今回のインタビューは、メディアにもたびたび取り上げられている、「外れにくいピアスキャッチ」を展開している会社を経営する菊永英里さん!
従業員を雇いながら社長をやって育児もやって・・・とこれだけ聞くと大変そうですが、英里さんはいつもマイペースで楽しそう!その秘訣を伺いました。
プロフィール
・氏名 : 菊永英里
・会社名 : 株式会社Chrysmela
・職種 : 製造卸売業
・居住地 : 東京都文京区
・ご自身の年齢 : 32歳
・お子様の年齢 : 1歳4ヶ月、第2子 2014/6出産予定
・ワークスタイル:時短
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
26歳のときに起業した、ピアスキャッチの製造・卸売業をしています。
いままで無くしやすかったピアスに不満を覚え、外れにくいピアス キャッチを24歳のとき考案し、26歳で製造卸売会社を設立しました。今では日本全国に800店舗ほどに扱っていただいており、世界中からピアスを無くす というストレスを減らし、自由におしゃれを楽しんでいただけるようになったらいいなと思っています。
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
6:50 娘と一緒に起床。洗顔、歯磨き、洗濯機を回す
7:00 朝食作り
7:15 娘、旦那の朝食および、保育園への準備
7:45 娘、保育園へ(送り担当:お父さん)
8:00 朝食、家事
9:00 出社、アメリカとのスカイプ会議など
10:00 デスクワーク、電話、打ち合わせ
12:00 昼食作り
12:30 ランチ
13:00 午後の仕事、出荷作業など
17:45 娘帰宅(お迎え担当:お父さん)
18:00 食事準備
18:30 食事
20:00 娘とお風呂
21:00 寝かしつけ
23:00 就寝
出産して、何が一番変わりましたか?
今まで、自分の都合だけでいろんな事を決めて来られたのが、家族ができて自分の都合だけでは動けない事が増えたこと。
32年の人生で今まで、13回引っ越しをしてきて、一つの場所に定着する意識が薄いのですが、子供の育つ環境とかを考えるとあまりふらふらできないなと考えています。最近は、どこでどう子供を育てたいかとよく考えます。なかなか結論が出ませんけど。
パパやご両親などとの家事・育児分担はどうしていますか?英里さん家はパパがすごく協力的。その秘訣は?結婚前に、そういう協力的な方だと見抜いていましたか?!(笑)
私は妊娠前に引っ越しをして、事務所と自宅を一緒にしたんですが、そのときに立地にもこだわり、両方の実家から30分以内の場所を探しています。最初から、手を借りる気満々でした。
現在娘は週に3回保育園に行っているのですが、その他の日は、今では、私の母が週に2〜3回、孫を見に来てくれていたり、ベビーシッターさんにお願いをしたりといろんな方の手を借りながら子育てをしています。
ま た、うちは結婚をするときに、「5年間だけ、うちの事業を手伝って!」とお願いして結婚しているので、その間に子供を2人産んでしまおうと計画していまし た。2011年11月に入籍をしているので、2016年11月までは手伝ってくれる予定です。その後、契約を更新するかどうかはお互いで話し合いという事 で(笑)。
元から、とてもよく気づき、ささっと行動してくれるタイプだったので、彼なら一緒に子育てもしてくれるかもしれないという期待 はあり、この人なら一緒に私たちらしい家族の形を作っていけると思ったので結婚しました。実際、70%の育児は旦那がやっていて、私は30%。私一人だと 回ってないだろうなと思うと、本当に感謝しています。
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・ 育児では・・・どんなに疲れていても、「ちゃーちゃん(お母さん)」と笑顔で走ってきてくれると疲れが吹き飛びますね。毎日、できる限り手作りの食事を用意していますが、もりもり食べてくれるのでとてもやりがいがあります。
・仕事では・・・出産前に比べて、無駄を省くようになっていると思います。全部やる時間はないので、私がやるべき事、私でなくてもいいものを明確にわけて、私がやるべき事に集中するようにしています。
育児&仕事をしていて一番大変なことは?
・ 育児では・・・子供が保育園に行っていない時間は、私と旦那の外出が被らないようにGoogleカレンダーに入れてスケジュールを管理しています。そう すると行動がかなり制限されますね。でも、無駄にぐずったりしないし、機嫌がいいときは一人で遊べる子なのであまり手はかからなくて助かるなと思っていま す。2歳に向けてイヤイヤ期が来るのと、その頃に二人目がうまれるので、これからどうなるかなとちょっと心配です。
・ 仕事では・・・出産前までは、私一人の会社だったのですが、今ではアルバイトさんを入れると最大6人働いていただいているので、出産を機に組織にできた なという感じです。また、一人目出産の時に「私が1ヶ月動けなくても稼働し続ける組織に」と目指していたので、そのおかげで実務に追われていたのから経営 的な事に時間と頭を割く事ができるようになりました。出産という区切りが無かったら、まだ一人でがんばっていたかも知れません。
それらをどうやって解決していこうとお考えですか?
子供が小さい時期は、20年続くわけではなく、大変なのはここ数年だけだと思うので、バタバタしながら、それを楽しめたらいいなと思っています。
国内ですでに大人気のクリスメラのピアスキャッチ!海外にも進出し始めたところとのこと。育児とのバランスはどのようにとっていく予定ですか?
元々、女性が避けては通れない出産育児を両立できる業種は…と考えながら、会社を作っていて、育児中でも大丈夫なように卸売会社という業態を選択していま す。海外に進出するときにも、自社で乗り込んで行くのではなく、その国のパートナーを探そうと思っていましたので、今、アメリカ、台湾、コロンビアと話を 進めていますがこのままの働き方でも可能だなと思っています。
実際、昨年はアメリカに8日間出張をしましたが、その間も旦那一人で面倒を見てくれていたのでこちらも仕事に集中することができました。
ご自宅兼事務所で、しかも、フリーではなく会社として運営されている英里さん。このようなスタイルをとったワケを教えてください!
「私は何もできない」と知った時に、起業を決めたのがベースにあります。私にできない事は人を雇って組織として機能していればいいと思っていたので、それなりの事業規模と組織を目指していました。
26歳のときに起業をしましたが、30歳で出産をと計画をしていたので、それを実現するためには働きながら、出産、育児ができる環境を作らなければと思っていたので、結婚のタイミングで事務所と自宅を一緒にしています。
こ れも、自分が辛抱強いタイプであるとか、困難な中でも頑張りでカバーできるタイプだと思っていたら、分けて考えていたかも知れないですが、せっかく自分の 会社だし、一番ストレスの無い方法はと考えたら、通勤ゼロ、自宅兼事務所だったのです。実は、人生設計をした16歳の時から「神楽坂にある一軒家で、1階 にはオフィススペース。そこに子供を育てながら働く人による複数の会社が同居していて、2階でそれぞれの子供たちが遊んでいる」とイメージしていました。
今は実際、神楽坂から徒歩圏内の3階がオフィス、4階が自宅というスペースです。
そして、子供をつれて働く人たちがスペースを共有するという所では、2012年6月にオープンしたHatch Cowork+Kids の設立に関わり、実現をしました。
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・育児では・・・子供は私の所有物ではなく、一人の独立した人間であるということを忘れないようにしています。また、1歳でも、きちんと意思をもっていますので、ちゃんと娘の希望を聞いて行動するようにしています。
・仕事では・・・うちの商品は、見た目がかわいい商品ではないので、品質をキープする事が何より大事だと思っています。高い品質を長くキープし続ける事。それがブランドとして認知される事につながっていくと考えています。
これからの目標を教えてください。
・ 育児では・・・子供にいろんな事を教わりながら、一緒に成長していきたいなと。きっと、私は相変わらずダメ母だとおもいますけど、きっとその分、子供が しっかり育ってくれると期待しています。もし、将来的に子供がやりたい事ができたときに、必要なときに後ろにいて応援してあげられるようになれたらいいな とおもいます。
・ 仕事では・・・ニッチ・グローバルを狙っています。小さい組織だけれども、その商品では業界1位で、世界中に流通している。そんな商品を目指していま す。また、働き方ということでは、場所も、時間も、雇用形態ももっと自由にいろいろとチャレンジしていけるかなと思っています。時代の流れが早いので、こ うあるべきという常識にとらわれずに柔軟に考えていきたいなと思っています。
最後にメッセージを!
すごいなー、パワーあるなーという働くお母さんの友人がたくさんいてとても尊敬していますが、私はそこまでがんばれない。でも、仕組みでカバーしています。
どの方法に正解も無く、自分らしくやっていければいいなと思っています。
「無理しないと子供と仕事を両立できない」のではなく、「無理しなくてもできる」を私は目指していますし、楽しめていると思います。いろんな方が、自分らしくいきられますように!
インタビュー by 千田 絵美