8年間の時短勤務を経て管理職として活躍されている高山さん。
「今は我慢の時だよ」、「我慢の時」として、焦らずゆったり構える事も大事など、高山さんが先輩から受けてきたアドバイスや、ご自身の体験から得た「大事なこと」をシェア頂くことで、さらに現在進行形で同じ思いをしている方や、未来の不安を持っている方に響くフレーズがたくさんあるインタビューです!
プロフィール
・氏名:高山さえ子
・会社名:ドコモヘルスケア株式会社(NTTドコモより出向中)
・役職名:プラットフォーム企画部長
・職種:新規サービス・ビジネスの企画開発
・簡単な経歴:慶応義塾大学卒業→モルガンスタンレー→株式会社ネオ(デザイン会社)→楽天株式会社→NTTドコモ→ドコモヘルスケア(出向)
・居住地:東京都
・ご自身の年齢 :41歳(1973年生まれ)
・お子様の年齢 :9歳(2005年生まれ)
・ワークスタイル:フルタイム
現在のお仕事の内容、ワークスタイルを簡単に教えてください。
新規事業開発を行っているNTTドコモ本体の部署から、ドコモとオムロンヘルスケアで2012年7月に設立したジョイントベンチャー、ドコモヘルスケア(http://www.d-healthcare.co.jp/)に出向しています。お仕事の内容は、弊社のサービスブランド総称であるWM(わたしムーヴ)提供のコンシューマー向けサービス(「カラダのキモチ」「からだの時計」「ムーヴバンド」)や会員基盤を活用した法人向けヘルスケアビジネスの立ち上げ、弊社のウェアラブル端末「ムーヴバンド」と接続するスマートフォンアプリケーションの企画開発を担当してきました。
前職の楽天時代は時間短縮勤務をしてきました。その8年間で身についたタイムマネジメントによって生産性を高め、極力残業無しで業務を終えて帰宅できるような働き方を、自分のみならずチーム全体で行えるようなワークスタイルを志しています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:00 起床。
シャワーを浴び、メーク含め、自分の支度を完璧に行った後娘を起こします。
7:00 娘起床。
朝ご飯を作って食べさせます。ここではなるべく娘と会話ができる
ように一緒に食卓に座るようにしています。
8:00 娘の登校と一緒に出社
8:20-9:00 通勤
電車の中で日経電子版とネットニュースをiPhone 6 Plusで
チェック
9:00 始業より30分早く出社し、メールを読んだり、会議準備をしたり、1日の自分のタスク、優先度付け、タイムスケジュールを組み立てて、チームメンバーが出社するまでの間すごします。
9:30-19:00 就業
19:00- 退社
週1で加圧トレーニングジムに通ったり、空いた時間でビジネス
英会話に通ったり、インスパイアされる方々と会ったり、週1は
早めに帰宅して娘とすごしたりしています。
20:00-21:00の間 娘を実家に迎えにいきます。
21:30 娘就寝。小3ですがまだ添い寝をします。一日の出来事をお話するのはこの時間しかないためです。
21:30- 洗濯をしたり、本を読んだり、海外ドラマを英語で見たり、ぼーっとしたり、娘と一緒に習い始めたピアノの練習をしたりします。
0:00-1:00の間に 就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
時間の大切さを身にしみて感じるようになりました。やりたいと思うこと、やらねばならないことは即優先度をつけ、実行するようになりました。時間の使い方がとても上手になったと思います。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うHappyなエピソードを教えてください。
仕事はとても大変ですが、疲れて帰った時に、娘がぎゅーっとしてくれたり、かわいらしいお手紙を書いてくれたりすると、育児も仕事も頑張っていて良かったとおもいます。
育児&仕事をしていて大変なことはありましたか?それは何ですか?
保育園の頃は、時間的な大変さや、子供が病気になったとき、眠っていないのに仕事に行かなければならないといった体力的な大変さでしたが、小学校にあがり、更には、時とともに自分もキャリアップし、管理職になってからは大変さの内容が深くなりました。職場では部下のマネジメント、家でも子供のマネジメントと、マネジメント業務で休む暇がなく、誰の前でも弱音をはけないことが大変です。
それをどうやって解決していますか?
お酒?(笑)冗談ですが、でも、同じ境遇の先輩女性管理職にお時間を頂いて飲みにいったり、同じ境遇の友達と飲みにいったりすると、自分だけが大変なのではないということも分かりますし、勇気がわきます。ママ友達と飲みながら、たまには弱音をはくことも大事だと感じています。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
育児視点でも、仕事視点でも、1日1日を大切にすごすことを大事にしています。「今日より若い日はない」と、とある方から言われましたが、本当にその通りです。育児視点では、1日1日の娘の成長を限られた時間で感じられるようにしています。朝、夜の少しの時間でも、娘の話をじっくり聞き、一日の出来ごとなどを聞くようにしています。そしておはよう、いってらっしゃい、おやすみのハグを欠かさないようにしています。仕事視点では、チームメンバーの成長の中での1日、自分の成長の中での1日と、1日という単位を貴重な時間として扱うようにしています。
外資金融から楽天、ドコモというキャリア。どのようなタイミングで、どうチャンスをつかんできたのですか?
どうチャンスをつかんできたかは、おそらく、「運」と「人との出会い」と「感謝の気持ちを忘れない事」でしょうか。外資から楽天に移るきっかけは自分の中で決めていた「やりたい」の実現です。ここまでは若さ故に「やりたい」ベースで進んでいました。勉強も沢山しましたし、やりたいことへの思いがはっきりとしていたので、楽天の面接では、当時の事業部長や三木谷社長には将来のネットの世界観について熱くお話させて頂きました。そこで運良く気にいって頂き、チャンスを頂きました。楽天時代に出産もし、8年間、時間短縮勤務をしてきたので、自分がやりたいと思うことができなかったり、フラストレーションも沢山ありました。ここからは、自分の「やりたい」の実現だけではなく、育児とキャリア両軸での判断が必要となりました。当時、とても尊敬していた上のかたに、「今は我慢の時だよ」「誠実に仕事をしていれば、上は見ているものだ。上に行けば行く程、時間もないので、君の会議での発表や、作る資料などで判断するから、やるべきことをしっかりやっていれば大丈夫だ。」と言って頂いたのが強い励みとなりました。結果、何度か異動もあり、上司も変わりましたが、時間短縮でも立派なお仕事に従事させて頂くチャンスに恵まれ、次の転職のチャンスにもつながったと思っています。ドコモへの転職のタイミングは、楽天での時間短縮勤務が切れる、娘が小学校にあがるタイミングでした。
ワーママ管理職の転職はどうでしたか?まだまだケースも少ないので、是非経験談をシェアお願いします!
正直、とても大変でした。なかなか自分のワークスタイルを受け入れてく下さる企業は少ないと、リクルーターには言われていました。リクルーターには、時短勤務は無理ですと言われていましたし。でも実際、ドコモへの転職が決まった時、保育園卒園までの間は4時までの勤務にしてもらうことができましたし、この世に不可能はない!と思いました。(笑)本当にありがたいことです。転職となると、その企業に自分が何を提供できるか、つまり、自分のスキルが重要になるので、そのスキルを時間短縮勤務中でも身につけることが出来るような働き方をしていたことが大きかったと思います。今から育児、ゆくゆくはキャリアアップのための転職をとお考えの方には、やはり、時短勤務中でもキャリアを積める働き方をすることをおすすめします。それには、先にも述べたように、我慢の時だったとしても、誠実に仕事をこなすことと、周囲への感謝が大事だと思います。与えられた機会は、育児との兼ね合いや、スキル的に自信がなくても、断らないで率先してやることも大事だと思います。その際には仲間に助けてもらえることも重要です。
時短勤務中でもキャリアを積める働き方、これはどういう働き方ですか?
自分がやりたい軸はぶれさせなかったし、勉強もしましたし、仕事持ち帰りもしていました。一緒に仕事をして、サポートしてくれるメンバーに誠意を見せたかったので、仕事を持ち帰ってアウトプットは出すようにしていました。持ち帰りは極力しないほうがいいですが、、、言いたいのは、必ず遅くなってもその日のうちにメールやメッセを返すなど、誠意を見せる仕事の仕方をしていました。
以前、SNSに女性管理職についての書き込みされていましたね!どうすれば日本の企業に女性管理職が増えると思いますか?
これは難しい課題ですよね。実際に、出産をしても管理職として働けることを実証できるロールモデルがいて、その方々から、安心感と自信を与えられること、タイムマネジメントのノウハウを学習できること、チームワークを学べること、いざと言う時には周囲に理解してもらった上で、気兼ねなく育児のための時間を割ける環境を与えられる事。あとは、育児に理解を示すパパ管理職が増えることもとても大事です。どうしても、組織全体でのサポートが必要だと思うからです。
(教育ママなイメージで!)ご自身が受けた教育で、娘さんへの教育に影響を与えていることがあれば教えてください。
帰国子女の私ですが、父から教育されたのは、グローバル人材になるには、海外を知る事とそれより何より自分の国、日本を知る事だということでした。娘の時代は我々の頃より更にグローバル化が進むと思います。娘を帰国子女にすることは難しいかもしれませんが、アメリカ人の先生との英会話のみならず、極力その目で海外を見せること、その国の人々の文化や考え方を否定せずに認めること、日本を見せる事、の両方を心がけています。
小学校は休みが多いようですね。どうやりくりしているのでしょうか?
小4までは学童があるので、更に早起きしてのお弁当作りは大変ですが、休みの日は学童のお世話になっています。小学校にあがるタイミングで転職と引っ越しをしました。ですので、力になってもらえる時には実家に助けてもらったり、小学校のクラスのママ友達にお世話になることもあります。ママ友達との関係性構築は保育園の時もそうでしたが、小学校にあがってもとても大切です。
女性のキャリアについて意識が高いイメージなのですが、想いを教えてください!
全員がキャリアの道に進む必要はなく、もちろん、専業主婦でも立派なお仕事だと思います。私は仕事が好きですし、仕事を通して成長することが好きですので、キャリアの道を進んでいます。娘を幸せにするためにも、ママ本人が幸せでいることがとても大事です。自分が輝ける場でキャリアを積んで行きたいですし、沢山の方々と出会って、影響を与え、与えられて成長し続けたいと思います。
今後の目標やプランを教えて下さい!
今唯一出来ていないと感じていることが、グローバル。
海外赴任でも、日本にいながらの海外業務でも良いので、実現させたいと思っています。
最後に、メッセージをお願いします。
育児があると、思うような仕事のしかたが出来ないこともあると思います。まだお子さんが小さいときは、「我慢の時」として、焦らずゆったり構える事も大事だと思います。ただその時間でも、誠実に仕事をすること、勉強をすること、周囲の支えがあるから成り立つこともあるという謙虚さと感謝の気持ちを忘れないこと、とはいえ謙虚になりすぎず、機会は遠慮せず受けること、助けてもらう勇気を持つ事、が大事だと思います。(自分も含め)大変だと思いますが、頑張りましょう!
インタビューby 椿