2014年3月のパワーママnightでトークセッションに参加頂いた端羽さんのインタビュー。パワーママnight後、同月に総額70百万円の増資を実施と、勢いのあるスタートアップ社長の前のめりな勢いに、勇気が出るインタビューです!
プロフィール
・氏名:端羽英子
・会社名:ビザスク https://service.visasq.com
・職種:代表取締役
・簡単な経歴:
東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部で企業ファイナンスに携わるも出産のため1年で退職。以降、「育児をしながらでも100%働ける、キャリアの強みづくり」を仕事のテーマにする。米国公認会計士資格を取得し日本ロレアルに転職、ヘレナルビンスタイン(化粧品ブランド)の予算立案/管理を担当した後、子連れでマサチューセッツ工科大学に留学しMBAを取得。 投資ファンドのユニゾン・キャピタルでエノテカ(株)の非公開化などバイアウト投資を5年間行った後に起業、ビザスクを運営する株式会社walkntalkを設立。 グロービス・マネジメント・スクール講師。
・ご自身の年齢:36歳(1978年生まれ)
・お子様の年齢:12歳3ヶ月(2002年6月生まれ)
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
“スポットコンサル”プラットフォーム「ビザスク」(https://service.visasq.com)を運営しています。企業にとってはビジネス課題の解決に役立つ貴重な実務の知見が、個人にとっては知識や経験を活かす機会が、1時間という自由なカタチで見つかります。謝礼は提携NPOに寄付もできるので、企業OBやフリーランス、子育て中のキャリアママはもちろん、現役サラリーマンの人にも活躍頂いています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6時45分:起床
7時45分:子供が登校
8時20分:会社へ
9時〜:仕事
子供が塾がない日は19時まで、塾の日は22時まで、週1回は大学生の姪に泊まりのサポートを頼み、会食や残業でエンドレスで仕事。
出産して、何が一番変わりましたか?
出産前の職場は夜中まで働くのが定常状態だったので、労働時間に制限が出来た事が一番変わりました。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
子供が将来働く事をとても楽しみにしていて、あんな仕事がしたい、こんな仕事がしたい、と話してくれるので、働いていて良かったなと思います。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
小学校に入ってからの長期休暇と平日のお休み。お弁当づくりはもちろん、保育園と違い、親とお出掛けしたり家でのんびり出来る子と学童に行く子の差が出るので、子供が自分の環境にあれ?と思い始めて「学童にいかない!」と言ったときは大変でした。
それをどうやって解決していますか?
お弁当は手抜きです。
学童については、4年生で中学受験の塾が始まって自然に解決しましたが、その前は、仕事が許すタイミングで時々は会社を休み一緒に過ごすイベントを作っていました。
ご家族の協力体制はどうですか?
実家は九州で遠いですが、大学生の姪が子守りのアルバイトをしてくれ、ご飯も作ってくれます。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児では、自分に自信が持てるように、ということを大事にしています。自分への自信が揺らがないと、一生懸命努力も出来るし、他人にも優しく出来ると思います。土台は親からの愛情だと思うので愛情表現は目一杯しつつ、適度に色々なチャレンジをさせています。
仕事では、結果に責任を持つこと。約束した成果を出すことで応援してくれる人も増え、フレキシブルな働き方も出来るし、仕事にワクワクできる自由度も生まれると思います。また、責任を感じるからこそ、ありがとう、と、ごめんなさい、のコミュニケーションの大事さを痛感します。
ご自身が受けた教育が、お子さんの教育方針に影響を受けている点があれば教えて下さい。(端羽さんには是非聞きたい!)
姉が10歳年上で、家庭内の色々なことが大人基準だったと思います。かなりの放任でしたが、要所要所で特に父には褒められていました。
育てられたように育てるんだな、歴史は繰り返す、と痛感しています。
東大で学生結婚→ゴールドマンサックス→出産→USCPA→日本ロレアル→MBA→起業!タイミングでどんな事があったか教えてください。
「やらない後悔よりやる後悔」、リスクの範囲が見極められれば、やりたいことをやらない理由はない、と思っていましたし、今も思っています。振り返ると、一つを選択すると、他の事が選択できなくなる、という事を全く計算していませんでした。
端羽さんは学生結婚、社会人2年目で出産と、「早回しの人生」ですよね。早めに経験しておいて良かったと思いますか?
早めに出産した事で、子供がある程度は手を離れた時期に、まだまだ仕事上の挑戦が可能な年齢だったことは、働く期間のトータルの長さを考えると良かった気がします。
同じ企業でキャリアアップではなく、経験や資格(MBA, USCPA)を保有し転職でキャリアアップする方法を選んだのは、なぜですか?
まだ実績もない、人より秀でた強みがある訳でもない、ペーペーの時に子供が出来たので、周囲に配慮してもらうことはとても肩身が狭く感じました。妊娠した時期に働いていた会社は全員が夜中すぎまで本当によく働く会社だったので、もっとみんなの労働時間が短い会社に転職すれば、配慮してもらわなくても皆と同じ位働ける、と思いました。
ピカピカのキャリアな端羽さんでも、「企業での出世は限界がある」と思うものですか?
こんな早く子供を作って迷惑をかけて申し訳ない、と思っていたので。。
タイミングの問題です。
ただ、同程度の仕事スキルがある人が、100%の時間と神経を仕事に注いだ場合と、80%の場合とで違いが生じるのは当然だと思います。子供との時間も大事にしたいので100%では働かない、と思うのであれば、仕事スキルを上げるか、同じ土俵で戦わないで済むように勝負する場所を選ぶか、どちらかは必要なのではないかなと思います。それか育児の負担をシェア出来る相手を選んで100%に近づけるか。
そして起業。なぜこの事業で起業したいと思ったのですか?
ビザスクの提案する「スポットコンサル」は、企業の情報ニーズと、プロのコンサルではなく、働くひとりひとりのビジネス知見をマッチングします。
自分自身の問題意識である(育児をしながらでも100%働ける)「キャリアの強みづくり」ということが、終身雇用で無くなったり、定年が伸びたり、女性の労働力の重要性が高まったり、様々な背景から、社会のニーズと合致するな、と思った事と、企業の情報ニーズに関しては、欧米の事例や、前職のファンドで既存のコンサルティング業界や研修業界に足りない点を見ていて「ある」と思った事で、このマッチングをやりたい!と思いました。
端羽さんレベルなら、一人でも余裕で稼げると思いますが、投資を受けチームを作ると覚悟を決めたきっかけは何ですか?
せっかくやるなら社会を変えるインパクトがあることをしたいですし、やっぱりチームでなくては、大きな事はできない、と思います。
端羽さんのリスクテイクについての考えについて教えて下さい!(女性起業家はリスク取らない安定路線な方が多いイメージなので・・・)
実際はリソースは限られるので優先順位付けは大事ですが、意識としては、リスクの下限を考えて飲めるリスクだったとき、プラスのインパクトが大きいと信じるものをやらない理由はないと思っています!
今後の目標など教えて下さい!
「ビザスク」を、社会を変えるくらいインパクトのある規模にしたいです!
最後に、この記事のオーディエンスにメッセージをお願いします!
メスライオンはメスで協力しあって狩りも育児もします。働くママは社内の弱者だ、とか、働くママを持つ子供は淋しい思いをしてかわいそう、なんてこれっぽっちも思わなくていいように、大変な時は助け合いながら、キラキラ一生懸命働きましょうね!