が嫌で落ち込む…みたいな悪循環に陥りました。
その時に、「子供のどんな小さな変化でもいいから、気づいて書き留めよう!」と改めてノートに向かうようにしたら、すごく穏やかになれたんです。自分が気づいた変化のひとつひとつがとても愛おしくなって、自然と子供と心が通じ合うようになり、自分にも余裕ができました。やっぱり子供って最高だなって。
あとは、育児って結構毎日ずーっと子供達を見てるので、細かい出来事を忘れてしまいませんか?私が記憶力が悪いのもあると思うのですが(笑)、「わーこの瞬間、忘れたくないっ!」と思っても、結構すぐ忘れちゃうんです。その時の子供のかわいい言葉使いとか、表情とか。
そんな時にも、昔の日記を読むとありありと思い出せて、すごくいいなと思います。
仕事の他に、ママのストリートダンスサークルを運営されているということですが、そのお話を少し聞かせてください。
大学時代、勉強よりも頑張ったダンスを、出産後も続ける環境を創りたくて、友人と立ち上げたのがmamastreet(ママストリート)です。
特徴は、子供を連れてダンススタジオに行けて、順番に子守をしながら、ダンスのレッスンが受けられることです。
これまで述べ100人以上の方がワークショップに参加してくださり、1年に1度程、代々木公園で行われている、Shibuya Street DanceWeekやWEFUNKなどの大きな舞台に立ったり、自分達のPVを制作したりもしています。
また、パパや子供も巻き込んで練習会をしたり、家族全員で参加するハロウィンパーティを、自社(hacocoro)の会場で行ったりもしています。
基本的には仕事もダンスも私にとっては同じスタンスで、「ママになったからできない」と言いたくない。子供のせいにしたくない。
子供も含めて今の自分なので、ポジティブにチャレンジし続けるママ達が増えたら幸せだなあって思います。
今後の目標やプランを教えて下さい!
まずは今自分が関わるサービスが、世の中のスタンダードになるところまで、しっかり見届けること。
その後は、空間プロデュースに関わりたいという想いも引き続きありますが、自分のアイディアと想いでゼロからのサービスやプロダクトを育ててみたい、という気持ちも湧いてきました。
仕事・趣味・子供…全てがうまくつながればいいなあと思っています。
最後に、メッセージをお願いします。
私は割と若いうちに子供を授かったので、特に20代半ばで女性としてのキャリアに悩むみなさんへメッセージを送ります。
私が出産したのは約50名の同期の女子の中でも1番早く、子供ができた幸せと同じくらい、実は不安な気持ちでいっぱいでした。1日でも休みをとることが、自分の仕事人としての成長を止める事だと思って焦っていました。
働き盛りのみなさんにとっても、長期で休みをとったり、復帰後これまでと違う働き方をすることに不安を抱く人はいるかもしれません。
でも、子育ては必ず自分を成長させてくれます。特に、自ずと「自分にとって大切なもの」を強く意識して行動するようになるので、仕事にも絶対に活きてくると思います。
だからぜひ育児をしながら仕事をすることを、ポジティブに捉えてほしいです!
「お母さん」に憧れる、若い世代が増えていってくれたらなあと思います。
まだまだ未熟な私ですが、そんなロールモデルになれるように頑張ります!
読んでいただき、ありがとうございました。
インタビュー : 高村 奈津子