今回のパワーママインタビューは、YouTubeやGoogle+などを通して子育てにまつわる情報発信をしている『ホリプロ保育園』のえんちょーとして活躍する安田美香さん!
「あなたはひとりじゃない!つながるってすてき!」を合言葉に、子育てに関わる人たちの笑顔が増えることを願い、活動しているという『ホリプロ保育園』。1歳と5歳のお子さんのママとしての目線を活かしながらさまざまな情報発信をされている安田えんちょーですが、立ち上げの裏には、安田さんご自身が産後、子育てで挫折した経験があったそうです。
産後の孤独の中でどのようにして『ホリプロ保育園』が生まれたのか?『ホリプロ保育園』に込めた思いや現在に至るまでの奮闘についても伺いました。子育てのヒントも沢山詰まったインタビューです。
プロフィール
・氏名:安田美香
・会社名:ホリプロ スポーツ文化部 アナウンス室
・職種:ホリプロ保育園えんちょー、レポーター、ラジオパーソナリティ
・簡単な経歴:立教大学2年生の時に芸能プロダクション・サンミュージックにて、競艇のイメージガール「多摩川3人娘」で芸能界デビュー
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声がハスキーだというコンプレックスを乗り越えたくて、東芝EMIからCDデビューするも、在庫を山積みにする
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日本大学芸術学研究科修士課程へ進学し、映画の世界へ。在学中に出演した「東京ハレンチ天国 ~さよならのブルース~」で、[ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2001]オフシアター・コンペティション部門グランプリ受賞。
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リポーターとして、セントフォースへ移籍
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フリーランスとして独立
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ホリプロに所属。Jリーグサッカー中継ピッチレポーターなどをつとめながら、2010年に出産。子育てに挫折した経験から、「ホリプロ保育園」を立ち上げ、えんちょーをつとめる。
・居住地:東京都世田谷区
・ご自身の年齢:41歳
・お子様の年齢:5歳(2010年生まれ)、1歳(2013年生まれ)
・ワークスタイル:フル(フレキシブル)
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください。
・「ホリプロ保育園」えんちょーとして、子育てにたずさわる様々な取り組みをされている方をお迎えして、えんちょーやすだがお話を伺っています!ホリプロママパパタレントも多数ご来園!子育てグッズのお試しや、お役立ち情報を発信しています。
【YouTubeホリプロ保育園】 http://goo.gl/86jxPk
【Google+ホリプロ保育園】 https://plus.google.com/+ホリプロ保育園/posts
・「日経DUAL」「日経トレンディネット」にて連載中!
【ホリプロ保育園DUAL出張所】http://dual.nikkei.co.jp/search/list.aspx?word=安田美香
【子育てに効くつぶやき】http://trendy.nikkeibp.co.jp/s-search/index.html?w0=安田美香&o=1#jsSearchResultAnchor
・サッカーJリーグ中継ピッチレポーター
・JFN『YAJIKITA ON THE ROAD~耳で感じる旅番組』旅人レポーター
・ラジオNIKKEI「東京女子流スクールラジオ」MC
・【LINEオフィシャルブログ】にて、日々の子育てについて書いています!http://lineblog.me/yasudamika/
・【安田美香Google+】で、子育ての情報を発信中!子育ての写真や、子連れのお出かけに便利だったトイレ&授乳室について、アップしています!https://plus.google.com/b/107262657479807977855/107262657479807977855/posts
・【アメーバオフィシャルブログ】で、サッカーの仕事や、大好きな落語について書いています!http://ameblo.jp/xanadu09/
平日1日のスケジュールを簡単に教えてください。
24:00 起床(1)。夕飯の片付け(皿洗いなど)。明日の台本チェック&資料作り
03:00 就寝
07:00 起床(2)。朝食作り&洗濯
08:30 子どもたち保育園へ(送りは旦那さん担当)。メイク&着替え
09:30 移動
11:00 スタジアム入り。出演者&スタッフ打ち合わせ
13:00 「Jリーグ中継」本番生放送スタート!
15:30 終了、監督&選手取材
16:30 移動
18:00 保育園へお迎え
18:30 帰宅。夕飯作り
19:00 夕飯
20:00 お風呂
21:30 寝かしつけ→一緒に寝落ち(笑)
お仕事を続けられてきた中で、結婚や出産のタイミングは理想通り(計画通り)でしたか?
まったく”理想通り”ではありませんでした!
こんなコト言ったら、旦那さんや子どもたちに失礼かもしれませんが……正直言いますと、年齢に迫られて結婚・出産しました。
「私はこれをやっています!と胸を張って言える仕事を成し遂げるまでは、結婚・出産なんて、まだ考えられない!」と思っていました。
「仕事がしたい!」気持ちでメラメラだったので、結婚も出産も後回し…。
そんな私でしたが、30歳を過ぎると、母親から「彼氏がいるなら、結婚しなさい‼︎」とモーレツに迫られ…「この人と、ゆくゆくは結婚したいなぁ」と思っておつきあいしていた彼と結婚しました。
しかし!結婚すると今度は、「子どもは?子どもはいつ産むの?」と、これまた母親からものすごいプレッシャーが…(笑)。
かかりつけの産婦人科の先生にも、「35歳までに1人目を産んだ方がいいですよ」と促され、出産しました。
もちろん、「いつかは、結婚・出産を経験したい」という気持ちはあったので、今では、口うるさく言ってくれた親や産婦人科の先生に感謝しています。
出産して、ご自身の内面では何が一番変わりましたか?
「出産で、こんなにも人生がガラッと変わるのかーーーっ!?」というくらい、全てが変わりました!
仕事柄、「夜中の3時に寝る」超夜型人間だったのが→朝型に変わり、それによって仕事のやり方も変わりました。
行く場所、買うモノのチョイスもガラッと変わりましたし、「ママ友」という新しいジャンルの人間関係もできて…もはや、別人?です(笑)。
そんな中で、一番変わったことといえば…「肩の力がちょっと抜けて、ダメな自分を周りに素直に出すことができるようになってきた」ことです。それまでは、なんか、カッコつけてたんでしょうね(笑)。「なんでもできる女性になるんだ!」と。
でも、出産してからは「ひ、ひとりじゃできません〜!誰か、助けて〜!(涙)」と思う瞬間の連続で…。
「私は、ダメな母親なんです…なんにもできなくて…」とカミングアウトしたら、「私だって同じよ〜!」「うちなんか、もっとヒドイわよ〜(笑)」と、いろんな人に言ってもらって…。「人と人は、もっと頼りあっていいんだ!」ということを教えてもらい、本音で話せるようになってきたと思います。
パワーママプロジェクトも登場させていただいた『ホリプロ保育園』についてお聞かせください。『ホリプロ保育園』を始めたきっかけ、そしてスタートから現在の形にたどりつくまでの奮闘などもあれば教えてください。
『ホリプロ保育園』は、「あなたはひとりじゃない!つながるってすてき!」を合言葉に、子育てに関わる人たちの笑顔が増えることを願って活動しているプロジェクトです!子育ては、大人の修行の場…。でもだからこそ、楽しみたい!何かと「孤独」になりがちな育児ですが、「私は、ひとりじゃないんだ…!」と笑顔になってもらえる場所になるよう、YouTubeやGoogle+を通して、全国のママ・パパ・おじいちゃん・おばあちゃん・地域の方・保育士さんたちとつながって、子育ての悩みを共有しています。
★【YouTubeホリプロ保育園】http://goo.gl/86jxPk
★【Google+ホリプロ保育園】https://plus.google.com/+ホリプロ保育園/posts
ホリプロ保育園を始めたきっかけは、私が子育てに挫折したコトからです。
1人目を産んでから、私は”幸せなフリ”を、していました。
不妊治療をちょっとして、36歳で授かった、大切な赤ちゃん。可愛くないハズがありません!愛しています、心から。
でも、「命を育てる」という、張り詰めた時間がずーっと続いて、大好きだった仕事もパッタリ無くなって…。
あまりの大きな変化に、ついていけてない自分がいました。
「外にでて、気分を変えよう!」と思い、ベビーカーを押しながら商店街をブラブラして、でも特に行く場所もなくて…夕焼けの中を泣きながら、誰もいない家に帰る毎日でした(笑)。
「子どもが生まれて幸せなハズなのに…なんでこんなに孤独なんだろう?」「さみしい、なんて誰にも言えない…。子どもにも申し訳ない…」
と、泣いてばかりいました。
「でも、他のママたちはどうなんだろう?もしかしたらどこかに、私みたいなひとりぼっちのママも、いるんじゃないかな…?」
と、泣いてばかりいる自分が悔しくなって、「ホリプロ保育園」の企画書を会社に提出し、「ニコニコ生放送」で番組を始めました。
でも…6回放送して、終わっちゃったんですーーー!!!(笑)
私のつたない台本&企画で、見てくれる人も少なかったですし、独身男性スタッフだけの現場で「???」と、ポカーンとされることだらけでした。
「何が面白いのか?わからない」と、最初は言われてしまい、スポンサーが付いてなかったこともあり、一度は番組が終わってしまったんです。
再び、家で赤ちゃんを抱えて、シクシク涙する日々に戻りました…。
でも、あきらめきれなくて、「どーしても、やりたいんです!また、続けさせてください!!!」と企画書を会社に出し直し、スポンサー探しにも奔放しました!
ですが、営業経験のない私ががんばったところで、うまくいくハズもなく…。
最後には、友人だった日経トレンディネットの編集長に「スポンサーになって〜!」とお願いしました。
編集長は笑いながら、「スポンサーは難しいけど…番組と連動して、うちで記事を書いてよ」と言ってもらい…「日経トレンディネット」とのコラボを含めて、4ヶ月後に番組が復活!再スタートを切ることができました!
ですが、番組が再開してからも、なかなか視聴者数が増えず…
「どうしたらいいんだろう?」と悩む中で、育休から復帰してきたママ社員さんと出会いました(下尾さんという、現在「ホリプロ保育園」のプロデューサーです)。下尾さんは、「社内で、正直どうしたらいいかわからない番組がある」と言われて、収録を見にきてくれたんだそうです(笑)。でも、彼女が号泣と大笑いで! ドはまりしてくれて!!!「これは面白いものなので、たくさんの人に見せましょう!」と立ち上がってくれて、番組が走り始めました!
当時は、番組があまり見られていない状況でしたので、よりたくさんの方々に見られるべく、取り組みが始まりました。
「忙しいママパパが、いつでも気軽に見られるように」と、ニコニコ生放送から「YouTubeホリプロ保育園」での放送に切り替え、番組HPもない状況だったので、Google+で番組ページを立ち上げました。Web上でいろんな人とつながり、リアルなイベントなどでもつながっていく、現在の形ができあがりました。
『ホリプロ保育園』では、安田さんが園長としてさまざまなゲストの方とお話されていますが、何か印象に残っているエピソードはありますか?
ゲストさんのお話は、本当にステキなお話ばかりなんです!
「子育てについて、こんなに素晴らしい取り組みをしている人がいるんだ…!」と、心が震え、1ママとして勇気をもらっています。ひとりでも多くのママパパに、「こんなステキならしい取り組みをしてる人がいるよ〜!」と伝えて、「そうか、ひとりゃないんだ!」と元気になってもらいたいです。
1つだけ上げるのは難しいのですが…特に印象的だった言葉は、『演奏者はすべて動物たち!世界初の親子のためのオーケストラ「ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団」』プロデューサーの大塚治之さんの言葉です。
→ホリプロ保育園【ズーラシアンブラス】 https://www.youtube.com/watch?v=rk23Vscr3VY
大塚さん「子どもってうれしいときに、親の顔を見ているものなんですよね。親が喜んでいると、“これはイイものとして受け入れていいんだ”と子どもは思うんです。常に親のフィルターを通して育っていくので……。だから、親が「素敵!」と思わないと、子どもたちは「素敵!」とは思わないんです。ですから、親が夢中になれるコンサートを作るようにと心がけています。」
この言葉に、思わず涙…。「ママが楽しいから、子どもも楽しいんだ…!」と、目からウロコが!
ここから、「できない自分を責めなくていい。”ママが笑顔でいること”がなによりなんだ!」と思うようになりました。
子育てとお仕事の両立にあたり、何か工夫していることはありますか?
「完璧を求めすぎない」こと。
出産前までは、仕事が終わるまで寝ないで仕事をしていましたが…産後も同じスタンスで仕事をしていたら、体を壊して自滅してしまいました。
全部終わっていなくても、しかたない!
明日でもよいものは、申し訳ないけど明日やろう!
完璧を求めすぎず、いい意味であきらめて(笑)、睡眠時間を確保しています。
でもおもしろいもので、仕事ができる時間が限られていると、ものすごい集中力で「ガガガガガーーーーーーッ!!!!!」とものすごい力を発揮できたりするので…秘められた自分のポテンシャルを楽しんでいます!
ワーママとして育児&仕事をしていて良かった~!と思うhappyなエピソードを教えてください!
・育児では・・・5歳の息子が「いってらっしゃい」を言ってくれるようになったことです!
これはもう、私にとってうれしくてたまらないんです〜!!!今までは「イヤイヤ〜!ママー!おしごと、いかないでー!!」と泣いていましたが…最近では「ママ、いってらっしゃい!がんばってね!あとね……(耳元で内緒話で)おみやげ、かってきてね♡」と言ってくれるようになりました。「がんばって、仕事を続けてきてよかったなぁ…」と、ウルウルしちゃいます。
・仕事では・・・「ホリプロ保育園」を見てくれた20代の女子から、「子育てって、大変なんですね…。でも、大変なんだって、知ることができてよかったです。知っていれば、心の準備ができるから」と言ってもらったコトです。
「出産・子育ては大変!」という、一見ネガティブにとらえられてしまいそうな情報って、あまり発信されていないと思うんですよね…。出産した時、私は「出産に向けて増加したホルモンバランスが、産んだ後は急激に落ちていく」ことを知りませんでした。その落差は”エベレスト山の頂から突き落とされるくらい」急激に落ちていくんだそうです!それによって、産後うつになる危険性もあります…。
→ホリプロ保育園【産後クライシスはホルモンバランスのせい!?】 https://www.youtube.com/watch?v=T0ONLC2c3Kc
そういった、不安になってしまいそうなネガティブな情報は、育児書にも書いてなかったし、お医者さんから説明もありませんでした。なので、産後に泣いてばかりいる自分が許せなくて、「私は、母親として何か欠けているのだろうか?」とさらに落ち込んでいってしまいました。もし、この情報を知っていたら…!知った上で準備したり、選ぶことができたら、私の子育てはもっとラクチンだったのではないかしら?と考えさせられるんです。
リアルな子育ての情報や、「いろんな子育てのやり方があっていいんだ!」と思える選択肢をふやして、伝えていけたらなと思っています。
ご主人との家事・育児分担はどうしていますか?
朝は、旦那さんが大活躍!朝食を作って子どもたちに食べさせ、保育園に送ってくれます。その間に、私が洗濯と掃除を済ませます!
夜は、私がフル活動!保育園のお迎え〜夕飯作り〜お風呂〜寝かしつけまで、1人でやります。
育児&仕事をしていて一番大変なことは?
・育児では・・・5歳の息子がぜんそく、アトピー性皮膚炎、極度のハウスダスト、花粉症というアレルギー持ちなコト。風邪をひくと、ぜんそくの方が悪化してしまい、回復までにとても時間がかかります。「アレルギー体質に産んじゃって、ごめんね…」と、初めは保育園に預けることに強い罪悪感を覚えていました。でも少しずつ体も強くなってきていますし、旦那さんや祖父母に協力してもらっています。
・仕事では・・・収録や生放送など、夜遅い時間帯での仕事が多いコト。泊まりがけでの仕事を、簡単に引き受けられなくなりました…涙。インタビュー取材の準備はできる限り時間をかけて丁寧にやりたいのですが、その時間が出産前に比べて足りないのがジレンマです。あとは、一応、人前に出る仕事ですので…育児の疲れを出さずに、若々しくいるのが難しいですーー!誰か、教えてくださいー!(笑)
それをどうやって解決していますか(していこうとしていますか)?
いろんな人に「力を借してくださいー!」と頼ることで、なんとか乗り越えています!
そのために、家族にも会社の人にも、かかりつけのお医者さんにも、連絡は早めにマメにして、常に状況を伝えておくことを心がけています。できる限り、急にお願いすることがないようにと…。この借りたご恩は必ず返していきたいし、私も誰かを助けたいです!
育児と仕事、それぞれで一番大事にしていることは?
・育児では・・・どんなにせっぱつまっていても、「大好きだよ〜!!!!!」と抱っこする時間を作るコト。否定せず、「うんうん。そうだったんだ〜」と、子どもの立場から話を聞くコト。
・仕事では・・・相手の話を、目を見てしっかり聞くコト。丁寧にきちんと受け止めて、キャッチボールすること。その瞬間は、背負っている状況・生活を切り離して、そこの空間に生きること。
これからの目標を教えてください。
・育児では・・・子どもたちが成人したら、南の島で「おつかれさま〜!いやぁ、大変だったねぇ〜!」と、旦那さんとビールで乾杯するコト。
・仕事では・・・「ホリプロ保育園」を通して、「あなたは、ひとりじゃないですよ。私も同じですから!」と伝えていくコト。子育ての孤独をなくしたい。子育ての喜びも、孤独も分けあって、みんなでつながっていきたいです。
サイトを覧の皆様(ワーママ仲間)にメッセージをお願いします!
子育ての悩みは、人それぞれ。ワーママならではの悩みも、たくさんありますよね。ご家庭によって子育てのやり方も、価値観も違うと思います。
だからこそ、「おしゃべりする」ことがすっごく大切だと思うんです。おしゃべりして、「あるある〜!」「私もおなじですよ〜!」と共有することで生まれる「ママパワー」があると思うんです!
ワーママどおし、私たちがつながって、そこから専業主婦のママ、パパ、おじいちゃんおばあちゃん、もちろん子どもたちとつながって、この世界をHAPPYにしていきましょう!
「ホリプロ保育園」がその架け橋になれたらうれしいです。
インタビューby 柴田広夢